{引用=

青い夜道

降りしきるものに
真紅がまじり

花片を踏みしめ近づく
白い脚先


冷たい絹に包まれた
やわらかな しなやかな
抱きしめても届かない身 ....
トムのクローンの僕は
実験の為、あるクラスで毎日授業を受けている
ルールは簡単
まじめに勉強をして
必要以上に誰かと仲良くならないこと

それなのに、僕は近頃
クラスメートの早瀬くん ....
かつて国鉄全路線に乗った
作家の宮脇俊三さんはこう書いた
「何かと不満の多い人間は
一度夕張線に乗るとよいと思う
いくらかおとなしくなるに違いない」
文句のある奴は夕張へ来い
文句のある奴 ....
実と土のあいだ
鳥は落ち 飛び去り
叫びと無言 緑と足跡
人であることのさまよいに満ち


はじめて みなもと
そのまま たましい
そこにはぽつりと
ひとつだけがある ....
さすらいの
すべてがやさしく
しみるとき
風の
しるべの
まぶしさが、近い


背中や肩を
通うながれは
さらわれまい、とした
ひとつの道すじ

だれかの瞳に
年月に
 ....


川の表面に見えない川が重なっているので、刻み採る、反転したウグイスを読むための辞書を踏みながら。いくつかの水分子に哀しみを含ませて川をさかのぼらせる。川を構成する無数の小さな川のそれぞれにふ ....
世の中には支えるひとと
支えられるひとがいる

支えるひとは暗い海に胸元まで浸かり
力の限り支え続け

次々と押し寄せる荒波に揉まれては
やがて力尽き海の藻屑と消える

支え続ければ ....
月が蠍になって 空は痛みに泣いて
翠色をした空虚が 私を籠めて

造られた北風と太陽
雨は未だ降っていますか
左の腕に絵を描いた
ずれて重なる細い線

戸惑い沈む夜に 朝が盗まれました ....
風が鳴らす季節のインターホン
縁側に出てみると夏が立っていました
水で冷やしたスイカを差し出すと
種ごと美味しそうに食べていました

僕が卒業式の悲しいエピソードや
新入社員の苦労話を打ち ....
本の続きが読みたいと思ったので
部屋を出て外へ向かう
ポストの裏側に続きは書いてあった
また続きが読みたくなったので
デパートへ行く
エレベーターの壁に続きは書いてあった
(僕だってこんな ....
憧れの夜 夢みるは夜
人は光をともす
乳飲み子は眠る

眠りを妨げるのは 飢え
飢え が 夢からうつつへ
声を あげさせる

そうして光の乳房にすがることができたなら
 ....
             080525



すべての商いを忘れ
品川駅に行く
新幹線に乗って
旅をする
南から来た男が
北から来た男の顔を眺める
擦り傷から血が滲み
転んだのか ....
では離れる。手術痕に最後の一文を貼る。セロハンテープで。もちろん透明な窓。鉄条網を抱えて、それは引き剥がした。他人の手が隣の座席に。手以外は手紙の一文に添えてある。

電報はこの瞬間にも心臓を青く ....
倒れてから半年
「紐をください」
孫にも敬語を使う
あてがわれた部屋で
『紐』の本に指を挟んだ

「趣味くらい」と彼の娘
わたくしの母
手芸用の太い編み紐を
渡したのは確信犯だった
 ....
ひどく深い山奥に
その百貨店は建っていた
百貨店といっても実際にはよろずやで
それでも、食料品から最新のテレビまで
なんでも売っているのだ

ダムが出来ると
集落のすぐしたまで水面になる ....
{画像=080524153641.jpg}

人を判断する基本としての足首
ぼくの友人は足首で判断する
細い繊細な足首がキリリと力強く歩み去るのを
眺めるのが好きだ
太い力強い足首が折り重 ....
都会はいつも決まってドブ臭くて渦巻いていた
歓楽街の路地裏にある一軒のバー
いつの時代もこういう場所には需要がある
男はいつもと同じようにカウンターの席に座っていた
俺はまっすぐカウンターに向 ....
南国の話
  冷たい鉄の火事
  ホーム えき 斜体
  今時新品の歯車
  油を塗っている鉱夫
   忘れている
   何もかも知れ
  オリーブからオイルは取れない
を聞く残された ....
朝食を終えたファーストフードを出たら 
偶然、夜勤明けで店内から出てきた私服の君が 
駐輪場からスクーターに乗り 
アイスコーヒーのストローを咥えて 
立ち尽くす僕の前を走り去っていった 
 ....
それは風の通り道の家で
けっして目立つでもなく
景色に溶け込んだ家で

見つけにくいようなら
赤い郵便受けを見つけて下さい
それはそれは、目の覚めるような赤で


つい最近、
満月 ....
            滴
            り
            落
            ち
            る
五月の終わりの静かな夜の暗闇は遠く無限 ....
 無表情に首を傾げた 
 自転車の整列する駐輪場の上 

 線路に吊り下がる 
 モノレールは監獄の面影で走る 

 昨日の重たい疲れを残し 
 眠りながら吊革にぶら下がる人々 

 ....
紫煙の記憶が折り重なる木枠 
スピーカーに雑草が繁茂する
煤けた天井から黒い茎が垂れ
席のすぐ上で円錐の花が開く
ここは暖色の蜜であふれている
白い蜜に沈む 緑の無邪気な囚人たちは
小さな ....
あなたはまだ
地下一階にたたずんだまま
この世に生をさずかる前の詩です

見えるはずもない空の
その方向をさがしている
一鎖の言葉のつらなりです

空はきっと上にあると思い
自然と見 ....
月曜日のテレビはつまらない
とあなたは言うけれど
そんなに毎日テレビが面白かったら
黒目が原色になっちゃうわ
だからあなたは
月曜日の夜に兎になる
真っ青に鋭い風のように
Tシャツを纏っ ....
俺はなしくずしだ、運命よ俺の髪の先を噛め、俺の髪の先にお前の刻印を残せ
俺はなしくずしだ、溝に鼻先を突っ込んで汚れた水を飲む
俺はなしくずしだ、どれほどさまざまな手口を試みてみても何か ....
                 080519







癒着した粘着液を
B29から落とし
不発弾に垂らし
静かに土を被せ
そのままにしておいた

不安が的中した
 ....
{引用=ふたりきりでも まだ
さびしいので
ラジオをつけると あなたは
雨音だけで充分だと言った}

愚痴を云わないけれど聞けない
つまらない女ですから
晴れ女でいいねと羨ましが ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
必要な世界を吐き出す為に
必要な世界を選び取る為に
咽喉仏に針を突き立てる
冷やかな笑いと冷やかな汗
そしてすぐに熱を持ち始める
冷静なんかじゃ居られない
ふざけた顔を真剣な顔にして
真 ....
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