すべてのおすすめ
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を 
欲しいと思う 

やわらかく笑う 
ということを覚えたのは 
いつの頃だったろう 

新しいピンヒールが
足に馴染まなくて 
ア ....
星の茂みの広がる{ルビ遠音=とおね}の空で
回音をのぼりつめて円頂で弾け

ふくらんでゆく
重い光で発散しながら
無重力して律動する心臓
瞬く今晩は

{ルビ青柳=あおやぎ}に迷蝶がさ ....
のこされた風の中
四月がやって来る
この思いをのこしたままで
新しい輪に入らなければならない
記憶を背後の倉庫に閉じこめて
残酷な月が始まる
すべての匂いや音や色が
われわれを呼吸困難に ....
スプーンの背で潰した苺から
紅が雲に届いて夕焼けになる


静まれ  しずまれ
桧扇を広げて
漆黒がそこまで来ている
上着の釦をもうひとつ閉めて
心して迎えよ

静電気をちりち ....
光はゆっくりと、枯れたいと願う
誰かの言葉を
爪先まで飲み込んだ、午後
仰向けに動かない
私の側で

ねえ、と
呼びかける言葉の温もり
そんな響きが懐かしいと
思う私があんなにも、遠 ....
半年振りで姉は嫁ぎ先の富山から 
5歳の{ルビ姪=めい}を連れて帰っていた 

家族{ルビ揃=そろ}って
僕の出版記念すき焼パーティーをするので 
今朝の出勤前母ちゃんに
「 今日は早めに ....
あなたは掃除用具入れの夢を見ましたか
階段の下にあって
窓が無い
私は車を押して砂浜の縁を進む夢を見ました
どちらにしろ救いはありません
ドアを閉めて
速やかにここから脱出せしめましょう
 ....
ボール紙の小さな箱が濡れしおれている

白地に赤い矩形を散らした面は泥じみている

その上で蟻の細い行列が幾筋も

行きつ戻りつし交錯しあっている

つややかに黒い頭蓋のうちの

 ....
濡れはじめた空が
歌をくりかえすのに
私はピアノを弾けないでいる
雲が沈み雨音が遠くなり
やがて射しこむだろう光に
伸びた髪をさらす
地上が反転する雫のなかで溺れる
鳥の影が風に波打つ
 ....
博士が遊びに来た
難しい話と
難しくない話を
わからない比率でしていった

翌日、
明日遊びに行きます
と届いた博士からの手紙には
二日前の消印が押されていた

お待ちして ....
視界の端、ちらりとすぎるその奥、見えないはずの物が見える。鬼目の私、不可視の自分。歌声。たくさんのにんげんのうたごえ。今日も心のスクランブル交差点の中央、立ち止まると、横断歩道の白と黒を心の中でより分 .... 想いを何度も
辿るから刻まれる
傷という名の痛みが
証だというのならば

     想いを何度辿っても刻まないもの

{ルビ轍=わだち}も残さず
同じ道のりを
落下し続けることに
 ....
淡いピンクのチューリップがいけられた
硝子の花瓶のそばに
罅の入った銀色の金属製の心臓が
取り外されて置いてあった
彼はその代わりに
肋骨の中に脈動変光星をひとつ
納めようとしていた
昨 ....
それが間違っているという自覚はあるのにそれが何であるのかはよく分からな
いまま物語は展開していく私が何であるかという事はこの際あまり関係ないあ
あ匂い私の記憶を呼び覚ますのはいつも匂いだいつでも音 ....
何杯の酒を飲み続けて
どれだけの吐瀉物を流し出したか
胃や肝臓に残る重苦しさも
頭の芯から首筋に響く痛みも
この愚かな心に刻みつけられた
嘆きと悔やみを忘れるに至らない

事実が目の前で ....
罅割れた道の端に立つ
  この道は水分を欲している
左腕を伸ばし
拳の先で親指を立てる
すると 車が止まる
あるいは止まらない
二十世紀末という
古代でももっとも新しい時代
私はそのよ ....
(夏)

波音の届きそうにない
部屋でただ
いき過ぎるのを待ってる
テレビにはめ込まれた
冷たいガラスの匂いだけが
わたしに似ている



(秋)

言葉になり損ねて ....
何もない景色があった
見たこともないものを、憶えているのは
緩やかに消えていく光のせいでしょうか

眠れない、夜ならば
明日の仕業にしてしまおう
結局、かたちばかりが残った
匂いが泡立つ ....
コチコチの石頭が
チリチリチリチリ焼けてたね
たまにパチンパチンって
真っ黒な髪の毛のまま

ブルー
チーズ
ドレッシング
だね

二週間分のクマ
眼の下につくって
イボイボだ ....
1日の
はじめに生まれ喜ぶ、方角の
まだ濃紺の稜線から
チチチ、チチチ、と
鳥の音が明るみ
窓に映えはじめ


あ、
時折、
窓をかすめる鳥の姿が
鳥の音に結びつけば ....
詰め込まれたスケジュール
思い返しても変わるはずがない
時間を一つずつ手探りするたびに
何を抱えながら生きているのか
だんだんと見えなくなっていくよ

汗と香水と煙の匂いが立ち込める
博 ....
ぼくは詩人

人に疎んじられても
人からあしらわれても
前に向かって
それはぼくの歩み
それはみんなへの歴史

今日もまた

朝の散歩をしていると
老木に出会った

茶色い葉 ....
膨らみかけの
まるい頭を圧する手は
あなたにとって
始めての試練

そうして知るだろう
温みあるやわらかな手が
差し伸べられるあしたを

そうして迎えるだろう
ため息と酔うた目に
愛でられる日を

花 ....
足に棘が刺さりました。

死に棘が刺さりました。

極めてパーソナルな問題から事の発端は始まります。

自分しか分かりません。死か分かりません。

箱をもらいました。底のない箱をもらい ....
一枚ずつはがれてゆく沙漠から抜け落ちる温度に眼の奥を洗われて、新しい沙漠が水上に浮かんでは映発する様をいくつもの角度から剪断する。つぶらな音覚が限りなく前転してゆくその先では泣くことになるだろう。手の .... 「悩んでいます」という場所の
奇妙な安定感 
むさぼる後ろ向きの安逸
それらに苛立つ
しかしそれははじまり
冷たい風がふく
ゆっくり歩いている
スタンバイする
内観する
飛行へ

 ....
在る

始まって以来続いてきて
この枝の伸びやかな道道に
茂る葉の呼吸は瑞瑞しい

それも
小雪のちらつく昨夜の雲上の月も
陽炎のゆらめく送り火も
私を育ててくれる花娘

季節の ....
うだだ
うだだだ

ぼそそ
ぼそ

へっ
へへっ
へっ

あぁ
ああん

へっ

うだだうだ
うだ


(ねねちょねちょ)

あん?

うだ

あぁ ....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
子供たちの遊ぶ声と思っていたのが
機械の音になっていたよ
ぼくは
旅立たなければ
旅立たなければならない
夜のうちに
この夜が明ければ
もう二度と終わらない光が来るから
ぼくは
旅立 ....
前田ふむふむさんの自由詩おすすめリスト(2023)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花笑み- 落合朱美自由詩4106-4-12
逢引- こしごえ自由詩12*06-4-12
四月のいる場所- 岡部淳太 ...自由詩16+*06-4-11
苺宵- 銀猫自由詩14*06-4-10
午睡、散るように- 霜天自由詩806-4-9
姉のまなざし_- 服部 剛自由詩18*06-4-7
refrain- 篠有里自由詩4*06-4-7
- アシタバ自由詩4*06-4-6
予感- こしごえ自由詩25*06-4-6
博士からの手紙- たもつ自由詩1206-4-5
観察者(1)- 篠有里自由詩1*06-4-5
星空の轍- たりぽん ...自由詩1006-4-4
春のオブジェ- 塔野夏子自由詩14*06-4-3
dreamscape(2)- 篠有里自由詩106-4-3
自棄- 松本 卓 ...自由詩1*06-4-3
古代人のヒッチハイク- 岡部淳太 ...自由詩10*06-4-2
季節- たもつ自由詩1506-4-2
喪失の後先に- 霜天自由詩906-4-2
あのコ- よーかん自由詩3*06-4-1
鳥の滴り- A道化自由詩806-4-1
白々しい風- 松本 卓 ...自由詩2*06-3-31
ぽえむ君−前進−- ぽえむ君自由詩7*06-3-31
はるあらし- LEO自由詩7*06-3-31
- 篠有里自由詩4*06-3-30
非合- 葉leaf自由詩8*06-3-29
飛行- 石川和広自由詩8*06-3-29
盆栽する私- こしごえ自由詩23*06-3-29
やつとぼく- よーかん自由詩2*06-3-29
少年予定- 霜天自由詩4506-3-29
夜の旅立ち- 今唯ケン ...自由詩6*06-3-29

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