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シュレッダーにかけられた美しい哲学も 空港で踏みつけられた時計の神経も 郵便に紛れ込んだ一粒の生命体も 残らずお湯の湖に浸していく 足から尻、腹から肩へと 気圧と水圧の嶺の接する所へと 宴は際限なく皮 .... +剥離+呼吸+孤独+写像+


1.はじめに

 光冨郁也の詩は白磁のように硬くて白くて滑らかだ。硬さは、詩語の硬さでありまなざしの硬さであり何よりも孤独の硬さである。白さは、詩世界を覆う光 ....


川の表面に見えない川が重なっているので、刻み採る、反転したウグイスを読むための辞書を踏みながら。いくつかの水分子に哀しみを含ませて川をさかのぼらせる。川を構成する無数の小さな川のそれぞれにふ ....
本の続きが読みたいと思ったので
部屋を出て外へ向かう
ポストの裏側に続きは書いてあった
また続きが読みたくなったので
デパートへ行く
エレベーターの壁に続きは書いてあった
(僕だってこんな ....
体いっぱいに
内臓や肉や骨を詰め込んで
さあ出発だ
横断歩道を渡り
魚の肌を横切り
宇宙ができる以前から咲いている花を
アスファルトに練り込みながら通り過ぎて
コンビニとともに混濁する
 ....
この瞬間に降っている雨粒を
どこまでも遠くへとつないでいく
知らない街のマンションの屋上で
雨粒は途切れていた
雨が降っていない街の
日差しはとても悪意に満ちて

雨が降っていても
雨 ....
死んだ人々の霊が
自然の事物に宿るように
僕に忘れられたものたちは
自然の事物となるのかもしれない
僕が忘れてしまった
初めてプールに入ったときの記憶は
山道の苔となって
ひっそりと生き ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=122465

 詩人は詩を書き始めるにあたって、一つの静寂、一つの待機状態に身を置く。詩人が詩の発端をつかもうとすると ....


昔、三人の男が互いに足の速さを競っていた。最年長の男はやがて体力が落ちてきて競争から脱落した。だが彼は、健康のためにいつも歩き続けることを自分に課した。凡庸な男はやがて自分の才能に見限りをつ ....
新しい町で
食料品を買う
就寝の手順について
思いをめぐらす

建物はどこかに
年輪を隠し持っている
タンポポの茎が
配管されている
新しい町への食欲と
昼時の食欲と
どちらが本 ....
鉛筆の一側面の上半分が
白く光を反射している
右目で見たときと左目で見たときでは
白い光の領域が違う
僕は透明な手を鉛筆へと伸ばすが
途中で疲れて手は霧消する
鉛筆が置かれてあることと
 ....
    くびする糸者
     冷れみて    児
かなさり住に
    おへよっておへよって
              らびが爺ね

東北新幹線の空洞を貫く抒情性を少しも吸収することが ....


親しい輪というものに対する
石ころを眺めるように眺めていた
たまには色を塗ってみたり
だが僕はバイトをやめようとしていた

バイトは心地よい坂のようなもので
そしてその旨を塾長に ....
目覚めのとき、夢の表象が、広がり続け硬さを増す内部へと吸収されるとき、あらゆる色を超えた色をした薄片に、「犬」がそっと重ね合わされる。押し寄せてくる覚醒の光や事物、そして世界に対抗して、私は「犬」の重 .... わたし、総理大臣のあくびについて観想を述べたいの。あくびの尖端はからっからに観想してますね。あくびはフルマラソンを観想できそうですね。あくびにはどんな観想曲が似合うかしら。

わたし、川に記録され ....
買った記憶もないのに
本棚に入っている本というものがある

まるで私の目を盗んで狡猾に忍び込んできた
小動物か何かのようだ
そしてそれは
小動物となることで
本としての役割を ....
小さな点の上に静止することで
僕は歩いてきたのだろうか
足と足の踏んできた土は
目の前にうずたかく重なっている
軌道のつぼみは空間の針の数だけ
落とされては拾われてきた
つぼみはいつか
 ....
いつの日かきっと
樹は空を砕くだろう
その日のために
言葉たちが樹を覆っている
仕草たちが樹をめぐっている

樹が美しいのは
目に見えないすきまが
哀しく発電しているからだ
曲がり損 ....


西野は佐川透あてに手紙を書いていた。佐川は西野の年来の友人である。

「……先日はお招きいただきありがとうございました。佐川君の知的刺激にあふれた話を聞けてとても楽しかったです……私はと ....
少年の庭に咲かれた一輪の花
匂われて
光られて
やがて散られてゆく
そんな花の花
の花の内側を醒ましてゆく
夏の繊毛
角膜
破瓜
少年は不安によって
空間を把握する
不安の立面に ....
密集した小さな穴々から、予覚された円柱へと、いくつもの湯の筋が地の粗い曲線を描きこむ。湯の筋に閉じ込められた空間は火のゆらぎをきざしているが、私の体によって、様々な輝度から破壊される。この瞬間にも、時 .... 展示された日々にひとつひとつ形をあたえてゆくと、球のまざった菱形がひとつだけ余ってしまう。菱形は情念に光の島を落として、情念は菱形を斜めに転調させる。君はこの菱形に所有されていたのか。

君の肺は ....
人の背中が街の青い空気に裂け目を入れている。人の一部は気化してその裂け目を出入りする。裂け目の奥では昼めいた祭壇が、硬い光に包み返されている。祭壇の上では討たれた臓器が、自らの内部をけわしく循環してい ....  祖父が死んだ夜、私は世界の夜たちが一斉に瞬くのを知覚した。私はそのとき、一つのうつろな音階として瞬きの中に捕えられ、祖父の死んだ情念に触れた。その日、夜は間違いなく私を通過したのだ。背面から視界に向 .... 「樹を」
折れてゆく私の直線をめぐって溶け出す樹々、の泳ぐべき海の直線。泳ぐのは海、ひらくのは海。樹の斜線は海を分解して新しい樹々の斜線を生産する。いくつもの遠さに囲まれながら樹はかわくのをやめない ....
一枚ずつはがれてゆく沙漠から抜け落ちる温度に眼の奥を洗われて、新しい沙漠が水上に浮かんでは映発する様をいくつもの角度から剪断する。つぶらな音覚が限りなく前転してゆくその先では泣くことになるだろう。手の ....  私には自分が岩であった頃の記憶がない。だが、確かに私はかつて岩であったのだ。恐らく私は、人の欲望に汚染されることのない高山の頂上付近で、時折空から降ってくる虚無の波を一身に集めていたと思うのだ。ある .... ひとつひとつ、はげしい輪廻のあとに、夜は摘み取られてゆく。現世の庭にしどけなく積み重ねられた夜の鏡像は、大地の核に至るまで、ことごとく破壊されている。光は輝くことをやめた。色彩はひろがることをやめた。 ....  月が盲目であることを知るのに私は二十年の歳月を要した。私にとって、月はあらゆる意味で眼であった。月から伸びる湿った神経束は世界の絶望へと接続していて、世界の絶望は、半ば狂いながら老犬の飢えと私の衰弱 .... 非世界から吐き出された器としての私性
一滴の光でさえも顔料にして
熟したひだの内側へと塗り込んでゆく
ゆらめく環としての仮性植物
突起した肉からしたたる千草色の液
私は世界のあらゆる空に押し ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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