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頬を濡らすものを拭うこともせず
ただ手放しであなたは泣く
抱きしめても嗚咽はやむことなく
わたしの肩が湿り気を帯びる
体温の熱さが伝えてくるもの ....
あの日を境にわたしの中から
わたしがいなくなり
半透明な海月になった
荒ぶる海流に叩きつけられ
なす術もなく右へ左へ
痛みとともに流され続けた ....
夕餉が終わると皿を洗い
油や醤油で汚れた台所を
布巾でぬぐう
鍋も皿ももとの位置に戻し
静けさと落ち着きを取り戻す
風呂を ....
米を研ぐ
それは繰り返される日々の儀式
手のひらにあたる米粒はかたく
米どうしがぶつかりあい
じゃっじゃと音をたてあう
このかたいひと粒ひと粒 ....