有形の不在
こしごえ


降るのかしら。

先のことなどわからないから
ただ ありのままを見つめる

内側で降る
血の流れが
どうしようもなく
わたしを形作り
めぐ

こんなにも
形ある
わたしはまだまだ崩れそうになくて
眩暈めまいの熱に接続された
冷めてゆく
日陰の放射していく憂鬱ゆううつ
焦れてし まう

ふと
庭にまっている
猫の姿を思い出した
幾千夜いくちよ
夏を過ぎたのか
その上に咲いていた花
が薫る

訳 も無く涙するのを問い詰めたりしないで
 と
丸い果実にくちづけする
お腹が鳴った
在るのよ(。)


ぽっと降って 来た




自由詩 有形の不在 Copyright こしごえ 2005-06-01 19:01:35
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