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万年床に二人
背中を合わせて眠った日々
コンビニ弁当だけを食べていた
明日の幸せを祈りながらも
現実というナイフは許さなかった
馬鹿だと承知しているものの
本能は許さなかった

西新宿 ....
たとえ私に何ができなくても
一筋だけの光を点滅を残せるだろう
黄金ではなく
それが真鍮であろうと
刹那に眩しい光は放てる

たとえ私に何ができなくても
湖面に映る月の輝きを残せるだろう
 ....
言の音の流星群、
押し寄せて来る押し寄せて来る
それぞれの重力圏から脱却し
自由に宇宙に自由に煌めき

アメーバ状に広がる歪な触手、
力溢れる造形立ち上げては
離散する透明雨滴と流れ
 ....
世界でいちばん大好きな君に
上海美人の君と
玉川温泉に行こうとおもう

蘇州は水の世界
上海のなんとか空港は海のそば

テレサテンの空港を
しっとり歌うきみは

僕の恋の予感を
 ....
ぽろぽろあまだれ
跳ね蛙スローモーション
滲む文様から浮かんだ島
鳥に紛れ白髪女ひとり
永い束ねを千切る声震わせて
ふたつみつの影を漉く
ひと筆の青さもない
そら背負ってうみは来る
  ....
        柿の若葉が
 さみしいかぎりの 裏庭で
卯の花月の かぜとひかりに
        たすけられ
    おいで おいで と
      子すずめたちに
     ささやいて ....
{引用=ゆれる、ゆれ、たちあがる、あわい、影に、
くるまれた、ままの、「わたし」の、身体は
ゆびさき、から受粉して 髪は緑にながれる

血が赤いという現実を、見捨てて、
血が赤かった ....
もみの木のてっぺんで何してやがる
季節外れの煤けたお星様って訳じゃあるまいし
カラスのくせに風見の真似か なに
風は見るものじゃない 乗るものだって?
違いない 世のなか乗ったもん勝ちよ
だ ....
トマト
セロリ
タマネギ
ニンジン
ジャガイモ
インゲン豆
マッシュルーム
鶏モモ肉
ベーコン
ニンニク
ショウガ
パセリ
ローズマリー
タイム

大地の恵みをシチュウ鍋 ....
               

玄関へのアプローチはバリアフリー
歳経ればひび割れるコンクリートより
割れ目を隠すタイルが良いと  
ベージュとエンジの市松模様
両 ....
垂直な疑問符を諳んじる水晶体に
「お前は誰か」と問われれば
動揺はあらわな宣誓を開示する
ありふれた病名さえ二重傍線に埋もれ
白いハンカチで覆われれば
ありふれた終末期を万年筆が叩く
その ....
鉛筆で、ノートのページに横線を引く。
上に白い入道雲を描く。
太陽は紙の外側にある。
雲と横線の間にもう一本、水平線。
横線と横線の間にあるのは、青い海で、
白く波打つのは風があったから。
 ....
燃えるもえる、
私が燃える。
街は安穏を保ちながら、
流れるながれる、
それぞれの岸に向かって。
燃えるもえる、
私が燃える。
私だけが燃えている。
人々は手を休めて、
それぞれの鏡 ....
死を迎えるまで
重圧と責任を全うすることなど誰もできない

ある部分
食を楽しみ
音楽に耳を傾け
美術に見惚れ
様々な香りを精査し
荒唐無稽な朝方の夢をみながら
見えない触覚を巡らせ ....
二匹のマルチーズと男が一人
春の錯覚を辿りやって来る
姿はゆらぐが後ろめたい足跡は一切なく
コンビニ袋のなかに桂馬を隠している
策士だが出世はできない
文脈の中に時は在って無いようなもの
 ....
【空】


ねぇエトワール  たんぽぽの君に エトワールって名前をつけたよ
君の 中芯は 中空に在るよ
精一杯 背伸びする風の最果てを
つかめぬものを つかもうとしている

 ....
曇のなかの金属が
鉱と擦れ合い 匂いを放つ
音の波を燃し
輝晶を放つ


光の槍
降るはふたり
ひとりは死びと
ひとりが背負う


左上が白い夜を
けだも ....
遠くの山々が
のどかに雲の帽子をかぶっていた日々
春の野をいっぱいの花でみたし
初夏の木々を新鮮な緑で塗りかえてくれた
美しい地球よ
恋しい地球よ
どうか
山を崩さないでくれ
家を ....
道はつづいてゆく
途切れながらも果てしなく

途次の三叉路で
焼きそばの匂いにさそわれて
この街道に至る

次の五叉路では
上海の娘が待っていて

サイレンのように
髪を偏西風に ....
我が身にはこれからも
あまりゆかりのない言葉

新学期

なぜだかわからないが
断固として幼稚園にも行かず
日々放浪していた僕にあたえられた

小学校という世界の箱庭で
やっと社会 ....
思念の淵で息をしている、
私の息づかい。
耳から流れ込む、
目の海の水を、
飲み込んでは吐き繰り返しながら。
呼吸が荒くなる。
海になった私の指から、
あふれてくる思いを、
窓硝子に叩 ....
  きみの額に
  落ちた、よる色のはなびら しっているか
  それはぼくが 云えなかった言葉だ


  ただ 白としろの縞模様を いつも
  ぼくたちは心のように抱いた きつく
 ....
    あの日を境にわたしの中から
    わたしがいなくなり
    半透明な海月になった
    荒ぶる海流に叩きつけられ
    なす術もなく右へ左へ
    痛みとともに流され続けた ....
この骨格を焼いてくれるな

使い慣れた体なのだから
大体の様子はわかっている

柔らかな肉に閉じ込められた結晶を埋めないで欲しい

おれの血管とホクロを知り尽くしたおまえだけが知っている ....
 無をゆく舟

       ハァモニィベル


点景(へ)
流れ混む
厚い
{ルビ光=ウリム}の闇。

それが、
炎に似た
輪郭の影を
灼き尽くしていく

再び――、 ....
土塊を捏ねる
指先に気を集め
煮え立つ熱流し込み
ゆっくりしっかり力入れ
未定形の粘る分厚い土塊を
思い思いのまま捏ねくり回す

捏ねくるうちに不思議なこと
土塊と指先は拮抗しながら
 ....
若い頃は良かった
なんて言わない
思わない
今が一番
いつだって
これからだって

とかなんとか言ってみても

こんな春のいい陽気に
年頃の娘たちが
きれいな足を惜しげもなくさら ....
そのオートバイはギターをかき鳴らすように
大陸を横断してゆく
絶え間ない鼓動が指先に繋がり
陽の沈まない西の空を目指す

髭を蓄え
風にカールする髪を靡かせて
終わりの無い旅を続ける
 ....
宏大な界が突然開ける

視界右上奥に
空の濃く暗らんだ青が微かな裏光りを帯び沈黙して在る

視界中央仰げば
巨大な白雲無数、それぞれの意図を持ち漂い溢れ流れている

視界正面遠く近く
 ....
温かな陽射しを浴びて
細い腕の静脈が
緑色の葉脈となってしまったのは何時のことだろう
そう
苦しみのない世界に来てしまったのだ
父が死に
母が死に
弟が死に
妹が死に
失うものはすで ....
レモンさんの自由詩おすすめリスト(1410)
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