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仕事帰りの自転車に乗り
ふらふらと重いペダルをこぐ私を
野球帽をかぶった男の子が追い抜いてゆく
あまりにもまっすぐ走る恐れを知らない背中
暗がりを照らす街灯の立つ角を曲がって消えた
早朝 ....
レジの上に置かれた写真立ての中で
歩き始めたマスターの子供が
両手を握り {ルビ膝=ひざ}をかがめ
階段から飛び跳ねようとしている
怖れを越えた先にある
未来の着地点を
澄んだ瞳で{ル ....
富山から鎌倉へ帰る旅の終わりの朝
旅の宿を貸してくれた
姉が作ってくれた目玉焼きを食べながら
居間の床に座る3歳の{ルビ姪=めい}が
赤いリボンを頭につけたキティーちゃんのぬいぐるみに
話し ....
かみさま
大人になった僕は
ずいぶんと長いことあなたのことを忘れていたようです。
時に僕はあなたの姿を見たいと
{ルビ只=ただ}、無力な両手を組み合わせては空に向け
一心にお祈りしています。 ....
友よ、
すでに日の光を受けている君の震える足で
「初めの一歩」を踏み出そう
まだ描かれてはいない、空白の明日に向けて
深夜の闇の部屋の中で
耳を澄ますと聞こえて来る
胸 ....
夜の浜辺で一人
寂しい叫びを{ルビ宇宙=そら}に放り投げる
震える声は
一枚の手紙となって、舞い上がり
静かな波の唸りの上を、舞い上がり
海の{ルビ面=も}の、
月の光の道の上を、舞い ....
気がつくと
見知らぬ部屋に、彼は立っていた
窓から吹き込む夜風に
カーテンはふくらんでいた
鏡に顔を映すと彼は
ふと 自分を
のっぺらぼうにしたい衝動に駆られた
ポケット ....
「焼ぁ〜き芋ぉ〜、
石焼ぁ〜き芋、焼芋ぉ〜」
日も暮れた
裸木の並ぶ川沿いの道を
赤ちょうちんの焼芋屋が
ゆっくり ゆっくり 歩いてく
後ろからもんぺの{ルビ懐=ふところ ....
*(この文章は、ジュテーム北村さんから、「同時多発朗読」の連絡を受けた後、
行った朗読と、過ごした時間についての個人レポートです。
なお、ジュテームさんからの連絡は「21時に」とのことでし ....
この世がひとつの鍋ならば
阿呆らしきことのごった煮じゃ
杖を頼りに散歩から帰り
ブラウン管を開けば
空母から戦闘機が
美しい水平線へ消えてゆく
イラク人の出稼ぎ労働者がバスに揺られ ....
曇り日の
凪いだ海に漂う
うつぶせなサーファー等の上に舞う
アホウ鳥の{ルビ呑気=のんき}な飛翔を眺めつつ
{ルビ理由=わけ}もなく
「にたぁ」とほほえんでみる
僕は
もう
疲 ....
山内緋呂子さんの服部 剛さんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
空の涙
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服部 剛
自由詩
8*
05-8-11
Cafe_Le_Poete_♯2
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服部 剛
自由詩
6*
05-7-28
旅を終える朝に
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服部 剛
自由詩
8*
05-7-1
屋根の上に寝転んで_〜かみさまへの手紙〜
-
服部 剛
自由詩
9*
05-4-24
迷える若人へ
-
服部 剛
自由詩
7*
05-1-30
満月に吠える、野良犬
-
服部 剛
自由詩
15*
05-1-25
ましろいかお
-
服部 剛
自由詩
7*
05-1-9
婆ノ衣
-
服部 剛
自由詩
13*
04-12-19
同時多発朗読・個人レポート
-
服部 剛
散文(批評 ...
7*
04-4-14
ひとつの空
-
服部 剛
自由詩
2*
03-12-1
瓶ノ墓
-
服部 剛
自由詩
5
03-10-30
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