青い春
LEO

春は
思いがけない記憶を呼び覚ます

 フリージアの花びらが揺れていた
 恋に幼い心も揺れていた
 サヨナラの理由を
 頬伝った涙をさらう風のせいにして
 強がる笑顔で背中を見送った
 あの日‥
 空はおぼろげで
 陽炎のように揺れていた

 いつかの春の恋だった
 淡く幼い恋だった



花屋の店先
溢れんばかりの花を目にして
桃色の香りがつんと鼻の奥をくすぐる


自由詩 青い春 Copyright LEO 2006-02-28 21:24:56
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