正午過ぎにはクリーニング屋がYシャツを届けにくるので僕は部屋で待ってます
カンチェルスキス








 正午過ぎには
 クリーニング屋がYシャツを届けにくるので
 僕は部屋で待ってます

          

           感動をお届けするために今日は我慢して牛乳を飲んでます



 僕はボウリングの球を一心不乱に磨いた
 白菜はつくづく野菜だと思った



 自転車の荷台に立ち上がったら
 運転するものがいなくなったので
 僕は慌てて
 ペダルを漕いでくれる人を探した
 坂道の真ん中
 セントバーナードが
 吠えまくった

 

           ピザのレシピに書いてある言葉を復唱しますとカプチーノ四杯
           カプチーノ四杯カプチーノ四杯カプチーノむしろエスプレッソ四杯



 おもちゃの刀を用意して
 新しい旅行雑誌を創刊した
 僕はボウリングが得意だ
 

 
           膝割れジーンズの膝からエリンギが生えてると指摘され
           エリンギのことを調べにだいぶ遠出しました



 不可能を可能にするアイロンも
 ほしかったけど
 ポケットには黒飴しかなかった
 二酸化炭素でふくらんだ
 ピンクの風船を
 僕なら割らずに食べる


            
           草原に湖が生まれそれが鼻水だと知ったときの
           警察官の反応はスペシウム光線



 聞こえてないふりして
 あなたたちの宝くじの当選番号は
 暗記してるんだ
 僕の毎日はスポーツ新聞の見出しなんだ
 


 軽いジャブを打ちながら
 看護婦さんを口説いても
 タバコの先に火はつかないと
 みんなは知った
 僕はその話を全然聞かなかった
 

            
           世界中の波線を少し齧ったり舐めたりしますとどうも甘味という
           食感がありますね 



 僕はパチンコ屋の隣の隣の
 丹波屋のおばさんにお金を借りて
 返した
 体で返した
 ソフト麻雀を無理やりやらされた
(麻雀の牌がソフトボールだ)



           がら空きの市バスで小銭をジャラジャラさせてる地元の中学生に
           湯豆腐おごるからゲームセンターでタイマンしようと
           言いましたところ
           ラジャーすなわち了解と言われ
           ひとしきりの敗北の後で
           冷奴をおごりました
                


 半分の月がまるでお尻みたい
 だと誰にも告白できず
 僕は悩んでいた
 裸にネクタイを結んで
 布地が触れる部分をマジックで
 塗りつぶした
 
 

           テレビの緊急速報のテロップが出るたびにお茶をこぼしてしまいます



 なんとなく
 正午過ぎがいつになるのか
 ちょっと想像もつきませんけれど
 正午過ぎには
 クリーニング屋がYシャツを届けにくるので
 僕は部屋で待ってます







 


自由詩 正午過ぎにはクリーニング屋がYシャツを届けにくるので僕は部屋で待ってます Copyright カンチェルスキス 2004-08-19 20:39:36
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