不自然。
  風吹かず、散る、
  人格、人情、人間性。僕、僕、
  ぼくは散る。
  句読点。ぼくはオノマトペ、
  ぼくは感嘆符、感動詞、畢竟、雑音。
  プラスチック ....
  ゆれる
  歩道橋で
  ぼくのからだは
  空を見あげた



  光の
  ふやけたところから
  いまにも
  だれかが降りてきそうだよ



  ち ....
 1.花畑に咲く

{引用=もう朝は終わってしまった
ちいさな女の子の
やわらかな手のうえで



朝は終わってしまった
だれかの罪が
ぼくの眠りを食んで
プランターの中で育って ....
  八月の市営プールが君のノスタルジア。
  脚立みたいな正体不明の監視装置に鎮座する五十格好、
  主婦を悩ます排水溝のぬめりに近似したプールサイド、
  二十五メートルを往復している小型 ....
  学校帰りの
  黄色い子どもたちが
  葉桜の大きな
  大きな陰をこえると
  もう
  すっかり
  おとなになってしまった
  二の腕の筋肉に
  冷めた太陽が埋まって



  関節の辺で
  言葉が
  ふつふつ粟立った



  いきたいいきたくない
  しにたいしにたくない
  ....
  みじかい夕立が降って、
  シャッターのおりた中華屋の
  軒下にかくれた。
  けれども
  何事もなかったように
  傘をささないひとびとが、
  ぼくを嗤って過ぎて行 ....
  とうめいな言葉は
  とうめいな場所にたどり着く
  ぼくの言葉はぼくに
  あなたの言葉はあなたに向かう



  自殺者の言葉は
  ひえたアスファルトに砕け
  預 ....
  きみの部屋は
  病室のような匂いがした
  八月も十二月も
  おなじような匂いがした
  気の遠くなるほどたくさんの
  交わりの匂いがした
  病室の匂いがした
  だ ....
  ひからびた
  老いた女の体を抱いた
  そのいのちは
  すっぱい匂いがした



  新聞紙をまるめたような
  ちいさなかたまりを
  ぼくはしばらく
  もて余 ....
  最後の夏。
  ぼくの皮膚の裏を焼く
  最後の夏??
  ぼくは生きようともがいている
  最後の夏!!!
  ぬかるみのなかを背泳ぎで行く…………



  ぼくはも ....
  ぼくはいつか、
  ひとを殺すだろう。
  五月の雨のざぶざぶ降る、
  世界の中心で。



  かなしくて、
  くやしくて、
  憎しみのようにふくらんだ
  き ....
  とおい七月の或る日、
  失踪してしまったひとがいる。
  ぼくの知らない
  東京の女の子。もしかしたら、
  新聞で読んだことがあるかもしれない。



  漫画を読んでい ....
  五月の駅のプラットホームで
  ぼくは考える
  ひとはなぜ
  自殺をするのだろう?



  去年の五月
  止まりっぱなしの西武線を
  ぼくは覚えている
  そ ....
 前から五列目が空席だったから、
 ネームレスマンがそこに座った。
 彼女の膝の上で猫が寝ていたから、
 ネームレスマンがそのうえに座った。
 冷蔵庫でネギが腐っていたから、
 ネー ....
  ぎらぎらの夏の果汁を飲み干してゆく君の喉が
  自動機械のように凹んだり膨らんだりするのを
  世界が終わってまた始まるときまで見ていたい
  すべての鳥の羽を一枚ずつもぎとって ....
 ジャジーでブルージーでポップで
 アーバンな朝だ
 僕はリズミカルに食パンを齧り
 ナーヴァスな街の姿を夢想している



 小学校の門のそばには
 積み上げられた言葉の三メ ....
  しらふでいるうちに聞いておきたいことが
  一つや二つ、あった気がするのに
  氷の溶ける音が小賢しく
  かたちあるドラマへと手招きをしたから
  大人しく僕は身を委ねて
 ....
 水曜の午後、学校をさぼって
 僕は君に会いに行った
 西武線の黄色い電車に乗って
 買ったばかりのヘッドフォンの内側で
 ポール・マッカートニーは叫んでた
 Maybe I’m a ....
  冬の夜道に
  息を殺して
  息づく
  痩せた空気
  その感触は覚えている
  街灯は僕の
  視界のずっと先で途切れ
  でもそこからも
  きっと続いている
  ....
  レモンドロップと
  夜の闇
  そこを裂いてゆく
  クラリネットの高い響き
  五線譜がからまったような
  電線の群れを越えて
  かぐわしい音色
  跳躍し
  飛 ....
 寒くて
 指の先まで届きそうな
 死に向かう冷気
 それはそれで
 兎角寒くて……
 やらなければならないことは
 3枚の毛布を体から引き剥がし
 1枚のシャツと1枚のタートル ....
  /こほん。こほん。マイクチェック
   マイクチェック。本日は晴天……にあらず、
   本日は晴天にあらず
   音量、問題なし
   内容には問題はありますが
   マイクチェ ....
 ?.徹底的に磨きぬかれた散文のような絶望

   /徹底的に磨きぬかれた散文のように絶望が
    この世の輝きを蹂躙し、闇を敷き詰めていった。
    ぼくは部屋の中から黙ってそれを見てい ....
  あの日
  僕は近所の土手に立って
  透きとおる川の流れを
  じっとながめていた
  あの日
  それは午後二時ぐらいだった
  昼過ぎの太陽の
  どうしようもない明る ....
 


  だれもいない部屋は/仔犬のように眠っている



  机上の日めくりカレンダー/無数の架空の幾何学模様



  夏の午後の光と影に/わすれられた時がにおう


 ....
 

  テーブルのうえに
  置いた世界から
  悲しみはあふれて
  ひっそりと暮れていった
  それはどこか
  幼い娘の
  手のひらの匂いがした



  いつのまに ....
{引用=殺風景。つめたい椅子のような
 冬が。ぼくの骨をつかんでいる
  夜は。まばたきをくりかえしている
   枯れた此処に在るのはさ。枯れた現在
    なんでもない路上で生きて。死んでゆ ....
  ちいさな
  足跡が
  ひとつ、
  ふたつ、
  みっつ、
  よっつ、
  いつつ、
  むっつ、
  ななつ、
  やっつ、
  ここのつ、
  続くつづく
 ....
  どこか遠くで朝が鳴らされ
  どこか向こう側でカーテンが開けられ



  窓枠の内側で
  いくつもの頽廃が木枯らしに舞う



  部屋
  ありとあらゆる醜 ....
草野春心(1124)
タイトル カテゴリ Point 日付
部屋自由詩010/6/14 1:34
白い空自由詩310/6/11 2:39
ゲルニカ[group]自由詩310/6/8 14:49
ノスタルジア[group]自由詩210/6/6 14:04
日陰[group]自由詩310/6/3 14:07
冷房症[group]自由詩2*10/6/2 22:01
雨やどり自由詩010/6/1 23:09
なまえのない言葉自由詩210/5/28 9:40
分娩室自由詩210/5/26 19:20
乾き自由詩110/5/25 15:37
キコエル、キコエル?[group]自由詩110/5/25 9:44
自由詩310/5/24 10:48
七月自由詩010/5/17 10:13
プラットホーム自由詩110/5/15 15:45
ネームレスマン自由詩010/4/12 1:57
天国とオレンジジュース[group]自由詩210/4/6 16:52
推敲自由詩010/3/1 11:40
長い伝言自由詩010/2/26 11:44
君を愛している自由詩009/12/20 0:45
即興09/12/18自由詩4*09/12/18 22:42
即興09/12/11自由詩109/12/12 10:00
焚き火がしたかっただけなのに自由詩009/12/11 18:49
FROM ME TO HUMAN BEINGS(1-1)自由詩109/11/30 15:04
まるで神様のような今日の夕暮れ自由詩2*09/11/28 12:35
あの日自由詩109/11/27 13:20
だれもいない部屋自由詩209/11/25 15:48
テーブル自由詩1*09/11/24 17:56
自由詩209/11/24 2:58
スナノユメ自由詩109/11/15 14:00
腹の上の灰皿自由詩109/11/14 0:52

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