紫陽花
落合朱美


その花は
涙をあつめた
毬のようで

降りつづく
雨の重さに
身を委ねて

香りもせず
散りもせず
ただうつむき

けれど私は
その毬から零れた
微かなうたごえを
たしかにこの耳で
聴いたのです





自由詩 紫陽花 Copyright 落合朱美 2005-07-08 23:28:14
notebook Home 戻る