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刈り入れ、葉、枯れ

わたしたち。   

貧窮は カタカタ  呼ばわる
明るさについて。

茎が折れ、そのあたりを、
嗅ぐ。     鼻孔、ひらき、
足も萎え、
何度もなぐられた ....
黄昏が
輪郭を奪い

ネオンが灯りだした
町並みの真上

薄雲に隠れ
ほのかに
きょうの月

ああ
そうか

僕は君の
輝きばかりを追い求めて
ついにその形を
知ること ....
まひるに
月が笑いながら
堕ちてゆくのを
見とどけてしまった


サルビアの
紅が憎くて
泣き叫ぶのもかまわず
摘み取ってしまった


こめかみが
痛くてたまらない
や ....
  チョコレート

チョコレートの包みを
あけたのは
退屈なカエルが
土の中から這い出て
鳴いたから


  スカーフ

ほめたら{ルビ白髪=しらが}まじりの
老婆がくれた
 ....
雨ですねぇ
雨ですねぇ

夜中にふる雨は
なぜか
さわがしくてしずか

布団の中で
ほくほくときいているのに
冬の雨は
身にしみて
つめたあい音がす
 る

ぽと ほと と ....
夏の情熱の裏側に
すらっと伸びた少年少女の
腕がつかみそこねた{ルビ目差=まなざし}を
冷たく崩れてゆく陽炎

囚われた脈動は
透けていく意識となって
{ルビ中性花=ちゅうせいか}の宙吊 ....
いま、ここでできること
わたしのなかの
もう忘れた 日々のなかの
灰の底で まだ暖かなものを
はだかの ゆびで つまみ
てのひらのなかで
そっと 吹きかけていくこと

ああ 雨が窓を打 ....
その花は
涙をあつめた
毬のようで

降りつづく
雨の重さに
身を委ねて

香りもせず
散りもせず
ただうつむき

けれど私は
その毬から零れた
微かなうたごえを
た ....
「かえして、ねえかえしてよ、あたしの世界。」
ばらばらになったのは、
あの日、
窓から自分の身体を放り投げたのは、
わたしたちという、世界そのものである。

あなたは、
蓬髪をさかだてて ....
ほほ、
雨上りの風が、
ほほをなぜてゆく
にわか雨の詩人は、
詩を吐いてまっかっか
死んじゃった

時は八月六日、
つるをのばしたつぼみの花は
夜空のかすみをうらめしげ
ええ、こと ....
星空の下では今日も 
作業灯が明るい

掘り起こされる大地
積み上げられゆくコンクリート

道行く人は
まだか、と未来を吐き捨てる

けれども作業灯は
必ずの未来へと向かって
 ....
いずれ姿を消す
だろう月光
光を失った者の記憶には残ら、ず
されどその引力は
植物の{ルビ枝葉=しよう}に
昆虫の触角に
魚の尾びれに
爬虫類の肺に
鳥の翼に
哺乳類の脳に
空の風 ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子 ....
私の獏は夢を食べない

捨て獏だったからかしら
母乳で育たなかったからかしら
理由はわからないのだけど
とにかく夢をさし出しても
ふんっと顔を背けてしまうから

長い長い格闘の結果
 ....
森のかなたへ
碧をたどる

濡れた黒髪
指でなぞる

空をそのまま
うつしたような
蒼のしずく


ぽとり

ぽとりと


堕ちてゆく
ふかい水路へ

そこから生 ....
バスルームの飾り棚に
置き去りにされていた
JAZZの香

蓋を開けた刹那に
よみがえる記憶

ああそれは
一年も前のことで
そういえば私は
まだ泣いてもいなかった
もともと
あてになる眼ではないけれど
それでも
夕陽の色彩くらいは
心得ている

川辺は 減速を始めている
木立は 瞑想を始めている
鳥達は 安息を始めている
あきらかに夕陽の時 ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
われわれは行く
海の道をつま先でなぞって
名も知らぬ船に乗って
われわれは行く
炎と水の間で
われわれの生は簡潔に揺さぶられる
誰も
海について本当のことを知らない

われわれは泳ぐ ....
いたらない
わたしが
なきながら

てのひらにうけた
こもれび

なにがよくて
わるいのか
おしえてくれた

あしもとにおちた
こもれび

そこをみつめて
そこからはじま ....
うちあけることは、むつかしい

しろながすくじらが
{ルビ吼=ほ}えるとき
わたしは
ちいさく「え」と鳴く

しろつめくさが
幸せを茂らせるとき
わたしは
亡霊とかけ落ちする

 ....
 教室で心くだいた
 日々も過ぎ
 今日はすずろな心地です。


 いまや厚い雲壁の鎖はとかれ
 世界はつめたく
 何も教えてくれません。


  それは幸いなるかな…


 ....
鏡台のまえに座り
紅をひく
雨音が
静かにへやを満たす
なにをするでもなし窓の外へ目をやる

何億年もの上空で
移ろうおもいが重さをもって降ってくる。
そう何かで読んだことがある
こ ....
はっぱをめくればなめくじ

みんなにきらわれて
しおをまかれたりする

おまえなめくじ

うまれてからずっと
からだじゅうでないている

おれだっておなじ

みんなにきらわれて ....

降るのかしら。

先のことなどわからないから
ただ ありのままを見つめる

内側で降る
血の流れが
どうしようもなく
わたしを形作り
{ルビ廻=めぐ}る

こんなにも
 ....
時間は円をめぐる歩行者のようで、はてのない夢境にて死を装い続ける。驟雨にぬれた林の小道で、あざやかな多面体をステッキで描く。数々の速度がきざまれた都市の舗石の上で、マッチの火をともす。視界をおおい始め .... いつからか
{ルビ誰彼=たれかれ}のすがたもなき その水
その{ルビ夜=よ}のもとの {ルビ黝=あおぐろ}き{ルビ躯=むくろ}
うごかずうごく
四肢の{ルビ肉=しし}

― … ヒツギには ....
ひどい青さの落果
そんなに思い出を失くしてどうするの?
夢をみてるのね
ゆるい傾斜の果樹園で
ひとつひとつの木には
実がふくらんでいて
それいぜんには
花が咲いていて
遠い

息が ....
硝子細工の
幾つかの重なりは
小さな風の溜まり場をくるくるとかき混ぜて扉を揺らし
丘に続く小道を夢見るのです

夏が降り
気まぐれな模様を織りなして
あのひとの指に留まった雨粒が私の
 ....
中心へ向って途絶えない無数の
緑の中に駈け寄って

眼の後ろで呼ばれた光は
しだいに
向かい合わせた最後の場所で
塵に変わりゆく扉に刻まれても
痛みのオウトツを識らない

薄まら ....
前田ふむふむさんの自由詩おすすめリスト(2022)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
麦畑- るか自由詩27+05-7-18
黄昏が奪った月夜- たりぽん ...自由詩1405-7-14
怯える- 落合朱美自由詩10*05-7-14
冬眠- こしごえ自由詩15*05-7-12
リズム- こしごえ自由詩9*05-7-12
ドライフラワー- こしごえ自由詩12*05-7-10
こころみ_2- るか自由詩1705-7-9
紫陽花- 落合朱美自由詩11*05-7-8
こころみ- るか自由詩16*05-7-6
黙葬の誕生日(もくそうのたんじょうび)- こしごえ自由詩11*05-7-6
作業灯- 千波 一 ...自由詩10*05-7-5
月の記憶- こしごえ自由詩10*05-7-4
千羽鶴- ベンジャ ...自由詩68*05-7-3
偏食- 落合朱美自由詩21*05-7-3
し・た・た・る- 落合朱美自由詩9*05-6-30
- 落合朱美自由詩17*05-6-30
夕陽が堕ちる- 千波 一 ...自由詩15*05-6-26
アンダンテ- 望月 ゆ ...自由詩53*05-6-19
船の名前- 岡部淳太 ...自由詩3*05-6-5
こもれび- 落合朱美自由詩8*05-6-4
白の系図- こしごえ自由詩13*05-6-4
ガリラヤ郷愁- 石垣憂花自由詩11*05-6-3
- こしごえ自由詩12*05-6-3
めくるめくなめくじ- ベンジャ ...自由詩37*05-6-2
有形の不在- こしごえ自由詩12*05-6-1
機械- 葉leaf自由詩5*05-5-26
水_仮葬- こしごえ自由詩4*05-5-24
フルーツメモリー- こしごえ自由詩16*05-5-23
或る夏の理由_「風の通り道」- 藤丘 香 ...自由詩33*05-5-21
楡と扉- 藤丘 香 ...自由詩30*05-5-16

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