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 鏡で右眉を見るとある情景を思い出す
 それは小学校の近くにあるセブンイレブンだ
 町は密封されていて しんとしていて 根雪が積もっている
 正月だからだ
 僕は行く当ても無いまま町から町へと ....
風が死んで、
また一人、また一人倒れ
アジアでは奇形の動物達が生まれ
生まれては殺されて

蒸せるような夏
君が棄てた女
――は、ブラウス姿で
ごろり仰向けになり
天井を見つめたまま ....
喜劇だろうが悲劇だろうが
いつかは幕が下りる時が来る
喜劇は喜劇のままでいい
悲劇は喜劇に変えればいい

だけど過去多くの監督達が
挫折し涙を呑んできた

だからどんな結末 ....
東京、
その日もひとりで
幡ヶ谷の太陽と
馬鹿みたいに重い、
心細さを背負って
唇を噛んでた


夏の
だれるような湿度と
車の排気ガスと
肌に纏わりつく
人間、の ....
箪笥の奥には
凪いだ海がしまわれている
微かに潮の匂いが漂っている
妻は夕暮れの淡い光に
静かなシルエットとなり
折り目正しく丁寧に
洗濯物を畳む
その姿は僕らの感傷を代弁する
何 ....
灰色の壁に囲まれた
音の無い部屋

黒い衣を身に{ルビ纏=まと}い
「死」を決意した病の老女 
一点をみつめ 
椅子に腰かけている 

( 左手の薬指に今も{ルビ鈍=にぶ}く光る 
 ....
こえ、


ぼくを剥いてゆく
この
あかぐろい
にんげん、を
剥いてゆく
こえ、



きみの
こえ、


ふたしかな
やさしさ


ぼくの ....
なにかと鋭い恋人に
今日は特に死相が出ている
と言われたので
心配になって病院にいったら
思想だった
俺てっきり死ぬかと思った
良かった
とどのつまり
俺の頭ん中は
夢だとか希望だと ....
              2007/03/15


投函したと電話したら
明日、読むのが楽しみです
ホワイトデーのチョコレートも
美味しかったです

言われたので
少しは脈があ ....
「たいへんよくできました」
というスタンプがどうしても
自分のノートに押されたかった
先生にノートを渡しても
いつも「がんばろう」とか
「あとひといき」ばかりだった
同じクマのスタンプなの ....
また 春が きた って だれかが いう

とめどなく 梅は ほころび

いぬふぐりは 淡く むらさきの 列を 走る

つぶらかな 音で ころ ころ と

ひとなりの {ルビ絃=いと ....
 朝露に濡れた葉のギザギザ。地表を這うように草木を透かして訪れた地獄の陽を浴び、緑に燦然とかがやく【ヤマソテツ】と呼ばれる羊歯を踏みながら言葉なき森の奥深く、「幸」住むと人のいふ原始の密林を駆け巡る雛 .... 今日、世界が終わるとしても
教えないでいてください
怖いからではありません
やっぱりわたしは
明日の約束をしたい、あなたと

    交わされることのない言葉
    くちぐせのような夢 ....
 エスカレータで夢を見る

ふわふわの風船、逃げられて
いまにも泣きだしそうなおんなの子
ジャンプして捕まえた糸に端の輪をつくり
ひとさし指を通してごらん
これで赤色どこへも行かなくて
 ....
道の中を働く
小さな運送屋は
テロリストにはならない
いくら罪を掘っても
累積された女王の愛で



見慣れない空から
チラリズム
手紙が届く
忙しい時間帯に
類型の物語は ....
もはやこの世界は荒廃していて
私だけが正しいのだと
私が世界を正しく導くのだと
そんな狂い方をして
私は少年兵団を結成します

何百人もの美しい少年たちを
戦場に向かって行進させます
 ....
目を閉じると
ざわざわとした瞼の光がある
生き死にとは関わりのない所で
夜に終わっている

大変な引力で
言葉が土に還っていく
無音とはそういったもので
雪でも降ったりするんだろうか
 ....
窓硝子を挟んで
浅い春は霧雨に点在し
わたしに少しずつ朝が流れ込む

昨夜見た夢を
思い出そうと
胸を凝らしたら
微かに風景が揺れた

なかば迷子の眼で
周りを見渡 ....
{引用=
 かれこれ十五年くらい、俺は土を掘るだけの仕事をしている。
 はっきり言ってしまえば、何も楽しいことはないし、あるのは日々蓄積する肉体の疲労感だけだ。憂さ晴らしのためにある給 ....
こぼれる陽の光に
ぼくらは、似てみたかった


つたい落ちる月の光に
ぼくらは、似てみたかった


つないだ手が、ぎこちないのは
歩いてきたからなんだよ。

あの頃より無器用な ....
合理的で清潔で、迷いがない

自由で無責任で、自己責任で排他的で恣意的で、有限で
科学的で哲学的で、宗教的な世界が私に指し示した絵画
時間は正確で、太陽の動きとは関係が無く、季節は曖昧

 ....
冬になったら
彼が凍ってしまって
まるきり目を覚まさなくなったもんだから
やさしく体を開いてあげたら
ふたつあるうちの腎臓の
ひとつが石化してしまっていた
両手で上手に取り出し ....


好きと嫌いが
ギアの上で揺れていました
わたしはちょっと迷いましたが
結局どちらとも決められないまま
右手で好きも嫌いも
すっかり覆い隠して
細心の注意を払い
 ....
いつの間にか骨が凍っていたから
熱っぽいあなたの言葉で
解凍された体液が流れ出る
うっとりとするひとときが過ぎたら
肉が痛んだ
焦がれるほどに泣けるほどに
肉に刻みつけたいと望んだのは私で ....
新しいお絵描き帳と
クレヨンを持っていった
何も描けなかった
周りの子たちは
鳥も魚も人も
自由に描いた
真っ白く広げられたものの前で
どうしたらよいのか
わからなかった
どうしたの ....
お前が壁にぶつかって
散った火花が
この星燃やすんだ



お前が傷ついて
零した涙が
この星を潤すんだ



お前が夢見て
描いた絵が
この星の未来だ

 ....
今日、午前中は車の洗車をしていた。
洗車は綺麗になると気持ち良いし、楽しいし、良い運動になる。
そんな洗車しながら色んな事に思いを巡らせていた。
洗車は僕にとって楽しい、けれど蛇口を ....
耳をすますと
遠く潮騒が聞こえる
ドアを開けば幻の海
白い波頭が立って
空はおぼろに霞み
「春だね」とつぶやくと
「春ね」と君が応える


潮風が弧を描いてゆく
君の長い髪がゆらめ ....
通り過ぎた列車の
なごりの風が、引き連れる
潮のにおい
線路沿いにこの道をまっすぐ行けば
ほら、海が近づいてくる

そう言ってふたり、短い影を
踏み合いながら走った日
無人 ....
日中の忙しさからすっかり静まり返った 
午後九時過ぎの特養老人ホーム

入院先で亡くなった 
Y爺さんの{ルビ亡骸=なきがら}が入った棺桶は 
施設内の小聖堂に運ばれた 

いつもはほと ....
前田ふむふむさんの自由詩おすすめリスト(2022)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
眉毛から思い出す或る情景- はじめ自由詩6*07-3-17
匂い立つ四月- atsuchan69自由詩10*07-3-17
エンドロール- 1486 106自由詩6*07-3-16
三十二行- はらだま ...自由詩30*07-3-16
箪笥- たもつ自由詩1707-3-16
「_椅子に座る老女_」_- 服部 剛自由詩7*07-3-16
こえ- はらだま ...自由詩20*07-3-15
おっぱいよ- 石田 圭 ...自由詩38+*07-3-15
春の告白- あおば自由詩11*07-3-15
たいへんよくできました- ぽえむ君自由詩36*07-3-14
すぷりんぐすてっぷ・じゃんぷ- モーヌ。自由詩15*07-3-14
郭公の見る夢_★- atsuchan69自由詩6*07-3-14
春は明日の約束- たりぽん ...自由詩15*07-3-13
ふたり、夢を見る- soft_machine自由詩10*07-3-13
みちている- 石田 圭 ...自由詩22*07-3-13
少年兵たち- 三条麗菜自由詩15*07-3-12
その街/知られざる- 石田 圭 ...自由詩4207-3-12
朝の名前- 銀猫自由詩37+*07-3-12
線香- はらだま ...自由詩12*07-3-12
からまりながら- わら自由詩18*07-3-12
あなたは、地図の上では咲かないと- たりぽん ...自由詩12*07-3-12
彼の腎臓の秘密- 吉田ぐん ...自由詩1407-3-11
仕事の話- 吉田ぐん ...自由詩2507-3-11
凍った骨- 九谷夏紀自由詩4*07-3-11
- たもつ自由詩1607-3-10
十年彗星- はらだま ...自由詩7*07-3-9
感謝する死体- はらだま ...自由詩7*07-3-9
喪失の朝- 石瀬琳々自由詩18*07-3-9
夏の切符_〜海岸列車〜- Rin K自由詩48*07-3-8
「_遺体の顔_」_- 服部 剛自由詩10*07-3-8

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