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風は呼ぶものではない。
風はじっと待つものだ。
あの日、
あなたは泣きながら、
私にすがりながらそう言っていた。
娘である私の拳は震えていた。
握りしめた拳は赤く腫れ上がり
皮が剥け ....
風が吹いてる風が吹いている
根を失えば失う程
その獰猛な冷たさに気付く
自らが自らに呼び込んだ試練だ同伴者だ
風は吹いてる風は吹いている
全ての在るモノに
それぞれの風が吹き付 ....
私は池袋のドンキで
友人と会うその前に 私は
私の好きな日の光を浴びていた
色々な人が座り込んでいた 日の光
行き場を無くしたような 人々
日本人だろうか そんな姿だった
日の光の中でカロ ....
玉ねぎを包丁で切ると目がしみる
時計の針の音を聞きながらカレーを作る
作り終えて コップにお酒を入れ飲む
子供の頃から読んでる漫画を読みながら
昔は使っていたけれど
今は使わない文房具が ....
気持ちの整理がつかない
ふつつかな子どもは今、いくつかな
もう気づくかな、ここに生きている価値を
蟻と平行線を続けてく
キリギリスには追いつけず
一心不乱に取り乱す
生きて行く道はオリジナ ....
私は一篇の詩になりたい
それはたとえば路傍の風景
私は何も語りたくない
私としてのさびしさなど
私は私でありたくない
私にとって 私でありたい
私にどうして姿があるのか
多分 ....
数えているのは何?
そうやっていつまでも頭の中にいるのね
皮算用をして準備したことも
夢の泡沫に消える
選んだのは誰
選んだのは何
まるの形をしているのは
八の数字でも
六の数字で ....
掻き鳴らしたギター
空間に木霊した
演奏後の虚無
薄暗いジャズバーで
明日を語る
日付の感覚も無いまま
生きている感覚のみで
ベースの歪みが大きくなり
建物が共振する
心地よ ....
初夢はどんな夢を見ましたか
すべての夢は もろ刃のつるぎ
かざして何を想いましょうや
松飾をつけた車が 走っていた
正月だというのに梅が咲いている不思議な一日
うつくしさを か ....
ひとを見て
ひとに触れて
ひとと関わって
ひとから聞いて
そう(理想)なりたい自分や
そう(願望)なれない自分が
顕れて
それはまるで物語のようだ
....
私のメガネのレンズは いつも薄汚れて 曇っている
ポケットに入れた手が掴んでいる しわくちゃのハンカチでも
はーっと息をかければ 少しは明るくなるのに
足元は
山深い森の落ち葉
深 ....
姫様
こんな朝には目をつむり
芯部の痛みをやわらげるのです
色無き人々の圧迫などには
目も向けず
想うのです
ぼくを
スノーホワイト
赤い果実はあなたの芯部で
いかなる毒をしみ出 ....
…屋根から滴り落ちる水滴を見つめて
少しだけ ほんの少しだけ
水の音に耳を澄ませたい
鯉の泳いでいる 石に囲まれた
あの光景を思い出すから
かつての敗者だった僕に
送り届ける安らぎ ....
雑踏をかき分けながら
正午の鐘が鳴る
おなかも鳴れば
そこは立ち食い蕎麦屋
千円札を差し込み
天玉そばの食券がポロリと落ちてくる
ジャラジャラとおつりの音
男たちの背中をかきわけ
....
蒼い夜底の真ん中
白壁の沈黙、ふと絶え
薄い格子戸開ける女の白手
手招き三度、ゆらゆら揺れる
傷だらけの幼子の抱擁
骨組み晒し、癒されぬまま
格子戸の向こうに開ける界
二体の ....
あぁ 想像の域をこえないで
6畳間に敷かれた闇を揺らしていく
胸を突く思いが漏れて 光になる
輪郭を探るように触れる 常に僕らは 泳いでいる回遊魚
忘れたはずの傷み抉り出して キスをし ....
やい、てめえ
俺が
イケメンゴリラに似てるって
誉め言葉なのか?おお?
ことと次第によっちゃ
おまえの顔面
ドラミングするぞ!
無知のまま、知ろうともないで、
ぐりぐりと孔をまさぐるあなたは、
ややもするれば悪になってしまう。
あなたという私の憎悪を、
優しく抱きしめる、
あなたの腕が皮肉にあたたかい。
私はその腕 ....
160109
カードをかざしてください
ドアは開いて中に入れます
マイナンバーカードをかざすのだ
持参しなかった方は
残念ながら、お入りになれませんので
至急カー ....
林檎の甘酸っぱい匂い
鼻腔いっぱい広がる広がる
一日中肉引き裂かれる激痛と闘い
夜に進んで解放され
冷水求め冷蔵庫開ければ
懐かしい匂い 君の匂い
君はいつも
なぜか仄かに林檎の匂 ....
鋼鉄の 咆哮が
また 赤い花を咲かせている
手の中に現れる 醜い神の力
確実に人々を滅ぼすために
恐怖から 己を救うために
自分しか見えない 悪と正義
自分だけの恐怖を 覆い隠 ....
ミルフィーユ仕立て高層マンション
晴れとも曇りともつかない冬ぞらに
めりこんだ白い実体は陽炎にゆれて
二十年前には無く二百年後にも無い
むすう むすうのカゾクが
....
広場の木立ちが さけんでいる
黒い北風の渦まくなかには
行くなゆくな と
両手を振って
だが・・・・ ....
晴れた日に
( )を捨てる それは
たったひとりだけで行う儀式のように
もう一度愛してから、という未練は
明るい光が消してくれる
洗いたての
( )を捨てる それが
慣れ親しんだ ....
家の周りには
好きな場所がある
綺麗な公園
お洒落なカフェ
景色の良い高台
好きな場所に囲まれて
好きなように生活する
好きな人
好きな仲間
支え合って生きている
....
冬になるたびに訪れる山荘のウッドデッキに霜がおりている。
木のテーブルを挟んで二脚の籐椅子が向かい合っている。
一方に腰かけている麦わら帽子はきっと誰かの忘れ物。
もう一方に腰かけた ....
木枯らしが吹くビルの下で
私は一人佇む。
北風が、
繊維の隙間をすり抜けて、
肌に差し込む。
私は皮膚という皮膚の
口を大きく開けて、
舌に降り注ぐ血のぬくもりを抱きしめる。
あ ....
可能な限り赤い空に
ぼくらがおもう神様がいた
ライトバンが光を揺らして
とぼとぼとぼとぼ道を行く
いき違いばかりの愛しさが
まかり通ってからから言う
からからか ....
人は生まれて死んでゆく
あたりまえといえば
なるほど あたりまえ
太陽が昇れば起きて
陽が沈めば眠りにつく
ただ、そこに記憶があるだけで
生死もあまり変わらないのだろうと思う
....
空腹の信号を発した本能を
強引にねじ伏せて
液体と煙で生きてみる
「仙人みたいだね」
そう笑う君の顔色は青白い
いつだったか
そう 生まれる前
僕たちに羽があった頃
大陸が呼吸して ....
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