翼をもぎました
背中がかるくなりました
しとどに流れる血 真珠色の血あふれて
ふたすじの傷口を {ルビ白南風=しらはえ}がなでて過ぎゆきました
すずしい背中
六月のこと

あなたの手をと ....
深く深く息を吸う
 それで灰の海に飛び込む

 薄明にも満たない冷たいだけのうねりに、
 なんども溺れながら。
 何処へ 向かおうと言うのだ

朽ち葉の思慮はない
ただふるえる筆に少し ....
動乱を思慕する、がらんどうの日、雪の無い雪景色、早い冬の休日、いつだって同じ話、どっかで見た景色、勝手に時が過ぎ、いつかしら夕暮れ、見送り、空振り、呆けた椅子の上、目の中にまだら模様、妄想の残像、 ....

背中を掻くための
指を
探している野良猫。

部屋で
キーボードを打つよりは
ぬくんでる
私の手。



天国にも
地獄にも
振れている指先。

どちらにも転 ....
帰っていく
毎夜毎夜、帰っていく

天上の響き、ヴェールに覆われ
懐かしさだけ降って来る

(予感と思い出が溶け合って
宇宙の心臓の鼓動を聴き
それは一瞬の永い道のりを)

帰って ....
ジムニーに乗って
都心から二時間程度で行ける
山に行って
良い場所を選んだら
DMM.comで
お気に入りの動画を見ながら
テントを張って
ファイヤースティックを擦ると
白い火花が散る ....
随分と明け暮れた
袖が長くなった
言葉は短く
体毛は薄く白く
はかないものに近づいていく

そんな母に高齢の魔女たちが詰め寄り
うらみつらみの思い出話に花は咲かずに散りしきる
というよ ....
さよならから始まる日曜日
無限だと信じていた時間が
慌ただしく値札を張り替えて
赤い文字で見つけやすくなる

暗くなるのを恐れながら
僕たちはいつまで
日曜日でいられるのかを
ずっと探 ....
寒さがやさしく悪さして
濃い霧がおおっていた

蜂のくびれにも似た時の斜交い
あの見えざる空ろへ
生は 一連の真砂のきらめきか

四つの季節ではなく
四つの変貌の頂きを有する女神の
 ....
詩が俺に
詩を書けと又
指図する
炎のように
鮮やかなのを










バラブシュカ
ヒ ....
こんばんは
こんばんはといえば夜ですが
夜に
なっても
まぶたの裏が痛みます
きっと
蛍光灯のせいでしょう
蛍光灯は
しろっぽくって
あおっぽくって
だから
 ....
寒さは
指の先から入り込み
肩へ
背中へ
そして足先へ

もう何も燃やすものがない
闇の他にはなにもない世界で
やがて闇と同化する

薄くて透けそうな
パラフィンカーテンよ

 ....
最近
ライカの70年も前のレンズに夢中になっている

ズマリットという名前だが

現代のレンズでは決して得られない
その写りが面白い

プロの女性写真家が
好んで使うようになってから ....
私は今花崗岩の上に立っている。ここでは同じ大地が地球の深奥の地点まで直接達している。どんな地層も、どんな夾雑物も、私とこの確固とした太古の基盤との間を隔ててはいない。

この山頂はこれまで生あるも ....
もう僕はよそへは行かないから帰っておいでと
ただそのひとことが聞きたかった

彼岸へすこし渡る その前にひるめしを食べよう
あなたはそう云ったので
わたしはピアスをして電車に乗りフォークをと ....
そとではなにが
凍っている音がする

わたしにはそれ以外
なにも聴こえなくて
それにしてもこの部屋は暗いんだ
そしてそのことを
喋れる人ひとりいない夜

あらためて時刻を ....
花形新次というのが
個人ではなく
四人からなる自称詩人の
ユニット名であることを
知る人は少ない
それぞれが
自分の
好きなことを
好きなように書き込んで良い
というのが唯一のルール ....
{引用=   我が友、田中修子に}



時折西風が吹く
そして天使が笑ふ
するとさざ波が寄せ返し
沖を白い帆が行き過ぎる

砂に埋れた昨日の手紙を
まだ浅い春の陽ざしが淡く照らす ....
ときどき本の下から食べ物が出てくるのが怖いのだが
それでも生きて行けることがもっとこわいのかもしれない

知らぬ間に親がいて勝手に子と呼ばれて地球人になりました

先週までのシフト表 ....
スーパーで売られている無花果はスーパーなイチジクではない
ミルクが切り口から出ていない
それでも ためつすがめつ見る
皮の色合い ふくらみ 同じものは ひとつもない
紅をさしたかのような口が美 ....
自分自身をブラフマンだと言い
警官に連れられ強制入院と
なった彼の目の前で
敢えて
天然石腕輪を付けている手首を
見せつけるように
ボクは彼の薬を
両の手で温めるように挟んだ

『何 ....
風を食べていた鳥は
夢を食べはじめるようになってから ずっと
腹をすかせ
風は
その鳥を食べたせいで
空を吹けずに
地を這うようになった

たくさんの綻びた男たちと
肌をあわあせてき ....
切通しを歩いていった
母と二人で

縁切り寺もあった
夢の鎌倉で

屋台では
地球駒が不思議な同心円を描き廻っていた

眠り駒……

わたしはその時、
じぶんが自分であることに ....
血液が凝固したとき、その形状がなにかを語っていたとすれば、それが俺のうたうべきことなのだろうと思う、語るべき真実のないやつらは、静寂の中で気が狂う、瞬きの途中で騒乱を目にする、類稀なる血飛沫は讃美 .... 十月になっても初夏みたいな日が続き
小さな畑でおくらの収穫をする

母は
穏やかでなんのわずらいもない日よりだと言う
この小さく可憐で柔らかなおくらの花が
せめて実になるまでそれが続きます ....
くものうみ
くものうみ
なみ
なみみ
ななみ

がんかはるかに
はぜるなみがしら
てりかがやくみなも

くものうえ
ひかり
ひかかり
ひかりり

きおくのよくやにうかぶ
 ....
この夜に目醒め
この夜底に触れる
私にはもはや
親兄弟家族親族はなく
現世的無縁仏だ
円やかな現世孤児だ

そこでは
 私という存在が剥き出しで
そこでは
 私が真っ裸のすっぽんぽ ....
   
かさこそと微かな音を立て
木の枝に残った枯れ葉がささやきあっていました
きれいな空だね
うん、きれいだね
風が気持ちいいね
うん、きもちいいね
もうすこし吹かれていたいものだねえ ....
それを夢見たのはいつだろう?
すべては澄みわたり凪いでいた
吹き抜ける風、高い空
光の彼方に虹は立ち
すべては澄みわたり凪いでいた

秋も半ばこの十一月
日射しの入射は既に深く
カーテ ....
お前は煤色の赤ん坊を抱いて
焼け焦げたアスファルトを裸足で踏みしめる
サイレンだと思っていたのはいくつもの悲鳴で
雨雲に見えていたのはなにもかもが
無に還ろうと爆ぜる努力の証だった
 ....
ジム・プリマスさんのおすすめリスト(1239)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
堕天- 福岡サク自由詩621-11-15
薄墓詩- あらい自由詩321-11-15
風穴の夜- ホロウ・ ...自由詩1*21-11-14
- asagohan自由詩2*21-11-14
帰っていく- ひだかた ...自由詩621-11-14
ソロちんぽ- 花形新次自由詩1+21-11-14
財産- ふるる自由詩6*21-11-13
その先へ- ミナト ...自由詩121-11-13
いのちの湿度- ただのみ ...自由詩8*21-11-13
backseat driver- TAT短歌2*21-11-13
寒くなると悲しくなる- よんじゅ ...自由詩2*21-11-12
パラフィン- そらの珊 ...自由詩10*21-11-12
多重人格は好きにはなれないけれど- st自由詩421-11-12
山頂にて*- ひだかた ...散文(批評 ...721-11-11
仮面- 福岡サク自由詩421-11-11
夜明けのうた- 秋葉竹自由詩321-11-11
自称詩人ユニット- 花形新次自由詩221-11-10
告別- 石村自由詩28*21-11-10
エチュード2- 梅昆布茶自由詩1221-11-10
いちじく- るるりら自由詩921-11-10
_腕輪数珠と十字架のネックレス- 板谷みき ...自由詩3*21-11-10
風の折れる音- 草野大悟 ...自由詩521-11-10
生誕- ひだかた ...自由詩721-11-9
It's_absolutely_impossible.- ホロウ・ ...自由詩1*21-11-7
おくらの花- そらの珊 ...自由詩15*21-11-6
帰郷- Giovanni自由詩8*21-11-6
宇宙の風道(改訂)- ひだかた ...自由詩721-11-5
木の葉- Lucy自由詩3*21-11-5
すべては澄みわたり凪いでいた- ひだかた ...自由詩621-11-4
野性よ、削ぎ落された地平を- ホロウ・ ...自由詩3*21-11-3

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