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”深淵を覗き込む者を深淵は覗き返す“ニーチェ
夜陰、
白い音響 広がる
水底の 深淵さらに
蠢き渦巻き破壊サレテイク
知覚感覚像、像という像
砕かれ粉砕され有機は無機へ
粉砕 ....
―世の中のすべてには名前がある
昨日気まぐれにお前を拾った
間に合わせの鉢の中で
少しだけ弱弱しく萎れていたが
水を与えてやると
翌日には小さな白い花を咲かせていた
....
151219
金平糖と言えば、過労詩の世界の住人だねえ
詩なんて言葉を詩に記せば白けるということぐらいは
ご存じでしょう
無彩色透明のシロップを掛けて何十時間 ....
自称詩人のレモン好きは
枚挙にいとまがないが
一方で屁については
殆どガン無視を決め込んでいる
だからと言って
自称詩人のケツから
レモンの香りがする訳ではなく
寧ろ逆にレモン好きな自称 ....
私の机上で白バラが咲いている。
窓の外では白い雪が降る。
壁に掛かる絵画には白鷺が息づいている。
この世は白いと初めて感じる。
透明だと感じていたものが全て白になる。
娘 ....
風にゆれる暖簾をくぐれば
そこにお前がいた
退屈そうに
新聞を開いたお前は
俺をみてただ頷く
斜め前の席に座り
婆様が注文を聴きにくる
戸惑いながら
カレーうどん
今日の ....
何代も受け継がれたレコードプレイヤーからのノイズが心地良い。
今夜はクラシックでもジャズでもない。
忘れ去られようとしている昔のレゲエのレコードが深く響く。
今夜私は二十年前にタイム ....
公園の銀杏も散ってしまい
樹々の枝だけが
空を刺している
広場のベンチの陽だまりに
うたたねしているお爺さんの
寝息はとても安らかで
ぼくも欠伸をしたくなった
冬の情景はブリュー ....
救済するために、
骨を食いちぎらなくてはならない。
救済するために、
歯をもぎとらなくてはならない。
救済するために、
皮膚を剥きとらなくてはならない。
救済するために、
肉をかみちぎら ....
部屋には楽器
戸棚に食器
心に故郷
晴れ時々猫
一生の中の一日
異教徒みたいに迷い
信者のように眠る
湖のある街で
坂の多い街で
そして
思いがけない知らせ
一生の中の ....
ひとときのやすらぎ
おとなえば、一人の女人ありて
吾ら夫婦温かくもてなす
いつも、折にふれ
訪ねゆきて慰めらる
自動車の事故も
息子のふしまつも
その方の温情に、慰めらる
今日 ....
余命と寿命のあいだを
日々往復している
卒寿となったおひとりさま
にとって
それはありがたいことなのだ
往復切符の
砂時 ....
「死ぬために生きる
それだったら もう少し
生き続けられるかもしれない…」
となりに乗り込んだ ピンクのかたまりが
内部分裂 暴発を くりかえしているのにも気づかず
ほ ....
陽が昇るのを待って 僕らはあてもなく電車に乗った
まだ人気はなく静かで ただやわらかい朝陽だけが車内を包み込んでいた
僕らは互いに黙って 流れていく景色を呆然と眺めていた
この景色の中に ....
宇宙の底から重力が持ち上がる
月は半身の影武者
その肩が抱く光を受けて
私達は夜の深淵を歩くことが出来る
亀裂を伴った果実は秘匿を香らせ
罪の熟成を誘う
勝ち得た絆は
染まらない無垢 ....
純白の音響
広がり続ける 水底の
更なる深淵
蠢き渦巻く粉砕 無機
あなたの大きく開いた口が、
ちいさな海を吸い込んでいく。
あなたの脳裏を走る列車が、
いくつもの駅を追い越していく。
駅には、
誰もいない人で、
あふれている。
あなたは、
誰もいない ....
昔ながらの中華そばは
最近あまり見なくて少し寂しいのだ
魚介豚骨は頼もしく
心に勇気を与えてくれる
横浜家系にタマネギとニンニクを
たっぷり入れると
客先訪問は不可能になる
少し ....
鴉の声が窓ガラスをすり抜け
ベッドに潜り込んでくる
戸外では新しい世界が始まったらしい
部屋の中には
昨夜
掘り返した青春が
アルコールに萎えて床に散らばり
描き上げた明る ....
眼が在り眼と映り凝視し続ける眼に
昔の戦場の消えない殺し合いか今の子供らの激しい絡み合いか
展開される焼き付けられるその恐怖
草むらの草熱れも左足にぐるぐる巻かれた包帯の中で腐乱していく肉も置き ....
踏み荒らし
老いた敗残兵の話を聞いてくれ
君よ
剣の川を泳いで渡れるか
しょせん一発の弾丸
マグネシウムのように命を燃やし
かっ と光っては消える若さよ
....
あなたは今、
いろいろなことばの海を
旅したいと思っている。
そこには淡い色の薔薇の花束のブーケだったり、
あたたかな木のぬくもりの漂うキッチンだったり、
そんな風景が香ることばを探している ....
スイッチだ日常の点けて弄ぶ消しても眠らない
壁を這いまわる夜にふやけた未発声の《》は過呼吸のまま乳房を求め
夏の光に目隠しされた幼い逢引と声の影法師
皮膚下の水脈を辿る山椒魚のふるえ蔓草が覆う戦 ....
パチンパチンと音がする
シュンシュン シュンシュン、音 響く
半端な冬の夜半過ぎ
黒ずみ弾ける二股鞘と
剥き出される真っ赤な種子
街灯に照らされアトランダムに
蒼い地面に撒き散らされ
....
壁の向こうで
雨が歌う
今夜
雨は涙とちかしく壁に染み入る優しさで
噂の流星はみえずじまい
空のステージに
始まるはずだった
ピアノに向かって
私のためにとは
言わないけれど ....
苦しみは夜のネオンに芽生え
朝の日常に消える
そうして透明な世界は回ることができる
迷いは夜の闇に映えて
朝の陽光に存在を消す
そうして各々の生活が回り始めることができる
一人の人 ....
空蝉がしがみついていた 葉は紅く
翔び立った鳥の羽風に ゆらりと落ちた
机に頬杖をついて 知らない間に眠っていた
痺れた腕は きみの髪の感触を覚えている
川に落ちたもみじ葉の 流 ....
151215
ここの盛りそばはそばの材料は良いんだけど、打ちが悪いね・・、それにこのつゆは出来合いじゃないか、溺愛する者どおしがひそひそと不満をぶつける
その不満が ....
眩しさを思い返す
ルミナリエ
太陽が出ている時の
骨組みだけの状態
緻密で綺麗だった
静かに光を浴びていた
気が付いたら目を閉じて
手を合わせて祈っていた
....
スタッ スタッ スタッ
大きな白いイキモノが用水路を移動して来る。
僕は思わず沿いの遊歩道に立ち止まる。
スタッ スタッ スタッ
水かさは30㎝程、幅約1mの用水路を、そのイキモノ ....
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