ありがとう
うまかった

ありがとう
まずかった

いつも
いつも
飢えていて

ありがとう
食べてきた

皿盛りの肉
絞った蜜
犬の舌焦げ

ありがとう

母の ....
見た目はパッとしない。
目立たない。群れない。
硬そうにみえてそうでもない。
脆いかというとそうでもない。

灰だか茶だか緑だか色曖昧な身体には
何のためだかツノがある。
これがまた雄同 ....
わたしは、男のおかあさんと暮らしている
男のおかあさんは、働いているので忙しい
男のおかあさんは忙しいので、わたしは留守番をする
わたしは遅くまでひとりで遊んでいるので、いつも眠い

男のお ....
「ばかね」
彼女が笑った。
俺は初めて、ばかでよかったと思った。
桟橋を子供が
ぞろぞろ歩き

海にどんどん
落ちて行く

それは困るので
番をする事にした

子供の向きを次々と
くるくる変えて戻す

飯も食わずに番をしたので
僕は死んだ
 ....
ある日

ヒゲが全然剃れないので
やけに切れないカミソリだなと思ったら

カミリソだった

そりゃそうだ


*


ある日

ヒゲを剃っている途中
カミソリにカミリソ ....
だって携帯電話の普及で電話ボックスがなくなったんだもの お久しぶりと
声をかけると
愛人は
この愛人はとてもよくできた愛人なので
泣いたり駄々をこねたりせずに
お久しぶりと
笑ってくれる

「連絡取れなくてごめんね。元気だった? ....
この指に「とまれ」と名前をつけたら
隣り合っているほかの指には、やはり
「とまら」「とまり」「とまる」「とまろ」
と、五段活用させて名づけるべきなのか
あるいは
「すすめ」「まがれ」「う ....
白い砂浜に続く足あとが
あなたの逡巡の時間だった
五月
私とあなたが確かめ合った
ただ
それだけ

テトラポットの陰で
立小便をしていた男の子が
唯一の愛の証人であったことなど
知 ....
エレベータの中で
一人の羊飼いと出くわした
私はその羊飼いのことは知らないし
羊飼いも私のことを知らない

二人とも
なんでこんな所で出くわしたのかわからずに
どうしたものかと
す ....
最終的に黄身と白身にわけられたら いいよ いいよ

鳥はつい、と滑空して えらい人がことわざを作る
色きちがいの対話だったね 一人と一つ ひそやかなひそか
もっとえらい市場
へんてこな行き道 ....
昼の空は青い

まるであなたみたい

夜の空は暗い

まるで俺みたい
明るい
床の上
人頭大の
石ころが
二つ
向かい合って寝転んでいる。
色違いの格子縞のシャツを着たりして
そのくせ
肉体は
無い。

人は誰も
生まれて
死ぬが
詩人
金 ....
今日も桃色のぱんつをはいて
元気にでかけてく娘よ(*1)
雨降りだからといって
勢いよくカサを
くるくる回したりしないように

おまえは
いつもまっすぐ前しか
見ないものだから
かけ ....
05:50 目覚ましが鳴る
ピッピッピッ
頭を押すと目覚ましが止まる
ピッ ピッ ピッ ピイ ピイ ピイ
小鳥の囀りにかわる
ぼんやりした靄をつきぬけて
06:00 妻が起きる
06 ....
絵描きの描く肖像画は
どれも本物と見間違うほどの
素晴らしい出来映えだったが
どの絵からも
顔の構成品がひとつだけ欠けていた
片目の瞳だったり
上唇だったり
耳たぶだったり
必ずどこか ....
蝶々が空を飛んでいきます

信号が青に変わったので
横断歩道の白線を跨ぐ
振り返って立ち止まると
車のクラクションが鳴るので
よく見ると信号は赤だった

白い傘を差した人が歩いています ....
曇り日の
凪いだ海に漂う
うつぶせなサーファー等の上に舞う
アホウ鳥の{ルビ呑気=のんき}な飛翔を眺めつつ

{ルビ理由=わけ}もなく
「にたぁ」とほほえんでみる

僕は
もう
疲 ....
プラスチックのトレイに
黒い礼服
転がすように
茶を一杯
一個一個並べて
赤いニンジン
口ずさんで
第三の男
色を読みながら
岸恵子
取っていく
みどり児
そのままそっと
青 ....
とにかく暑くて
冷蔵庫のなかは空っぽで
喉がカラカラで
唾も出てこなかった
汗だくのまま
床に寝転がっていると
空っぽのペットボトルが
部屋のすみに転がっているのを見つけた
拾い上 ....
どうしても白熱灯でなければいけないのです
冬はあたたかいし
心なしか 黄色く胸がおどり
照らすと天気の記号のように半分になるので

そう こわれものはやわらかな
空気の入ったビニールでつつ ....
くやしい

と言って
涙を浮かべる
君を見ていたら

「くやしい」の

「く」も
「や」も
「し」も
「い」も

全部消してあげたくなった
いまはただ
雨が降り
石にしみるまま
あけないおくで翳のかたちを追っている
ひがしの空だけが
ゆるやかに
くちびるをひらき
すきまから虹彩をのぞむ
わたしは
まるい眠りを
かきわけ ....
「エロビデオのセックスってさ、こう、なんでいつもオトコはみんなマンガの書割みた
いにのっぺりと影がうすいんだろー? ・・・オンナはオンナで自分の快楽ばっかに集
中してなんか機械みたくアヘアヘ鳴 ....
あなた、雄一郎さん知りません?
どこかの馬鹿女が聞いてきた。
あたしはすました顔で言ってやったんさ。
「知らないよ」






そうやって馬鹿みたいに探し続ければいいんさ。

 ....
赤い辞書

君の持っている赤い辞書に
夕焼けは
挟まれている

もう長いこと挟まれていたので
辞書の文字が夕焼けに溶けて
世界がぼやけて
君の世界がぼやけてゆく

のを見ている ....
胃路は臭へど塵塗るを
我が涎そ
津ね
奈良

ウイーの奥や
魔境越えて

砂丘
目見し
絵紐背図
愛飢え
丘聞く

濃さ
死す背育ちつ
手となりぬ根の
這ひ
増へ




母屋
射ゆ
獲よ
羽を
海が錆びて波の形に針金が残るよ砂になるまで歩こう

レコードの針は静かにおろすもの 鳥のかたちが浜辺に落ちる

はじまりは記憶の記録 鋼鉄の断崖にまた刻んでは去る





益野大 ....
山内緋呂子さんのおすすめリスト(993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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ツノゼミ(百蟲譜3)- 佐々宝砂自由詩203-11-15
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かみりそ- ミサイル ...自由詩1803-11-12
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窓の外- いとう自由詩1103-11-10
この指とまれ- 卯左飛四自由詩4*03-11-9
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エレベーターで- たもつ自由詩603-11-6
朝市- 嘉村奈緒未詩・独白403-11-5
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石が話をしている- 狸亭自由詩303-11-4
雨降り- 青色銀河 ...自由詩403-11-3
何もない日の朝- 狸亭自由詩303-11-2
欠落- アンテ自由詩14*03-11-2
またとない別れのために- ふある自由詩503-10-31
瓶ノ墓- 服部 剛自由詩503-10-30
R- ねなぎ自由詩203-10-29
願い- アンテ自由詩203-10-29
緩衝が、干渉する感傷の- nm6自由詩703-10-29
くやしい- ミサイル ...自由詩303-10-27
「しののめはあなたのなかのまるい眠りに棲む」- キキ自由詩2103-10-27
モグワイ- 石原大介自由詩7*03-10-27
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夕焼けが足りない_5- AB(な ...自由詩1303-10-26
以呂波うたの実験- 岡村明子自由詩403-10-22
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益野大成さんの『飢餓』をよんで- 渦巻二三 ...短歌103-10-22

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