すべてのおすすめ
雨が止みはじめた頃に、
傘を差しはじめてみた。
びしょ濡れになって傘の下、
僕は何かに守られていると強く感じる。
道の向こう側から、
少年が歩いてくる。
あの懐かしい長靴の黄色が、
僕の ....
誰かがその両手に言葉を沈めた
すべての夜が時間通りになっていく
長い石段のその先で祈り続けてみた
世界はそんなふうに縁取られて

三十回目の離陸の後で
飛び立つ行方のさらに遠くをご覧なさい ....
初夏の陽射しは 便りを運ぶ

宛名も消印も
差出人も
見当たらないけれど
懐かしさという
こころもとない手触りに
わたしは ゆっくり目を閉じて
紫陽花のさざなみに
いだかれる
 ....
ブルーベリージャムの あまずっぱい朝に
「お早う」と言って
庭へ目をやる
すっと口許に手をそえ
ちいさな欠伸
すこし涙がじんわり
(うつむいて)
すっと小さな海をふちどる
縁側でやんわ ....
時間が、かたちになるとしたら
思うよりも綺麗に見えるかもしれない
夕日を右側に受けながら
止まった部屋が揺れた気がする

ほんの少しのリズムを
みんなが取り戻していく
いつかよりも欠けた ....
*翔る*

頭上の
ヘリコプターに向けて
大きく両腕を振る
「おーい」って叫んだ
何度も叫んだ
声だけが
翔けていく



*風*

自転車の
ペダルを漕ぐのも
間に合 ....
お前にそっくりな
ひよこ豆をゆでる

おまえにそっくりな
ちいちゃな鉤鼻と
これまたおまえにそっくりな
ちいちゃなおしりがついている

圧力釜なら早いが
ああ、
それはぜんぶお ....
東京は深くなっていく
今こうしている間にも
底なしに流れ込んでいく風に乗せて
僕らは深呼吸が出来るようになっている
そんなふうに、少しずつ思い出しながら
東京は深く、なっていく
君は回答を ....
ふうふうと
息をのぼらせ
この坂道をのぼってゆく
季節は溶解し
逆転し
暗転し
眠るものの肌を焦がした
ふうふうと
息をのぼらせれば
ふうふうと
あえぐ空 または地

(私はあ ....
放った言葉は
宇宙葬
想われた言葉は
さようなら

糸の切れた凧のように
僕は自由ですね

されど
日々は変わらず続き
空の色さえ失っていません

その普遍性に
安堵し
途 ....
雨の部屋に静かに崩れる砂の声に
それでも傘を差せずにいる
いつも狭い夕暮れだった
零れていくものといえば、僕らの影ばかり

当たり前なほどに
当たり前はなくて
二十年後の空の色よりは
 ....
小雨の降る夜道を歩いていた。
ガラス張りの美容院の中で
シートに座る客の髪を切る女の 
背中の肌が見える短いTシャツには

「 LOVE 」 

という文字が書かれていた。 
 ....
絹のような 抗いがたい量感に
涙さえも濡れてゆく


霧とよぶには 重たく
雨とよぶには 軽く
そこはかとなく
命名を拒むような
その 結界に包まれて
記憶の軸も同様に
遠退い ....
「えくぼ」


六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?

穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
いつも眠ることばかりを考えていました
枕の硬さが場所についてを語っているので
少しばかり、指先を開くようにして
眠る場所のことばかりを想っていました

安息は帰りましたか
こちらでは同じこ ....
海で眠る


大きい貝は見えない
貝は大きいから見えない
貝は大きいから見えない貝だから
大きい貝だから見えない貝だから見えない


身体ごと


くるりと曲げてしまってしまお ....
空は虹色に溶け
得体の知れない甘さが
いちめんに薫り立つ夏のゆうぐれだ
長い夏のゆうぐれだ
君の記憶が
水のように透明に
けれど水よりも濃い密度で滴ってきて
それは容易く
私の現在を侵 ....
湿った闇に蛍ちかり
潤んだ夜に星ひかり

小指から糸を辿れば
丁度きみの背のあたり
絡んだ赤が花になる

   夏は夜

浴衣を着れば良かったと
木綿のシャツを少し恨んでみる
盆 ....
月は
硝子に描かれた設計図なのです
半透明に、透明に
あるいは暦のように

時は
暦の影絵
季節を待ちこがれた獣が
手に入れた花占い

君は
峠ではためく{ルビ経文布=タルチョ} ....
矢継ぎ早に
新月は降り注ぎ
縫い針がまたひとつ
遠雷に濡れている


吟醸の名を濁さぬ盆は
薬指だけの浸りに あかるい焔を映し
無言の岸辺を満たすのは
衣擦れの波
鈴なりの
 ....
しずくのことは
一輪、
二輪、と数えあげたく
青空ならば頷いてくれるだろうか と
躍らせた髪


真昼の月の通い路と
銀色乗せた浅瀬の流れは
中空で いま
十字を結ぶ

か ....
あなたに会うために
歩いてく道すがら
蹴飛ばした石ころは
転がって
側溝に落ちた
二羽のカラスが飛びだして
山際に沈んだ
見上げると
雨雲が送電線に接触して
発光している
あなたは ....
鍵を掛けたかどうかを忘れて
それでもここまで来てしまった
世界の青は静かに落下して
戻れない道の重なりにいる

昔の話をしようか
言葉でしか帰れない、場所がある
こんなにも遠い西の果てで ....
思い出だけで終わらないために
日々は刻まれて
小さく、はらりと落ちていきそうなものが
私の中で対流している

一番最後の麦藁帽子が
夏の見える丘の、少し西の辺りを
沈んでいった日のことを ....
コントラバスは 宇宙からできている


共鳴胴は スプルースやメイプルなど森の木々から、
弓は 草原を走る馬の尾の毛から
成り立っていて、
弓に琥珀色の松脂を塗り 弦に滑らせることによって ....
行基さんでの
待ち合わせは飽きたので
采女神社でって
君がいうから
僕は池をぐるりと歩いて
時計回りで君を待って

興福寺の夕暮れに
見上げると
和紙に漉かれた
六分の月

君 ....
私とあなたの間には 
いつも一枚の窓があり 
互いは違う顔でありながら 
窓には不思議と似た人の顔が映る 

私とあなたの間には 
いつも一輪の花の幻があり  * 
互いの間にみつめると ....
雲は薄い水彩画
静まる街の片隅でそれを見上げる

風は止まない

誰かが植えた大きな木の葉が
不規則に踊り続けている


ふいに灰色の鳥が目の前の枝にとまり
世界のニュースを告げる ....
窓と壁のはざまから
水のような顔があふれ
外を見もせず消えてゆく
風が光に 光が風に
裏切りの等価を与えるとき


狭いところ
熱いところ
いたらぬ波をくりかえす舌
輪 ....
望んで、息を止めている
駆け抜けていったのは誰だったのか
その先に生まれない景色を夢見て
地図の見方を覚えていたはずだったのに

信号の変わる瞬間を逃さずに、狙撃する
駅前の海は潮騒を響か ....
前田ふむふむさんの自由詩おすすめリスト(2022)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ある雨の日、君の弟は。- 葛西佑也自由詩26*06-6-18
遠近法- 霜天自由詩406-6-18
初夏- 千波 一 ...自由詩30*06-6-17
初恋- こしごえ自由詩14*06-6-17
メトロノーム- 霜天自由詩906-6-17
少年時代- LEO自由詩19*06-6-16
ひよこ豆- 水在らあ ...自由詩20*06-6-16
アンダーグラウンド- 霜天自由詩306-6-16
地霊- 岡部淳太 ...自由詩8*06-6-15
ネロリのこいふみ- 藤原有絵自由詩16*06-6-15
蒸留水- 霜天自由詩706-6-15
「汚れた足」- 服部 剛自由詩21*06-6-14
霧雨- 千波 一 ...自由詩12*06-6-14
なにもないうた。- まほし自由詩48*06-6-14
祖国- 霜天自由詩1206-6-14
大きい貝- ふるる自由詩14*06-6-13
夏の場所- 塔野夏子自由詩21*06-6-13
- 銀猫自由詩15*06-6-13
星を、かぞえてはいけない- たりぽん ...自由詩16*06-6-13
占星術- 千波 一 ...自由詩13*06-6-13
桜残照- 千波 一 ...自由詩19*06-6-12
半透膜- iloha自由詩8+*06-6-12
碧落- 霜天自由詩706-6-12
曳航- 霜天自由詩1306-6-11
コントラバスは宇宙からできている- まほし自由詩18*06-6-11
駅・近鉄奈良_〜猿沢あたり- たりぽん ...自由詩9*06-6-10
傘を差す人_- 服部 剛自由詩21*06-6-9
曇り空- 松本 涼自由詩9*06-6-9
午後の名前- 木立 悟自由詩606-6-9
ハロン- 霜天自由詩906-6-9

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68