朝起きると
床が太平洋になっていた
キッチンは無人島だ
だったら椰子の木を探せばいいと
痩せた妻は言うけれど
冷蔵庫にあるのは
冷えた離婚届だけだった
市の福祉課に電話をかける
CQC ....
そうだ。それがぼくだった。それがぼくのまぎれもない姿だった。大岡という名のさびれた道の駅。その汚い男子便所の左手に突如として広がる絶景をぼくは忘れることができない。旅人でなくとも意表をつかれるよ .... 一発上がるたび
メッセージや協賛が
アナウンスされる
辛気臭い
思い出の中の花火大会

大人になり
横並び何連発や
間髪入れず打ち上がる迫力の
爽快感と、興奮

ひとつづつあ ....
いままで居た世界の外側には居なかった世界がひろがっていて、
わたしが見たいものは、自分で選べることを知った。

良いことだと決められていたものが、良いとは限らなかったこと。
駄目だと言われてい ....
まず、南部風鈴の音色がある。それから、木のまな板をリズミカルにたたくステンレス製包丁の軽快音。スリッパの薄っぺならビニール底が台所の床の上でぺたぺたと笑う声。朝焼けのなか、小刻みに振動する洗濯乾燥機は .... 嵌まる
虚の時空
実感無き生
ふざけるな!
鉄槌を打ち込む
固い硬質なビート
過去の影を蹴散らせ
執拗な愛着や温もり
脳髄を垂直破壊し
虚脱の生に力を
内在する何か
を賦活せよ
 ....
ねむれてもいない、まえのみち
わかるまい、まもるべきものの
つめのさきにある、ふゆのとじこめ
のどにしがみつく、うばったせんろのさき
ながれたものは くものかたちにも
につかせること ....
彼女は持つ
花を 花に似た見目姿を
その花が育ってゆく時間を
温かい自嘲を 揺れるブランコを
隠している本当の名前を
潮の満ち引きを 
握り拳の中にあるものを
下降と上昇と停滞を繰り返す ....
森永製菓のエンゼルマークが見つめる先で
ペコちゃんの舌先をチャネリングするアインシュタイン
10年も先の新商品とは廃棄予定の甘みの中にある


往来、口笛はなぜ遠くまで聞こえるのか
 ....
真夏の空、玄関口
立ち尽くす我
草木の揺れ、
うねる大気、
光の庭

あゝ世界は無関心に
私という存在には
全く無関心に
広がり在った、圧倒的に
その時私は気付いたのだ
異郷のよ ....
白紙が僕にとっての鏡

黒いペンで繊細な心模様を描く

色の数より多い言葉の数

筆でいくつかの言葉をつついて

構想と言う名のパレットに乗せる

ブルーでブラックな心境の時

 ....
{引用=くらしがある
声がある
間違いがあって
 ....
病院だった。身体中に青いペンキを塗った人々が、病室のベッドで睦み合っている。一階から五階までおおむね全ての部屋がそうなのだ。不思議と廊下や待合室はしいんと静まり返っている。外は薄曇りでところどころ陥没 .... 路上には浮かれた連中が捨てていく安易な欲望の欠片だけが残されている、どこかのビルの三階か、四階あたりにあるスナックの開けっ放しの窓から聞くに堪えない歌声が垂れ流されている、腐敗してドロドロになった .... 失い
出会い
築いては
失い続けて
底を貫く本質
掴み取れたのか
沈んでしまうのか

進む船の舵取り主は
己が意志、病に抗う意志
沈んでしまうのなら仕方ない
精一杯やるんだ、何度 ....
もう一度
話そうということになったけど
もうなにをどう
話していいのかもわからない
君の声を聞くのが
ほんとうはこわい
君も
たぶん一緒かな

ぼくは
もう以前の君の知っていた
 ....
暮らしの貧しさは容易に数字に出来るけど
人の心の貧しさは容易に言葉や文字には括れない

日々の仕事に心底疲れながら
休日にそれを癒せない
そこには命の貧しさが潜んでいるからだろう

平凡 ....
何も決めずに
何の情報も頭に入れず
君と気ままなドライブ

初めて通る道はワクワクする
この先に何があるのか想像して

あまり有名ではない場所
有名な場所へ行くより
新しい何かに出逢 ....
暗闇に蒼白い河原の
小石夥しく静まり返り
流れ動き澄む川は無音
黒く光る水面の異様
恐るべき氾濫を孕み
奥まった沈黙を保つ

決して終わらない不安は
この沈黙という深い謎に
剥き出し ....
  海の背中に鳥が落ち
  八月半ばが焼け進む
  青みと光と電線町よ
  白光の出口のようで
  ただの真昼の三丁目
  蝉が鳴き止まないと
  見知らぬ死の名前を
  あなた ....
さいあくのあくとく
それを
ことほげ
すましたかおで
へいぜんと
ちでよごれたてを
さしだすのだ

くもつのように
みをよこたえよ
おそろしい
りゅうや
ばんけんのきばに
い ....
何かおかしいと思うことのひとつは
庭の紫陽花のことだった
八月を迎えても その子たちは
いまだつぼみのままである
長すぎた梅雨のせいで
ウエハースはたちまち湿気り
紫陽花は許容力をはるかに ....
君と二人で卓球室と呼ばれる閉鎖された7組の教室の掃除をした時、君は14歳で、ぼくもたぶん14歳だった。

ぼくは君のことが気になっていたね。すごく可愛かったし、頭がよかった。国語ができていつも満点 ....
知らない場所で雑巾をカラカラになるまで絞っていたら、死んだ父親が生き返っていてもう一度同じ病気になっていた。ぼくは中学生で学校に行けていた。好きだった同級生は大人の女になっていて、知らない .... 人の影が斜めなら
その人自体も斜めなんだよ

若い頃
人に教えられた

未熟だった私は
未熟なままに
その言葉を聞き流してしまった

歳月は無情に経って
終焉が近づいていた
 ....
うちの取引先の
小さな町工場の社長さんは
うちの職人さんと古い友人で
入院先のベッドの上で
手書きの伝票を書いてくれる
おそらくはただ
その職人さんのためだけに
自分が書いているのだろう ....
去年の夏
海沿いの古い集落の
小さな宿に泊まった
窓から見えた自販機だけが
灯りらしい灯りで
ジュースを買いに出たとき
本当の夜を知った
すぐ近くなのに
宿の灯りが届かない
夜がこん ....
光に貫かれ
すべてが踊り出す
この八月、
白い波しぶきを浴びながら
旅人は麗らかな海辺の街をいく

静かに客人を待つ庭先には
石と薔薇、薔薇と石
石に刻み込まれた眼は
鬱屈を宿しなが ....
世の中にはたぶん腐れ縁というものがあって、ぼくにしても、そうした抗することのできない不思議な力の命ずるままにこんにちまで生きてきたと言っても嘘ではない気がする。



ぼくには大学時代からの友 ....
自分というだめなものを持ち上げて
よいしょっと背負えるようになりたい

それができず
自分を引きずっている毎日

自分にがっかりし
がっかりしたくないがため
投げやりになる
日々
 ....
ジム・プリマスさんのおすすめリスト(1276)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝起きると- 道草次郎自由詩2*20-8-14
エメラルドグリーンの流れとねずみ大根と女郎蜘蛛の話- 道草次郎散文(批評 ...3*20-8-14
花火- wc自由詩5*20-8-13
呼吸- 水宮うみ自由詩5*20-8-13
朝と音のための覚え書- 道草次郎自由詩3*20-8-12
クラーク- ひだかた ...自由詩420-8-10
tear- 星 ゆり自由詩220-8-10
谷へ降りてゆく- 滝本政博自由詩9*20-8-10
キャラメル・パンチ- 星 ゆり自由詩220-8-9
ある夏の光景- ひだかた ...自由詩4*20-8-9
Self-portrait- 自由詩320-8-9
出帆- 道草次郎自由詩2*20-8-9
柳蔭日記_2020.7- 春日線香自由詩320-8-9
失点- ホロウ・ ...自由詩2*20-8-8
魂の行方- ひだかた ...自由詩220-8-8
もう一度- 道草次郎自由詩3*20-8-8
傘の下に降る雨- こたきひ ...自由詩1220-8-8
気ままなドライブ- 夏川ゆう自由詩220-8-8
界の未知- ひだかた ...自由詩220-8-7
白い八月- 星 ゆり自由詩320-8-7
るしふぇる- 道草次郎自由詩420-8-7
八月の紫陽花- そらの珊 ...自由詩14*20-8-7
ラブレター- 道草次郎散文(批評 ...220-8-7
- 道草次郎自由詩120-8-7
人影は日と陰- こたきひ ...自由詩220-8-7
伝票- ガト自由詩4*20-8-7
丹後ちりめん- ガト自由詩8*20-8-7
八月の光- ひだかた ...自由詩520-8-6
M君- 道草次郎散文(批評 ...1*20-8-6
自分というだめなものを- 道草次郎自由詩3*20-8-6

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