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冷ややかな朝に
渡る風の行方を見つめていると
どこかで古いレコードが回りだす
草原の朝もやの中から
湿った石の階段が現れる
五段ばかりで
他には何もないのだが
時を経て少し苔むしたまま
 ....
家族の写真がない

両親が離婚すると決まったとき
それでも家だけは誰かが守るだろうと信じ
写真はすべて置いてきた

そしてすべては処分されたと聞いた

いつかここに帰るかもしれないとい ....
私の方向音痴を笑いながら
手を引いて
東京タワーはあっち
六本木ヒルズはあっち
あれが皇居
お台場は向こう
新宿はあのあたり
晴れていたらあの辺に富士山が見えることもある
さて
あな ....
ボートから転げ落ちて溺れた
一人目の男は
すぐに飛び込みすくい上げてくれた

ボートから転げ落ちて溺れた
二人目の男は
携帯電話で助けを呼んでくれた

ボートから転げ落ちて溺れた
三 ....
白い砂浜に続く足あとが
あなたの逡巡の時間だった
五月
私とあなたが確かめ合った
ただ
それだけ

テトラポットの陰で
立小便をしていた男の子が
唯一の愛の証人であったことなど
知 ....
胃路は臭へど塵塗るを
我が涎そ
津ね
奈良

ウイーの奥や
魔境越えて

砂丘
目見し
絵紐背図
愛飢え
丘聞く

濃さ
死す背育ちつ
手となりぬ根の
這ひ
増へ




母屋
射ゆ
獲よ
羽を
紺がすりのような夜を眺め
穏やかな一日を思ううち
心は幼年に浮遊して
小さな手から落としたごむまりを
おにいちゃんが思いっきり地面にたたきつける
ぽーん
ぽーん
空を見上げて
追いかけ ....
夕方と夜の境目
湖畔の輪郭が紫色に曖昧になったころ
湖に身を乗り出し水平に手を伸ばすと
足元に流れ寄る無数の細かな波が
浮力となって
まるで
湖の上を滑らかに飛んでいるかのような気分になる ....
山内緋呂子さんの岡村明子さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
階段- 岡村明子自由詩904-4-22
非・定型- 岡村明子自由詩8*04-1-24
標識- 岡村明子自由詩504-1-17
溺れる- 岡村明子自由詩1103-12-6
初恋- 岡村明子自由詩503-11-9
以呂波うたの実験- 岡村明子自由詩403-10-22
五十音の実験- 岡村明子自由詩1203-10-22
ごむまりの月- 岡村明子自由詩703-9-30
フライング- 岡村明子自由詩903-9-17

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