すべてのおすすめ
今夜 私には 
逢いにゆく人がいない 

孤独な夜の散歩者は
アスファルトに響く雨唄と 
ビニール傘に滴る雨垂れの 
二重奏に身を浸しながら 
果て無い雨の夜道を{ルビ彷徨=さまよ}う  ....
病窓の 最後の 一枚の 葉っぱ

とは ちがう 美しい まだらな 編み物の

精緻な 空間が 午前の ひかりの なかで

なごやかな シラブルに 響くのを とおく 聞いた

 ....
朝の空気の
光に濡れた
清々しい香気に、
私の五感はしとしとと沈み{ルビ水面=みなも}をみあげる重く熟した金属の愁い。

空間をよぎる
不透明な視線は、
無知な陽炎となってさえずり虚空を ....
暗がりのなかの光の道
滴の道
空の強弱のはじまり
花の墓に降る朝の雨
遠い遠い雷のような
音の無いむらさき
弔いの日を染める



色とりどりの衣を着て
荒れた地に横 ....
想いはどこへ連れて行こう
涙はどこで手放そう
忘れられないことばかりを持って
僕らは何度もここに生まれた

円く繋がった道を歩こう
いつまでも終われない街を抜けよう
ガードレールの上で両 ....
ななめに銀の 朝のはじまり
指が背になり 背が指になり
よろこびのあとのまどろみを
ひとつふたつと過ぎる鳥影


結ぶ光 結ぶ記憶
髪の毛を結わえる見えない手
風のなか
 ....
もの言わぬそよぎ
つぶやきの時間
開花と脱皮の
見えないやわらかさの
短く密かなそよぎ



離れゆく風を星は追う
飛び立つ冷たさ
翅の重さにひらかれる本
はらはらと ....
そこでは ぼく と あなた と だけ だった

ふたり... 手のひらの 傷穴 を 帰って いったのは





日がな 窓の眼の まま いっぱいに

高まり 止んでは ....
僕は、女が欲しい
女のかたちではなく、女というものだ
できれば女のかたちに入っていると
うれしいが
それが別のかたちでもかまわない

君がもしも男だとしたら
僕は女というものになりた ....
青いタイルのベランダに降り積もる羽蟻の死骸
雨のない夏 睡魔に襲われる夕刻

ゆっくりと旋回しながら
飛行少年が落ちてくる

脚を尖らせて私は歩く

あなたはコンパスで地球を計り
風 ....
月 星 を 必要と しないよ

陽光を 恋さない つれない 夜

あたりが 眠りの なかに あった 夜 に

茫洋な 空路から たましいの まなこたち が

目ざめを 見開 ....
誰かと笑い転げる日々を過ごす私
仮面を一枚{ルビ捲=めく}れば 
誰の手も触れ得ぬ「もう一人の私」がいる 

あたりまえの幸福は 
いつも手の届く場所にあり 

浜辺へ下りる石段にぽつん ....
丸みを帯びた光は
瞼を下ろすたび
その裏に
微かな影を描く

碧さを含んだ風が
誘いかけても
膝を抱えたままの両腕を
微動だにしないで


 閉じたままでは
 何も見えない
 ....
紙屋町から橋を渡ると
折り鶴に祈りを捧げるための
順番待ちの列
それは確かに祈りのかたちだが
朝夕の公園掃除とは
似てもにつかない

ベンチに座り
おにぎりを取り出すと
えらそうに鳩 ....
長いこと油を注してくださらないので
歯車がきしみます。
近ごろはゼンマイも巻いてくださらないので
動きはすこしずつ鈍くなってゆきます。

けれどわたしはまだ動けます。
きこきこと歩きます。 ....
退屈なものは誰かに任せて
白い帽子をいつも被った
揺らいだ道は長く、長く
熱のこもった視線は透き通る
揺らぐ陽炎、ここでもきっと
長い呼吸は約束されない

ここに来ない人がいた
待ちぼ ....
人がまた、遠くからやってきて
自由な姿勢で挨拶を続けている
寒いと言っていたのは、遠い昨日のことで
引き寄せた椅子に浅く座って
遠く、海ばかりを見ている

すすけた額縁から絵を取り外すと
 ....
噤む蕾は
朱色の予感をいよいよ過密化させ
その内圧の快感に震えついに
耐え切れなくなる黙秘破る色彩という最も濃厚な
ひとつの呼吸を開く
と、既に色彩は、さらさら
さらさらと分解し始 ....
点滅を繰り返す信号を
いくつ、くくれば
朝を迎えられるか試す夜

踊る、踊る
ステップを踏むのは
この足じゃなく
打ちつける雨

ゆらゆら揺れる
心ごと体ごと
壊してゆくリズム
 ....
ひな鳥の声が
どこまでもまっすぐにのびてゆく
こだまも 霧も
親鳥も知らずに
崖の上の森から
次々と旅立ってゆく



淡く灰色に点滅しながら
世界は世界から離れてゆく ....
わたしがナミダチョキンを始めたのはいくつの時だったか。

納得がゆかぬことで父に叱られ泣いて、泣いた事でまた叱られもっと泣いて
その泣き方が悪いとまた叱られナミダ涙の悪循環。
いつしか泣いたら ....
ほら
徐々に白昼は
朗らかな華やかな他人となり
朗らかに、華やかに
高くなり
遠くなり


ずっと
最適な肌へ
熱を当てそこない続ける私の体の
どうしようもなく密 ....
{ルビ故郷=ふるさと}に近づく列車
向かいに座った女性は
首のすわりかけた赤子を
前向きに抱えていた

一瞬、驚いたあと
すぐにうつむく仕草は
内腿の{ルビ痣=あざ}を
男子生徒にから ....
一人で行った交通科学館からの帰り道
環状線で小学生の僕は
財布を落とした

鶴橋駅の連絡改札は
近鉄線の切符が必要で
連絡切符を買っていなかった僕は
家に帰れない

途方に暮れる僕に ....
ああ、男は36階の屋上で
誰一人居ない 屋上の一角で
この世の切なさと
この世の厳しさに
ゴクゴクと酒を飲む
だが、しかし
不本意にもああ、不本意にも
足を酔いに取られ
誤ってフェンス ....
目を閉じて見つめる
記憶の中・・・・
 

小さい頃のわたしが
若葉の蔭で
耳を澄ましている
 

「何を聴いているの」
と たずねたら
「こもれび」
と 言って上を向いた
 ....
街よりも少し高く
空よりもずっと低い
僕はここにいます

街には今日も
ひとりきりがひしめいていました

あなたがはぐれているのは
海です

僕がきらきらの粒を
あなたのため ....
冬は起ちあがり
世界は染まる
風のない
夜の明るさからやってくるもの


輪の星の目を
時計の目が見つめる
舌 傷口 くちびる
ためらいのなかはばたく
夜の手の羽たち
 ....
   
{引用=  あのひとの記憶がしずむ海は、いつしか防砂林で見えなくなった
  越えられない高さに、すこし安心した}   





砂が、降って
深く深く沈んで 底まで
皮膚 ....
名の無き道に
いつかふたりで
残した足跡を辿る

 咲いた椿を
 ひと目見たくて

斜陽にそっと
伸ばした指先

 溢れた椿に
 躊躇うばかり

枝先から
落ちた瞬間
名 ....
前田ふむふむさんの自由詩おすすめリスト(2022)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜の散歩者_〜_反射鏡を探して_〜- 服部 剛自由詩24*06-5-26
詩人の日曜日- モーヌ。自由詩15*06-5-26
透過- こしごえ自由詩19*06-5-26
小さな日- 木立 悟自由詩506-5-25
蒼送- 霜天自由詩1606-5-25
陽と雨- 木立 悟自由詩306-5-24
白と灰_Ⅱ- 木立 悟自由詩106-5-24
放蕩息子の帰宅- モーヌ。自由詩13*06-5-23
きみのかたち、ぼくのかたち- たりぽん ...自由詩14*06-5-23
風の名前- 佐々宝砂自由詩706-5-22
エンジェル・エコー- モーヌ。自由詩11*06-5-22
「自画像」- 服部 剛自由詩12*06-5-22
落日、溶けゆくもの- LEO自由詩17*06-5-22
使者とは呼ばない、鳩よ- たりぽん ...自由詩12*06-5-22
あけがた- 佐々宝砂自由詩206-5-21
永日- 霜天自由詩306-5-21
遠洋- 霜天自由詩806-5-21
朱色- A道化自由詩806-5-21
dancing_all_night- LEO自由詩9*06-5-20
夜(光と声)- 木立 悟自由詩206-5-19
ナミダチョキン____- さくらほ自由詩13*06-5-18
ひとつの白昼- A道化自由詩906-5-18
白い紙ふうせん- 佐野権太自由詩18*06-5-18
駅・鶴橋- たりぽん ...自由詩17*06-5-18
落下する男- 千月 話 ...自由詩14*06-5-18
「こもれび」- まほし自由詩14*06-5-17
ヴィーナス・ブリッジ- Rin K自由詩12*06-5-17
夜(羽と目)- 木立 悟自由詩206-5-17
不感症の夜に- 望月 ゆ ...自由詩63+*06-5-17
椿道- LEO自由詩12*06-5-17

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