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プラットホームに無数に付けられた
チューインガムの黒点が
未熟な夏の気温を
幾分か下げている気さえして
ぎんいろの屋根に逃げ込む

そこから視界に飛び込む紫陽花の
無防備な一片は
まだ ....
夜がさらりと降りてくる

目覚めない
女の髪のような

さっきまで長く長く伸びていた影は
地面に溶けてしまった

あるく
あるく
よるのみちを

夜が満ちてゆく
そこここに
 ....
まどろみを さめたり もぐったり

白日の 季節の かいなの なか

体力は うばわれ

けだるさに 眠って

窓を 吹いて くる

れもんの 風との トランスファー  ....
  一 「ミッシング・ピース」

手渡されたたった一枚の
欠けた切符のように
行き先でもなく
日付でもなく
空白のはずなのに
それ以上に大切なものを
どこかに忘れたまま
 ....
六月の雲がゆっくりと上に迫る
スーツの男が鞄の傘ではたまらず駆けだす
かたわらでぼくは
そっとつままれたまま
雷と雹を孕んだ姿で
上下するのどぼとけに合わせた
きみの乳房を
後ろから ....
*プラットフォームから

色とりどりの屋根が遠く連なって
その上を目を細めてなめて
果てに一本の灯台を見つけて喘ぐ

夕刻でも陽は照りつけて
灯台は
小さく真っ白に
発光して ....
ジョセフィン博士からの手紙
一緒に暮らさないかと
絵画の中での潜水をやめ
あの部屋を飛び出した

久しぶりの空は眩しく
新鮮な空気は21世紀
ジョセフィン博士と再会した
友人として感謝 ....
積み木をバラ撒いたコンクリートジャングルには
ペ天使やダ天使を筆頭としたイロハ天使が
なぜか、ハムハム王子を創ろうと画策している

こどもはみんな
ハンカチ王子やハニカミ王子になるのに
 ....
「観月橋」

せせらぎの音は
いつのまにか、ざあざあと鳴り
錆び付いた欄干が
しとどに濡れる紫陽花の、夜

ここには愛づる月もなく
ただ名ばかりの橋が
通わぬこころの代わりに、と ....
迷走した夜明けが今日に辿り着いた
しまい忘れた記憶が日に焼かれ
過去になりきれなければ後悔になる

(朱の刻)

その頃眠りにつくのがいい
いろんな唄も聞こえるだろう
そ ....
午後からは雨なので、
傘を持っては出掛けなかった。
昼食の蕎麦屋から出ると、
案の定、
雨が降り出した。

色取り取りの傘が、
街に花開く。
わたしは蔓 ....
彼の内部には常に殺戮の音楽と黙考が混在していて、彼に付随する糸という概念はその両者の結合のための不可解な生命の観念であり、同時にそれまでの彼の存命の象徴であり、僕は彼の糸そのものとして、他者に与える恐 ....                 したたる、

水のひびきのなかに、私の声があ
ります。暗いこころのままで死ん
で幽霊となった私のとうめいな喉。
ぬれながら、だえきもでないほど
にかわいてし ....
振り返ったら
影法師しか
あなたの名残は落ちていなかった


雷雨が滑りこむ昼下がり

四角い白い箱の中
些細なことで
笑う
二匹の赤い鈴
あの日
パスタの蝶々結びが
{ ....
かけ足に過ぎなかった

いまでもそれは
よくみえる


ほろにがい
夕暮れの日を
燃え尽くすには
まだ早い

わからないほどに
からまり続けて
いるからね


 ....
               2007/06/12


クロッカス畑に
クロッキーを植えて
クロッキー、クロッキーと囃し立て
引き籠もったクロッカスのお人形の綽名は
誰が付けたのか付けら ....
青空が映った瞳は
力強い光の匂いがする
その目が捕らえるものは
枯れた幹でさえも
息吹きが聞こえてきそうで

夕焼けが映った瞳は
哀愁が漂い
声をかけることすらも
ためらいがちにさせ ....
ほとんどの人は、もう
溺れているの
誰も気づいていないだけ

澄んだ指さきが
アルカディア、と答えて
空の一角をさす
新しい風景、新しい秩序
それは
見たことのない宇宙

(行け ....
浅い眠りのなかに
潮の匂いと砂を踏みしめる音がして
わたしは海辺にいるらしかった

裸足に海水は冷たくはなく
貝殻の欠片を拾い上げても
その尖った先は指を刺さない

(きっと夢なの ....
 
採石場の跡地を
ヒトコブラクダが
ゆっくり歩く
かわいそうな気がして
コブをもうひとつ
描き足してあげた
耳の奥を覗くと
夜が明けるところだったので
慌てて帳面を閉じた
 
下町に生まれてから
高いビルに憧れていた
今になって見上げる景色は
華やいでいるのに
どこか淋しい

地方に引っ越して
久しぶりに来た東京

夜の地下鉄の
長い階段をおりてゆく ....
{引用=
 浅い夢に色を塗って
 コバルトブルーの空にして。


 辛いことがあったとき
 一人心の中だけで
 泣けるような大人になるには
 まだ、時間がかかりそうです。


 ....
東京、ぼくの見た東京
髪や服に滲みついた煙草と、酒と青春と


01/06/2007
イヤフォンは四六時中、質問を繰り返す
だから答えばかり眺めている
きみのいないところで
間違い ....
風薫る五月は様々なニュースを吹き流し
五月雨が哀しみをぽとりと垂らす

滲んでいった誰かの想いを背負って
命にきりきり舞いしているときは

ライオンが行ったり来たりしている様子や
猿 ....
五月は過ぎた
麗らかで活発だった季節は
あれほど気ままだったお前も
今ではわたしの膝の上で大人しく眠る
お前のやわらかな耳たぶに降る雨に
こうして一緒に濡れそぼりながら


お前は聞い ....
               2007/06/07



困るんです
困るのです
困ります
困る


こら!
逃げるな!
逃げてはいかん
逃げては困ります
にげてはいけま ....
バケツは横たわって喉を渇かしている
思いっきり蹴られて宙を二、三回転しても
着地のやり方はまちがってしまう
あれほど着地を練習したのに
いざ蹴られてみたら本番に弱いので
側面にへこみばかりが ....
 浅瀬に人影がうかんでいた
 ゆらゆらと動いているのは髪の毛ばかりで
 まだ生きていた父とふたり
 はるか野の際をいく船に手を振り
 斜面の草をゆらす風に
 白い花びらをちぎっては散らした
 ....
  タクシーに乗って
  道を歩く

こんな時間までお仕事ですか?
運転手が尋ねるので
ええ、まあ
と答える
今日は暑かったですね
暑かったですね

  本当に暑かったのだろうか
 ....
朝日影にふくまれた わたくしの陰影が
ありのままの白い骨格で
よるべなく
この家に嫁いで来たのです。

その
わたくしが、
わたくしであるが故に、
わたくしを焼べねばなりません。
そ ....
前田ふむふむさんの自由詩おすすめリスト(2022)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黒点- 銀猫自由詩19*07-6-15
- ふるる自由詩25*07-6-15
ランドサット- モーヌ。自由詩21*07-6-15
パッセンジャーズ- Rin K自由詩43*07-6-15
きみに言えず- soft_machine自由詩15*07-6-14
初夏の- 水町綜助自由詩10*07-6-14
アパルトマン2- yoyo自由詩8*07-6-14
*東京パック*- かおる自由詩9*07-6-13
京都三橋_- Rin.自由詩40+*07-6-13
「朱の刻」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩7*07-6-13
「_午後は雨。_」- PULL.自由詩13*07-6-13
蜘蛛の内部にて- もりおか ...自由詩13*07-6-13
したたる、- 岡部淳太 ...自由詩23*07-6-12
創書日和「窓」__さよなら- 士狼(銀)自由詩11*07-6-12
夕焼け- 千波 一 ...自由詩17*07-6-12
クロッキー- あおば自由詩13*07-6-12
瞳の中の空- 小原あき自由詩28*07-6-12
アルカディア- 佐野権太自由詩27*07-6-11
夢の浜辺にて- 銀猫自由詩17*07-6-10
- たもつ自由詩2407-6-10
「東京」_(地下鉄のホームで)- ベンジャ ...自由詩7*07-6-10
I'm_here- 灯和自由詩14*07-6-9
東京無音日記- はらだま ...自由詩32*07-6-8
*植物園まで*- かおる自由詩9*07-6-8
六月の薔薇- 石瀬琳々自由詩13*07-6-8
固まらない- あおば自由詩9*07-6-7
ラストシーン- 小川 葉自由詩407-6-7
砂景- 月夜野自由詩8*07-6-6
- たもつ自由詩1607-6-6
薪_(たきぎ)- こしごえ自由詩26*07-6-6

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