春の
  壜に
  沈澱した
  メトロノーム



  歌は
  亡い
  右往と左往
  ちくたくたく
  まんまるい
  月の照る夜に
  凍てた川を跨ぎ
  去ってしまった者へ



  まんまるい
  陽の照る朝に
  そこらじゅうの鏡に
  閉ざされた思いへ



 ....
  にんげんひとり
  にんげんひとり
  よかったね
  おそろいだね



  おとこがひとり
  おんながひとり
  かなしいね
  ふぞろいだね



   ....
  おりてくる歌がある
  そっと
  糸が垂れるようにして
  卵を割ってるときなどに



  ひねりだす歌がある
  ぎゅっと
  譜面に手をつっこんで
  赤子を堕 ....
1.詩人

  一人の詩人は
  自らの詩をオルゴールに閉まった
  そして時々、宝石が
  散りばめられた蓋を開ける
  身分証明が必要なときや
  金に困ったとき


 ....
  おなじ手
  きみが
  仔犬をなでた手
  大根をきざむ手
  ぼくを
  柔かくつつむ手
  おなじ手



  おなじ手
  かなしみに
  涙をぬぐった手
 ....
  たばこのけむり
  あいまいのなか
  そっと
  てをふるもの
  ひかり



  ふりつもるゆき
  とうめいなゆき
  ぼくを
  ふちどるもの
  ひかり ....
  短くなった
  夜をうち捨て
  靴の裏で
  光をつぶした



  だれでも
  知っている
  夜の次は
  朝だ



  そして立ち昇る
  あいま ....
  光が
  目蓋を開き



  じっと
  私は視られていた



  世界に
  回想されていた
  なんだかなあ
  が、
  白い布にしみて
  たやすく
  夜



  かなわんなあ
  って、
  放りなげたこと
  ひるがえって
  雨



  ....
  あのさ。
  なんもなんないよ
  首つったって
  リスト切ったってなんも



  あのさ。
  敬ってみなよ
  盗人を
  そこらのホームレスを



 ....
  夕日なんて見たくない
  きみは言う
  紅く
  どこまでも紅く
  終わってゆくものなんて



  透明になんてなりたくない
  ぼくは思う
  歓びは
  柔らか ....
  春光に
  匂う
  息をつめ
  畦道をゆく



  (ただのいきもの
  (ただのいきもの。ここでは。



  匂う
  緑、
  汗、
  夢が
 ....
  きみと歩く
  この細い並木道



  きみが
  春風だから
  ぼくは飛んでゆくよ



  くだらない
  愛の歌だけ詰めた
  おなかをかかえて笑うよ
 ....
  疲れたら
  もう
  眠ったらいい
  重い荷物を
  置いてくればいい
  うす明るい
  夢の中に



  行こう
  夢の中に
  沈めてしまおう
   ....
  笑っているの
  泣いているの
  わからないよ
  手紙をかくよ

{引用= (雨が
 (雨で
 (雨に
 (雨を}


  立っているの
  震えているの
  声にだ ....
  見知らぬ誰かの刃を使って
  見知らぬ誰かを傷つける



  それは強さではない
  邪悪とも言ってやれない
  阿呆というのだ



  自分自身の刃というものは ....
  うつむけば、
  いびつな砂利道。
  ぼくは陽を背負う
  ぼくは染みてゆく影



  見あげれば、
  ゆらめく電線。
  ぼくは見つめる
  ぼくは透明なひとみ ....
  指きりをしよう
  サクマ式ドロップみたいな
  とりどりのたわごとが
  嘘にならないよう



  指きりをしよう
  またねという言葉で紡いだ
  ほそくつづく糸が ....
  在ったもの、
  在ったこと。



  窓のむこう、
  ふかく呼吸している、
  世界へと笑うこと。それが
  ただひとつの望みだった、
  きみと会って。



 ....
  休みたいので
  コンビニの店員に
  すいません
  枕とベッド売ってませんか
  って聞いたら
  申し訳ありませんが品切れです
  だと



  ふんわりしたいので ....
  くちびるを貸してください
  そらの絵を描いてあげる
  そらは
  すべての言葉がひびくところ



  心臓を貸してください
  そらの絵を描いてあげる
  そらは
 ....
  きみの
  左の胸に
  腕を差しこみ
  ゆっくり引きだすと
  手のひらで
  金魚がぴちゃぴちゃ跳ねていた



  鉢も
  水もないので
  戻そうとしたけ ....
  舌からしたたる
  きみの言葉は
  詩なんかじゃなく
  まして
  思弁なんかでもなく



  おいしいね、とか
  しあわせよ、とか
  がんばろう、とか


 ....
  優しい目で
  どこまでも
  温かく深いもので
  きみは撫でる
  残酷さや
  死のもつ暗闇さえ



  あるいは鋭い目で
  銃弾のように
  まっすぐ届いてゆ ....
  まがいものに
  きみは
  こころほれて



  まがいものに
  きみは
  いやいやをして



  だけど、きいて。
  しんじるということは
  う ....
  もしもし、
  春になって
  やさしい色の花で
  世界は染まっていったよ
  せつないときには泣いてもいいかい



  もしもし、
  なんとなく今朝
  中川家の漫才を ....
三月十二日の話をする。
三月十二日、東京は晴天であった。青く澄み、雲ひとつなかった。
確かその日は、原宿のあたりをブラブラとしていたのを憶えている。
日本人も外国人も、いっしょくたに暢気に笑って ....
  軽蔑されたことのないひとは
  ぼくが軽蔑してやる
  殴られたことのないひとは
  ぼくが殴ってやる



  傷つくことに慣れたというなら
  死んでみな
  心をつぶして平 ....
  泣かせたこと
  約束をやぶったこと
  言うべきではないのに
  言ってしまったこと



  恥じていた自分は
  ずっしりとおもたくて
  夜ごとに
  沈んでし ....
草野春心(1124)
タイトル カテゴリ Point 日付
メトロノーム[group]自由詩611/5/8 0:18
まんまる自由詩8*11/5/6 21:21
ただひとつ[group]自由詩7*11/5/5 22:53
自由詩3+*11/5/5 9:35
自由詩4*11/5/4 20:07
おなじ手自由詩3*11/5/4 10:01
ひびき自由詩411/5/3 10:09
自由詩311/5/3 9:54
既視[group]自由詩2*11/5/2 14:24
ブルース自由詩2*11/5/1 14:32
歳をとろう自由詩2*11/5/1 14:28
夕日日和自由詩3*11/4/30 16:14
畦道自由詩5*11/4/30 0:30
並木道自由詩511/4/29 0:45
夢の中自由詩611/4/27 19:40
あまね自由詩111/4/26 18:50
自由詩6*11/4/25 19:35
つつみ自由詩5*11/4/24 21:00
指きり自由詩7*11/4/22 15:57
在ったもの、在ったこと自由詩3*11/4/21 7:24
売買自由詩7*11/4/20 0:16
そらの絵自由詩211/4/19 9:04
金魚[group]自由詩3*11/4/18 10:04
自由詩4*11/4/17 9:37
自由詩4*11/4/16 10:15
まがいもの自由詩4*11/4/15 8:50
坂の途中自由詩411/4/14 18:19
三月十二日の話をする。散文(批評 ...3*11/4/13 21:02
軽蔑自由詩2*11/4/13 18:16
ゆるす[group]自由詩111/4/13 18:12

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