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誰のものでない足跡が
泥のような海に向かっている
きっと
闇の生まれるところ、
果てと呼ばれる
光、奪われる場所の
刹那の真実を知りたくて

、対消滅
小さな声でつぶやく
今日も遠 ....
疑惑が影のように付き纏い
例え太陽が不実の濡れ衣を押しつけようとも
もはや私は何も云うまい

風のように草原を渡り
波のように寄せて行く
無口な一つの現象のように
ただ行動のみで
わた ....
雨の

始めの

ひと粒

ふた粒


私だけに
与えられた
もののように
この頬を濡らす

あなたの指先に
近い温度で
それは言葉にならない思いであった
母は母であった
息子は息子であった
いずれは離れ離れになる定めだった
『ふたりは生き別れる』
それは別段、不幸なことでもなく
いつまでも悔恨に捕らわれるこ ....
失ってしまったと
知らせに突かれて
霧雨の中へ飛び出したから
取り込み損ねた洗濯物のように
さびしく湿ってしまった

    時計は無慈悲に
    時を奪っていく装置
    刻んで ....
抱き合うことで
すくわれるたましいの
とおく
海を泣いて

あなたが翔けていく
わたしもはしる
とおく
たましいの

秘密の場所
わたしは
自由だった
わたしとして

ほ ....
今宵も匠は
あざやかな手つきで
ガラス球をつるり
音もなく水槽に沈める
  瑞々しい、青とグレイと白の珠

覗き込むたび
妖しく映ろう彩雲は
硬く閉じ込められていて
届きそうで、届か ....
風が吹き抜ける
うたから零れる水滴に
滲んだかなしみを知る

きみを包む町から
初夏の気配を纏って訪れたうたは
インクの匂いをさせながら
紙を静かに滑り落ちて
こころの中に海を創る
 ....
生野菜が部屋を出て行く
生の野菜
それだけの理由で
ぼくらはたくさんの歯形をつけた

外では大切に育ててきたバス停が
音もなく
静かに腐っている
逝くものだけが優しいのだ、と
き ....
見えない風で
街を満たしていく
それは流される疑似餌
のようなものではなく
濁流の中で耐える小石にも似て
揺らいで見えるのは
まぶたの裏の潤みの中で
抗う魚の影か

   立体駐車場 ....
光の粒は増えては落ちて
空の青に波紋をつくる
大きな花の季節を切り
空を開け
冬を散らし
登山者の凍えた耳に
言葉を残す



雲の奥の淡い砂の陽
ほどけては集まる鳥 ....
静寂の水面に一石を投ずれば
波紋がゆらり、影が波立つ
月もまた冷ややかな横顔を
一層歪めて泣き笑いする

この橋の名を面影橋と人は呼ぶ
月明かりの下で我が影を
水面に映せば見えるとい ....


































 ....
夜の中の黒いオーロラ
帯の馬にからみつく蛇
ほどけながら近づく星は
月をかき消す粒の緑
沈むままに 見えぬままに
うごめくものは常にうごめき
まわりながらめぐりながら
夜は水 ....
{引用=小鳥のあおいへ}



君の目の
レモンのかおりするかたちで青い輪にふちどられた高く清んでいる空

少女だった
君は、
妻になり
母になり
私の恋人でもあって
今日、{ ....
学割九千八百円の
上海行きの船が岸壁から離れていく
思っていたよりも船は速く
もう見送りの姿も遠く

   そのくせ船はゆっくりすすみ
   行方は遙かにかすんでいるので
   夢をもて ....
白い春の夕暮れ
浅い眩暈が意識を通過する
柔らかな距離がゆるやかに傾き
西に沈む誰かの声 遠い声

傍らの抽斗の中で
淡い儀式の記憶が疼く
それはやはりある春の夕暮れの
古い棟のうらさ ....
間違っている気がして
冷蔵庫の乳製品を並べることにする
自分に似ているものは右側に
似ていないものは左側に
それ以外のものは
バスタブに順序よく沈めていく
ひとでなし!
口のよう ....
ヴィレブロルト・スネルは己の運命も未来も悟りはしなかった。
しかし光は己の運命を知っていた。

もっとも速くあれ

それが光の命題であり運命であり
屈折しても反射しても散乱しても構わなかっ ....
雨の降る夜の帰路
高速を降りてからの長い田舎道
前照灯が照らす小さな視界に
跳ねるものがあるのだ

灯火の中それは白く見え
雨粒とは違う動きで
ぬれたアスファルトの上を
道一面に跳ねる ....
  朝焼けがまだ
  始まらないので
  本当は昨日
  あなたに届くはずだった
  手紙のことを思った


  夜明け色の
  手紙を贈って欲しい
  君と一緒に
  指差して、 ....
あなたがあまりにも大きく樹をゆらしたので
花びらが落ちているのだった
色とりどりのかみふぶきに混じって
潔白な白がくるりまっているのだ
地上ではパレード
美しくなった出会いと別れへの ....
祝日 新宿の午後は人波に{ルビ溢=あふ}れて 
逃れるように僕は古びた細い路地に入る 

道の両脇に{ルビ聳=そび}え立つ高層ビルの壁に挟まれた 
細い空を見上げると吹いて来る向かい風 
ア ....
母は優しい
兄貴より遥かに出来が悪い俺は、
絵が好きで詩が好きで、なんだかいろいろ中途半端で、
でも、
生まれてきてくれて本当に嬉しいのだと
臆面もなく言うから
俺はいつもあなたの目を真っ ....
花のあるところに 埋まってください
日向の多いところで 眠ってください
淋しくないように 小鳥が好む土地で
粟の穂が 棚引いているような地で
魂だけは 健やかに 休んでいてください

出来 ....
ホット・ペッパーください
く、くださいませんか
クーポンついてますから
剥いたブルー・チーズですから
まだ、だ、でしょうか
え、駅前のあなた
く、くだい、ってば
というより、ください ....
大きな湖に
沈んでいく夕陽を追って

ガリレオってすごくない?
これで
地動説なんて
思いつかんよ絶対

ぶつぶつと
つぶやきながら
コウちゃんは
デジカメを構えてる

その ....
囀るひばりに誘われて
五月の原っぱ

やわらかな緑が
裸の足にくすぐったくて
昨日はふり向きもしない
ぺんぺん草がかわいらしい

青い空に
浮かんだ雲を
目で追いかけて
眩しい形 ....
    病窓のむこうにはあふれていました
ゴールデンウイークのうきうきしたひかりが
 中庭の木立のあいだにもながれていました
       みどりに薫るそよとのかぜが
             ....
  黄昏が近づいて
  風向きがふっとかわるとき
  隣り合って座るわたしたちの間には
  暖かな風のように沈黙が訪れる


  丘から見下ろす街並みは
  最後の夕日に照らされて
  ....
前田ふむふむさんの自由詩おすすめリスト(2022)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
波にむかう足跡、僕のものではなく- たりぽん ...自由詩14*06-5-16
伝説- きりえし ...自由詩9*06-5-15
刹那- LEO自由詩14*06-5-15
きずな(母の日に思いを寄せて)- 恋月 ぴ ...自由詩33*06-5-14
湿った夜の回折格子- たりぽん ...自由詩15*06-5-13
セクスセラピィ- umineko自由詩12*06-5-13
透明工房- 佐野権太自由詩13*06-5-12
風を纏うきみに- 銀猫自由詩17*06-5-11
性教育- たもつ自由詩1106-5-11
風触- たりぽん ...自由詩906-5-10
三華遠・讃華音- 木立 悟自由詩506-5-10
面影橋- 落合朱美自由詩31*06-5-10
ひいて_ひかれて- ふるる自由詩10*06-5-9
三華遠季節_Ⅳ- 木立 悟自由詩506-5-8
花葬_(かそう)- こしごえ自由詩22*06-5-8
埠頭・小さな決意の- たりぽん ...自由詩9+*06-5-7
遠い声- 塔野夏子自由詩15*06-5-7
- たもつ自由詩1506-5-7
もっとも速くあれ- 佐々宝砂自由詩10*06-5-7
蛙の日- たりぽん ...自由詩13*06-5-7
明星- 嘉野千尋自由詩17*06-5-7
パレード- フユナ自由詩22*06-5-6
「夢」_〜_新宿にて_〜_- 服部 剛自由詩14*06-5-6
no-title- 士狼(銀)自由詩20*06-5-6
茉莉咲く- きりえし ...自由詩10*06-5-6
浴室密閉ブルーチーズタイム- たもつ自由詩8*06-5-6
夕焼けの黒毛和牛特選塩タン- umineko自由詩14*06-5-5
ハミングバード- LEO自由詩9*06-5-4
入院-白そこひの手術にて-- 信天翁自由詩606-5-4
そのときあなたは夕暮れの街- 嘉野千尋自由詩13*06-5-4

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