こころみ 2
るか
いま、ここでできること
わたしのなかの
もう忘れた 日々のなかの
灰の底で まだ暖かなものを
はだかの ゆびで つまみ
てのひらのなかで
そっと 吹きかけていくこと
ああ 雨が窓を打っている
ドアの向こうには
溺死者のかなしい葬列が過ぎる
このちっぽけな秘密の凭れあいを
都市といい
私たちはそれぞれの闇をかさね
剥き出しの心臓に耳を寄せ
砲声や 破裂音ばかりを
ああ 時を数えるために
私たちの影は発熱せよ
家並みの窓は映写せよ 日常を
そこにゆだねられないものがある
自由詩
こころみ 2
Copyright
るか
2005-07-09 01:20:21
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