冬のプラネタリウムを想う
秋葉竹


寒ければ
プラネタリウムがある

星座が喧しい
水鳥が鳴いているのか
かきむしられる尖った声が聴こえる

寒ければ
空を飛ばなくていい

見下ろすと小さな橙の灯り
死の象徴としてのともしびか

魚が魚を信じているのだから
神殿から神殿へと泳ぐ影が見える

それは黒い絶望に追われているのか
かなしみを幸福の色に変える呪術を求め

死んだからわからなかったけれど
魚たちは星座の名前が欲しいらしい

寒ければ
プラネタリウムも震えるかな

寒いけれど
プラネタリウムの星座の

まだ知られていない名前を
くれてやっても
よい と
想う







自由詩 冬のプラネタリウムを想う Copyright 秋葉竹 2019-12-07 21:09:48
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