それは彼方へ消える幼い日の記憶だろうか、それは燃えながら散りゆくひとつの詩篇だろうか、それは最後の歌をうたう老婆の掠れた声だろうか、長雨の後、窓に残った雨粒が滑り落ちる時のシンクロニシティーは、も ....  このごろ考えていることに、「概念とはグラデーション的な実在ではないのか」というテーマがあります。世の中を科学によって見る物の見方は、遠く過去にはギリシア文明の時代、いいえ、それよりもずっと遠い過去か .... さみしい思いをしていたら
母親がゾウを買ってきた
我が家は1DKだけど
ゾウ一頭くらい
生活する余地はある
問題はどうやって
ゾウを部屋の中に入れるかだが
販売業者はお手のもの
手際よ ....
ようやく畑にたどり着いた
遠くを見て佇む案山子ひとり
腕はだらりと垂れている
そばへ歩いてゆくと
帽子を取ってお辞儀をしてくれた

私もお辞儀をする
顔を上げると案山子は
帽子を持って ....
夏の間から時々云われてた 頭の中に住んでいる声から
「ハンドクリーム塗ったら?」と
だから私は車の中にもハンドクリームを置くことにした
信号待ちにささっと乗せる 手の甲に 年齢の出るパーツ

 ....
クリスマスが近づくと

スイーツの王国が
輝きを増してくる

王国を支配するのは
クリスマスケーキという国王

この時期になると
必ず世界中でつくられて

その名声をあげ
盤石 ....
裁断された
光チューブの切り口が
ブラインドから
漏れた光をかき集めて
輝く。

僕らを見ているように。

作業台の向こうで
男達が今後の休職者の扱いについて話している
滞りなく
 ....
アキレス腱を挟むようにして
足の外側と内側が冷える
こんなときは足が浮腫んでいる
冷え性の症状とはこんなものか
手で挟むようにしてさすってみる
厚手の靴下を履いてみる
片方の足の裏側で
 ....
ピンクムーンに照らされて
今宵、彼方へと旅立とう
仄かな明るみと陰影と
小刻みに震える声達が
旅の一瞬と永遠と
微かなその予兆すら
静かに呑み込み
消していく

ピンクムーン、ピンク ....
「とおこちゃんはしんでるからね
生きなきゃね」
と言う友の
その無邪気で純なやさしさの
受け取り方に戸惑い

そういうあなたは
「もうがんばって生きてるから『生きてね』と言わないでくれ」 ....
一列にピシャっとトミカを並べて遊んだ形跡

塗装の剥がれた車たち ふかふか布団の上に整列

ああ愛おしいな かわいいなと親の眼差し

 その時 私は後ろの後ろから一線を見た

大人 ....
季節を思い出した この冬に
  
時間のないジェットコースターに乗った感覚で

花を一輪大切に指で包む 会話を弾ませる 微笑みを正面に

時間の感覚を麻痺させる脳処理をして

この ....
マリトッツォになりたいと
マリトッツォは思ってます

既になっているようだけど
到底にして満足いきません

大胆不敵に広がった口から
ローマの風を吹かそうとの
勢いを邪魔するクリームが ....
心の外側で謝ったり笑ったりするとき、自分を消費している感じがしてよかった。精神の空洞に合わせて身体を削って、サイズを合わせようとしていた。自分の欠けているところがはっきりと見えていて、でもなんと言 .... 起きたら、全部の指が親指になってたから、
マニキュア塗る領域は、壮大。
ブラックホールの中は、1LDK。家賃は5万。
大島てるで見たら、超がつく程の、事故物件。
スロースターターな、精液は、テ ....
一輪の花がゆっくりと、蕾を開く、宵の夢 
創造のわざは、私のなかに働く

私を支える茎は背骨、密かな光合成をとめず
今日もわずかに、背丈を伸ばそうとしている

たとえまだ、日の目を ....
なくしてしまった
兄の釣針を探しに
僕は海の底へと降りていった
そして針が刺さったかのように
姫と出逢い
糸で釣られるかのように
姫に惹き寄せられた
この海の底に
青々とした宮殿があっ ....
夜の死顔は隠匿される
太陽による窒息死
視覚の分厚い曖昧に覆われて
悪夢の下着を脱いだ獣の顎骨から
乱立するギヤマンの伽藍
涸れた河床を磨かれた顔たちが遡上を始める頃
剥離した脱落者は紐で ....
寒いけれど
すがすがしい

冬の青空が広がっている

晴れた日には
必ずといって良いほど

謎の大型4発のジェット機が

まるで
異次元のトンネルから飛び出すように
上空の途中 ....
    岩

   せせらぎがながれ

   葉やはなびらがながれて



    風

   計量器の退屈を戯れ




    ・

   無が刻印された
 ....
いつも通貨は飢民を迂回して流通する
いびつな地球儀の舵をとっているのは誰
鍋の底に経済の残滓がEDMみたいだ

僕は誰。僕のからだのなかには吸い殻と
古い写真と優しかった女しかいないから
 ....
この深夜
横殴りの雨が降り
街を冷たく濡らしていく

布団のなか僕は君のことを思う
遠くへいってしまった君のことを
二人とりとめなく温め合った時間のことなど

雨音は空虚を満たし、
 ....
「21年間も、遅刻して、ごめん」

遅れてきた恐怖の大王が、
謝罪しながら、世界を終わらせる。
演技でイったフリしてる、不思議の国のアリス。
スワイプしまくって、世界を吹っ飛ばす。

眼 ....
何度も凍り付きそうになる。気の利いたゴムボールのように弾む会話をするということは、きわめて難しい。それは、僕たちにとって、お題を課せられて即興の詩を書くのと同じくらい難しい事のように思われた。(これが .... ヘリポートに出ると猫がいた
そこにいると危ないぞと言うと
あわてて逃げていく

空は高くて雲ひとつ見えない
洗浄機の栓を抜いて顔を洗う
管理者が椈の枝を落としている

ストレッチャ ....
コインランドリーの特徴的な匂いが彼の持ち味。
君は綺麗だとは言うものの斜め後方から。
日曜日の午後はいつも小雨の降る街で手を繋ぐの。
そんな決まった天候のある街などないと言う常識人。
あの人は ....
残業で
すっかり遅くなってしまった
疲れた身体を引きずって
車のドアを開け乗り込むと
助手席にいる
随分大きくなった
初めて出会ったときは
小さな子猫ほどだったのに
ある日突然
姿を ....
光を感じ窓際に立つ
少女の夢の遥か向こう
今日も世界は廻っている

虹が地平遥かに立ち
吹く風、覚醒を誘うとき
花を世界は少女に置く

(チリチリ舞う風の粒子
光はそれらを透過して
 ....
病める鳥は少しの毒を好む、と不意に私の夢が言う。父の姿をしているが、どうも本人ではない、私の父は落ち込んでしまった理由がどうあれ前を向くようにと教え続けたことを覚えている。それにしても毒はよろしく .... 世間、世間、世間世間世間、あんたら世間好きだねぇ、世間っていったい何だい、そいつは実体のあるものかい?そんなにムキになるくらい、素晴らしいもんなのかい?まったくどいつもこいつも二言目には世間ってそ ....
ジム・プリマスさんのおすすめリスト(1263)
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