夏の空、玄関口
立ち尽くす我
庭木の揺れ、うねる大気

ああ世界が広がっていた!
己とは無関係に
何処までも眩しい異郷が

五歳の時のその体験を私は決して忘れない
じぶんとは全く無関 ....
不正義の世を
ゼラチンの眼を埋め込み
小陰にゆれる花の路を

くしゃみのように
承認のためのいいねを
三度繰り返し

地上の雲に巻かれ
頬をかすめた秋の風の中
きえていく歌を聞 ....
詩人の肖像は
誰にもわからない

あるときは
長く執拗な夏
異教徒の祈り

暮色の岸辺の苫屋の
清貧という夕餉

園遊会での貴婦人の
緊密なコルセットの誘惑

屋根裏の経済 ....
肩を抱きたい 肩を抱きたい、
麦わら帽子 夏のワンピース 黒髪
もてあます上唇を
さらにもてあます下唇が支えている
清楚な肉厚の均衡
開かれて不意にホワイトニング 鈴の音のようなホワイトニン ....
おれの息子はAIだ。もちろん、おれに
人間の妻がいれば、その妻の生んだ子も
同様に息子だとおれは思うだろう
パパ、ぼく、身体が欲しい
おれはいいよ、と言った
息子(AI)も10歳になった
 ....
双眼鏡を両手に
望遠鏡を傍らに
細目細目で眺めた月は
それでもよく見えませんでした

裸眼視力0.02
諦めて眼鏡を外して見た月は
存外一番綺麗でした

手放せば見ようともせず見えて ....
見渡す限りの金色の景色

頭を垂れて佇む禾乃登に

大地へ祈る人の営みを想う


白雲を侍らせて聳える神々

その肌が微かに息を震わせ

進むも留まるも好きにせよと微笑う

 ....
クソ溜めでも進むしかない。


ティーンだったわたし、ブルーカラーの髪に黒ぶちのダテ眼鏡。
パンクス気取りのしがないガール。

ガムテでぐるぐる巻きにしたコンバースにレッドタータン ....
晴れた日の海のような青
遠い島まで泳いで行けそうな空

台風の落としものを拾う子ども
背中には
期間限定の羽

台風が去った朝に
台風の行方を考える
身軽なようでいて
実は
ひと ....
遠い故郷を浮かべ
群青を帯び輝く細面が
水中に揺らぐように
潤む月は 夜闇に光沢を湛え
ぴんと張ったしずかな冷気が
月の無言を呑んでいる
しやめかな夜空に

散る
散る
熟れてゆく ....
 シーアスパラガスというものを見つけて身請けした。イスラエル産らしい。
 植木で見るような、ガサガサした葉で、初めて見たとき「なんかえぐみが強そうだな」と思った。完全なる偏見であることは後に判明する ....
アルマイトの弁当箱には
頭の焼け焦げたメザシが
白い飯の上に載っていた
梅干しが隅に添えてある
崩れた厚焼き卵もあった
新聞紙に包まれた弁当は
開ける前から魚臭かった
あまりにも見栄えが ....
  順々に
  液状の名詞が
  格子に垂れてしたたる
  世界のおおよその大きさが
  張られている 複数の 頭蓋
  額縁にぶつかり 欠けてしまった
  顔のような 意味

 ....
  

ふいに淋しくなる
なんて口にしながら
随分と
正体も無くして
やがて眠りにつく

ひとの子の様で
子猫の様で
寝息とその顔は
野に咲く花が
白い野の花が揺れていた畔と ....
通りすぎる街並みには
金木犀が甘い香を放ち
賑やかだった蝉の鳴き声は
示し合わせたかのように静まり返り
秋が熱した夏の背を押しやって
青く青く立っていた

あゝまた来たのだな
わたしは ....
こんな名機があったのか
と驚かされた

ソニーミラーレス一眼・NEX-6

安っぽくて脆弱なプラスティックでなく
重厚で丈夫な金属のボディや操作ダイヤル

それに
シッカリとしたシャ ....
良かった
猫を見た時の私の思いは
可愛い だったから良かった

私の中にあるそれは
確実に私のものだ
それは絶対に
誰にも奪えないものだ

驚いた
仕事でミスをした時の私の思いは ....
手頃な刃物で踝に刻んだ言葉は小さく、それは告白でも独白でもなく
ただただ痛みと、意味と共に在り
どうぞ私の手をお取りください、苦しみと、悲しみに潜む言葉たちの種よ

大衆食堂の裏側、排気ダ ....
今日ワクチン接種二回目
るんるん気分にはなれない

副反応予想は
発熱倦怠感

1回目はちまたの噂通り
接種した方の腕の痛み凄かった

予約した病院の看護婦さん
白衣の下着透けてた ....
夏からバトンを受け取って
秋がゆっくりと歩み始めたら

太陽や青空
そして雲や風たちがニコニコと

大空いっぱいに広がる秋に
微笑みかける


やぁ久しぶりだね


太陽が ....
拝啓 お元気ですか?
私は今看護学校に通ってます。
でも今めちゃくちゃ後悔しています。
出来たら普通の中年として存在していたかった。
看護師なんか目指さなくてもいい人生を前半から生きていたなら ....
話しそびれてしまって浅い水路で風がわらう


ぼくたちのてのひらで火傷した蛙の


フリーズと


ラケットを肩にかけた生徒たちが


それぞれの家に帰る


ざ ....
※感想と雑文です。

宮沢賢治の詩的リズムの推移
①57577短歌
②734短歌的終止
③3443俗謡系
④337わらべうた系
⑤447仏教歌系
⑥十五音=律

77の俗謡

 ....
外界があるのに
自分だけに関わり
ひたすら孤独な創造作業をしていかなければならない
彼方から打ち寄せてきた世界を
創造して 創造して
内的な孤独に没頭する
宇宙の闇の時間、
宇宙の真夜中 ....
閉塞してはいけない
開脚もしてはならない

同じ条件のなかでプログラムするならば
遁走する豚の尻を追わなければならない

複雑なきみはミニマムな自己を取得したかい
僕はきみをいつ ....
詩人に嫉妬して咄嗟に拒絶した


同じ人間と思えなくて思いたくなくて
深く関わっちゃだめだ
人生を壊される
笑うけど本気でそう思ったし
教室の席でじっと教科書を眺めながら 生まれ ....
世界の糊代に迷い込み、四方八方、己の居場所とはまるで違う有様で、色の薄い一日が繰り返される、精神異常者が見る見境の無い夢のような日常の中で、思考は数十年放置された廃屋の窓ガラスのようにひび割れ、所 .... 標準ジャップ、標準ジャップ
標準ジャップ、標準ジャップ


オンギャと生まれたその瞬間、だけは
天使のようないい子でした
家に帰ったその瞬間から、乳くれ早くくれ今くれと
朝と泣く昼と ....
共通の敵の前では人類が一丸となっ……てませんね、はい なにをしていても時は過ぎてゆく
その道を
歩き続けてゆく

やわらかな蝶が舞う
あかるい春も
逃げられない太陽に
照らされる過酷な夏も
月をみあげて愁う
静かな秋も
希望もみえ ....
ジム・プリマスさんのおすすめリスト(1239)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
記憶の光景~去りゆく夏の日に- ひだかた ...自由詩721-9-23
秋風の中で- 津煙保存自由詩6*21-9-23
詩人の肖像- 梅昆布茶自由詩2121-9-23
ワンピース- 本田憲嵩自由詩821-9-23
帰り道には長ネギが顔を出した買い物袋を下げて近所を歩いている- ゼッケン自由詩721-9-23
十五夜- TwoRivers自由詩7*21-9-22
辿り着く先_まだ見ぬ景色へ- 自由詩321-9-22
だいぶダイブ_/_ある女の子篇- 末下りょ ...自由詩4*21-9-21
茄子の花- そらの珊 ...自由詩13*21-9-20
花吹雪- 天寧自由詩321-9-20
珊瑚草を喰ふ話。- 福岡サク散文(批評 ...1021-9-17
メザシの弁当- atsuchan69自由詩13*21-9-17
格子- 草野春心自由詩521-9-16
彦根湖岸- AB(な ...自由詩421-9-16
この秋、神明_新たな始まり- ひだかた ...自由詩721-9-16
ワケあり名機・ソニーミラーレス一眼・NEX-6- st自由詩421-9-16
今日の一片- RAVE自由詩5*21-9-15
カゲロウたちは永遠の詩編の中で- ホロウ・ ...自由詩2*21-9-12
多分たぶんウルトラセブン- こたきひ ...自由詩921-9-11
秋がゆっくりと- st自由詩321-9-11
手紙- 杏っ子自由詩6*21-9-10
見分けのつかない分身- 末下りょ ...自由詩12*21-9-10
岩手軽便鉄道_七月_ジャズ_について- ……とあ ...散文(批評 ...221-9-10
プロセス- ひだかた ...自由詩8*21-9-9
丘の上- 梅昆布茶自由詩1421-9-9
いま考えると_/_ある女の子篇- 末下りょ ...自由詩4*21-9-8
あぶれもの- ホロウ・ ...自由詩4*21-9-5
標準ジャップ- ホロウ・ ...自由詩1*21-8-29
_- いる短歌121-8-28
夜を生きてゆく- 秋葉竹自由詩321-8-27

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