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   風と光が蘇えってきた
早苗月は 青天井の昼下がり
    小公園の原っぱから
      ただよってくる

      それは それは
  卒寿のおひとりさまには
       真 ....
   さえずりは無制限に落下して
 漲る心臓
内側からほどけ展開する
うすべに浮遊都市
生贄のメリーゴーランド
空を蕩かす視線を
 火の羽衣に包み
牡丹 
  ゆるりと爆ぜ
     ....
初夏の夕暮れ
やわらかい風に吹かれながら
玄関先にしゃがんで
ビオラの花柄を探しては
摘みとる
こんもりと咲き茂る寄せ植えが
あたらしく
生きかえるのが好き

いつからだろう
 ....
1.昔日


白いちじく
くるみ
黒ごま
凍ったラズベリ
松の実
メープルシロップ

海原のような対岸に向かい合って座って
きみが指をしゃぶりながら笑う

もつれる後悔
今 ....
乗り込んだとたんに、
眠りが手を伸ばす列車。
眠りの手を掴んで、
ともに溺れようとする頭のなかで、
死んでしまいそうになるのを恐れて、
目を覚ましても、
窓の外は平行線だ。
その平行線の ....
どうも世の中は愛撫に肯定的ではない
君の乳暈的世界で僕は日夜トレーニングを怠らないが

硬骨魚は自分の砦と離島に棲むのが好きだ
でも女は快感を要求しボンネットが揺れるだけ

柔らかな肉の隙 ....
夜の台所で、
テーブルに残った母の湯飲みのなかに、
数ミリ残った酒の水面に映る私を探す。
近づけば近づくほどに私は見えない。
離れれば離れるほどに大きくなる、
蛍光灯に頭が喰われていく。
 ....
絞り出される音叉の連動
魂の浅瀬から鏡に映り

響く残響奥底からの木霊
未知なる既知の郷愁に震え

空洞の底から噴き上げる熱
変わらぬ憧憬を未来から招来し

夜の砂漠を間欠的に舞い吹 ....
レントゲンに映る骨格の美しさ
CTスキャンの的確さ
MRIに描かれたデッサン
内視鏡のリアルな映画
どれもこれも
何とも言えず美しいのだ

ぼくが外見的に美しいとは言えないけれど
素粒 ....
ぽろり 
ぽろぽろ
涙が流れます
お母さん
ぼくは動脈と静脈を断ち切ってしまったはずなのに
涙がぽろりと流れてしまうのです

100%など誰に出来るのでしょうか
それを押し付ける人がい ....
       最近 どうしたわけか
   卒寿となった おひとりさまに
            わけもなく
      にじみでてくる泪がある
         それは・・・・・
      ....
ひとつの花びらが切る空を
どこまでも耳で追いかけて
胸の痛みに振りまわす腕
機械のように歩みゆく径


ひとさし指
夜を作る粒
夜を真似る窓
そこに無い窓

 ....
届かぬ手紙を携えたまま僕たちは彷徨する
どこかの洞窟の壁に刻み付けられた
忘れ去られた古代語の詩と
生きるということの目印をもとめて

新宿東口の地下街は果てしなく荒寥に染められて
彼方此 ....
月曜日
連なるうろこ雲
蟻から見れば雲突く大男が
注がれたばかりの朝を濁す
休日に書き残したカタコト
浴び続けた音の粉末を
明け方の夢の切れ切れと一緒くた
焼却炉みたいに燻らせながら
 ....
     穏やかな風と光が
    丘のひだにあふれて
 卒寿の猫背を包みこむとき

おひとりさまのスライドには
しみじみとよみがぇってくる

    はるかに過ぎ去った
白い季節の ....
隣近所の思いを気にしながら育てる桃
摘花はほどほどにして花を愛でてもらい
消毒は風のない朝ひっそりと行い

花が過ぎて
ようやく形のできてきた実を摘果する
このときワタシは
親から切り離 ....
炎が眠っている
その熱と光を休めながら
かつて燃えたことを証明する
灰が柔らかな布団になって
炎は夢を見ている
かつて照らし出した
闇の中に浮き立つ人の顔が
ばらばらになって融合 ....
 夜空に咲く花は美しい音楽を奏でる。
 恥ずかしがり屋の月が雲に隠れぬよう。
 眠りを知らぬ私らは窓辺に佇み
 チェンバロの響きに耳を澄ます。

 慈悲深い月がいよいよその姿を雲にくらま ....
てのひらの紅い花
恋とともに散りました

頬をかすめた桜花
友とともに散りました

胸に抱いた白い花
母が亡くなり散りました

空を仰いで流れる
涙を
そっと指でなぞり

想 ....
そこは、どこへいっても、
同じ通りだった。
人の声や気配はするが、
誰もいない街だった。
けれどどことなく誰かの眼差しを感じた
誰かが見ている。
街が私を見ている。
この街全体が誰かのよ ....
まつ毛の長い君の
潤んだ瞳の先に小指をあてて
銀盤の満月に照らされたのは
何時の事だっただろう

しなやかなブロンドの髪に指を絡ませ
水晶のような
口づけを交わした
あの夜
夢の欠片 ....
孤独はいまも継続中だ
それが常態となってしまえば
たいした痛みも感じないものだ

ときおり非日常にきみがやってくる
それは僅かな恩寵でもあり
かすかな煩悶でもある

きみは花をアレンジ ....
温めないでください
ぼろが出てしまうんです
ぼろぼろになってしまうんです
不必要に熱くなって
不必要に口の中でちくちくと刺しまくるんです

冷たいままにしておいてください
それが
決し ....
黒い大蛇が棲むという石橋を渡れば
桜咲く岸辺に
そこには大衆食堂が在った
憶えているお品書は
カツ丼
カレーライス
精進揚げ定食に
銀だらの照焼くらいのものだ

砂利道を挟んで
タ ....
定期便さえない南の離島で
ひっそり平和に暮らす家族も
獣道のような細い山道の奥に
密かに暮らす人々も
二十一世紀は容赦なく襲いかかり
その存在を世界に知らせてしまう

 ここに珍しい十八 ....
灰色の吐息がテーブルに満ちて
苦い珈琲が過去の想い出をたちのぼらせる
壊れた砂時計は絶えることなく
細かな砂を落とし
窓辺に佇んでいた

なかなか来ないオムライスを待ちながら
煙草を吸い ....
見慣れない鳥を見た
あとからそれがカササギだと知った
あたまの良い鳥だという
どうりであたまが大きかった
白と黒 翼の青
尾羽はすーっと長い
見栄えのする鳥だ
カササギは落ち着いていて
 ....
ターコイズブルーの湖、三つ
ねっとりと動かず
こんもり黒々とした山々の頂きに
ぽっかり ひっそり
横たわり広がり在る

(空は妙に白く透き通り

     皮膜の裏光り)

湖は波 ....
  昨日 私たちは
  ぶ厚い夏の憂いの底で
  椅子に座り 黙って紅茶をのんだ
  西友で買ってきた安い{ルビ氷菓子=アイスクリーム}を
  紙スプーンで交互に食べて


   ....


 ファイブ・ペニーズ


 ベンチ

耳を澄ましていた ただ耳を そっと
じっと 動かずに
夜更けの三時に誰かが夕食をたべるときも
そっと ただ
噴水の音だけを聴いていた。 ....
レモンさんの自由詩おすすめリスト(1410)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
帰郷(六)- 信天翁自由詩216-5-22
夢と現の境で瑞々しく花首垂れる者あり- ただのみ ...自由詩10*16-5-21
うつくしいもの- Lucy自由詩15*16-5-21
ヨリオスフィア- 平井容子自由詩516-5-21
耳朶- あおい満 ...自由詩316-5-20
愛撫へのエチュード- 梅昆布茶自由詩716-5-20
ゆのみ- あおい満 ...自由詩416-5-19
奥まる意識のその底で- ひだかた ...自由詩716-5-18
美学- レタス自由詩5+16-5-18
涙の理由- レタス自由詩516-5-18
望郷(四)- 信天翁自由詩416-5-18
ひとり_二層- 木立 悟自由詩516-5-16
迷宮- 梅昆布茶自由詩416-5-16
トゥリャ・トゥリャ- ただのみ ...自由詩7*16-5-14
橘月- 信天翁自由詩1016-5-14
摘果- イナエ自由詩11*16-5-14
眠った炎- 葉leaf自由詩1516-5-14
夜空に咲く花- ヒヤシン ...自由詩4*16-5-14
流れるままに- レタス自由詩516-5-13
街を抱く街- あおい満 ...自由詩516-5-11
灰色の瞳- レタス自由詩416-5-10
孤独の断章〜アレンジメント- 梅昆布茶自由詩1416-5-10
べんとう- 北村 守 ...自由詩416-5-10
桜水食堂- レタス自由詩416-5-9
21seiki- イナエ自由詩6*16-5-9
日より- レタス自由詩516-5-8
カササギ- ただのみ ...自由詩8*16-5-8
VISION.06- ひだかた ...自由詩3+16-5-8
昨日- 草野春心自由詩416-5-8
ファイブ・ペニーズ- ハァモニ ...自由詩2*16-5-8

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