黙葬の誕生日(もくそうのたんじょうび)
こしごえ

ほほ、
雨上りの風が、
ほほをなぜてゆく
にわか雨の詩人は、
詩を吐いてまっかっか
死んじゃった

時は八月六日、
つるをのばしたつぼみの花は
夜空のかすみをうらめしげ
ええ、ことしもおあずけ。

んしゃらん
風は、

んしゃらんりん

青白い顔をして
宙空ちゅうくうへ視線を投げた。
彼女は女神
そして海の狂気
銀河のくれないといってもいい

広い荒野は血の涙
帽子の骨はヒューヒュルル
カラスはサーカスはじめてよ
裏の老人しゃもじを投げた。
葬列は静まりながら深く
歩を進め燃えあがるような空へと
吸いこまれていった

忘れてはいませんか。
大きな鳥が飛びたって
零の産声 降っている


自由詩 黙葬の誕生日(もくそうのたんじょうび) Copyright こしごえ 2005-07-06 15:09:08
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