コンビニ前の
  喫煙所で
  マイルドセブンを吸う
  雨がふっている
  さっきまで
  ついさっきまで
  ここには猫がいた
  片耳の潰れた
  グレーの猫
   ....
  そんなに簡単に
  悲しむなんて
  駄目だよ
  ぼくが許さない



  レモネードがはじける
  モリッシーが嗤う
  あまりに
  ぶきような
  きょうの日 ....
  脚だけのマネキンは
  切断したものの
  憎しみが
  のこされていないので
  嫌いです



  夢のなかで
  腕だけのマネキンが
  滑らかな五指のはやさで
 ....
  (嘘つき)



  と
  だれかに言われ
  ぼくは
  眼を醒ました
  八月の
  朝、はやく
  遠くから
  なにか
  まぶしいものの流れが
  こ ....
  約束なら
  平気でそむいてきたし
  きみの愛も
  ぼくは貶めてきた



  それは今更、
  謝るつもりもない
  反省もしないけれど



  詩
  ....
  はてしない夢をこえて
  この胸にまだ残っている



  昨夜の
  君のささやきが
  今朝、僕の
  ちいさな力に変わる



  心も
  川の流れも
 ....
{引用=  ある日
  ひとつの
  比喩が語られ
  取り戻せない距離を
  旅立ち
  細長く
  何処までも
  鏡として連なり
  映し
  流れ
  響き
   ....
  ならなかった
  なれなかった
  こんなふうには



  きみは
  なかなかった
  なけなかった
  こんなふうには



  ぼくが
  もっと
  ....
  嬉しいときは
  笑うことしかできない
  わたしは凡才なので
  トイレットペーパーがきれたとき
  からからという音がしても
  それ以上なにも感じない



  悲 ....
  かってに
  時間をとめて
  うごかないものたちの
  うごかない肌のうえをなぞる



  あなたの詩ってそういう感じよね
  と
  彼女は言い、
  かぶってい ....
  今年の夏は暑い
  一つだけ
  君に言っておきたい
  この世で最も静かなものは
  薬缶だと思う
  動物園で
  きみは言った
  しあわせならそれでいいと



  ライオンはライオンの檻
  シマウマはシマウマの柵
  帽子をかぶった飼育員が
  かれらに餌をやる
 ....
  僕たちは、
  同情で。



  僕たちは、
  どこまでも
  青く、
  青く、
  終わっているだけな。
  ダンボール詰めの、
  ぎゅうぎゅうの果実みたい ....
{引用=   煙は夜通し立ち昇っていたが、朝が来ると流れ
  去っていった。山火事。草木は焦げ、稲穂の色。
  焼死体を、鴉の声が埋葬してゆく。一つ一つ、一
  つ一つ。雪を雪が追う。視 ....
  食べることは生きること
  書くことも生きること
  そりゃあ、
  なんだってそうだけど。



  語りあうことに望んだり
  抱きあうことにも望んだり
  どっか、 ....
  いいよ
  枯れるくらい
  たくさん話したし



  いいよ
  もう、涙が
  こぼれなくなるくらい
  たくさん笑ったし



  疲れたし
  決めら ....
  わたしの部屋の
  わたしのベッドで
  わたしが眠っている
  だから
  何の問題もない
  ひとつの矛盾もない



  鍵を開けて
  知らないひとが入ってくる ....
  西向きの窓から
  斜光が射す



  食器が並べられ
  煙草に火が点けられ
  いくつかの詩が書かれ



  最後に僕が
  玄関から入ってくる


 ....
  言いたかったのですか
  ほんとうに
  どうしても
  そんなにきつく
  血がでるくらいきつく
  くちびるを噛みしめてまで



  ほんとうに言いたかったのですか ....
  奪いたかったのは
  肉体ではなかった
  きみの内側にひそむ
  薄暗く丸いものでもなかった



  それは概念だった
  女だった
  ぼくが
  命をかけて奪い ....
  君にむけて
  風のなかで
  話したいことは
  いつのまにか



  感じすぎて
  日々のなかで
  忘れたいことも
  いつのまにか



  今、
 ....
  愛ゆえに
  別れませんか
  あなたは西
  わたしは東へ踏み出し
  ぐるりと旅に出ませんか



  愛ゆえに
  別れませんか
  あなたはチベットで詩を書き
 ....
  みんな寝てしまった
  ここは薄暗い
  煙草の匂いが残っている



  三つの茶碗が
  シンクで黙っている
  ここは薄暗い
  ぼくは誰だろう



   ....
{引用=  (くらげ)
  湖を深みから引き裂く、かなしむことの発光。



  (ねむり)
  音へと落下する胡桃へ
  と落下する井戸へと落
  下する空へと落下する
  ....
  夏のむこう、
  あの入道雲のあたりに



  ひとつくらい、
  ふたつくらい、
  みっつくらい、
  言いそびれてしまったことが
  あの入道雲のあたりに

 ....
  ゆうぐれのいろを
  おしえてあげたいけれど



  かすかなひびきでさえ
  てのひらにつつんで
  あなたにあげたいけれど
    


  ふれることから
 ....
  君に
  言いたいことがあったけれど
  誰かが言ってしまったから



  もう何もない
  日が翳る
  電車が騒ぐ
  来なければよかった
{引用=   夏祭りは静かなの。太鼓と囃子と人の声とで、耳
  には暑い夜がぎゅうぎゅうと詰まっている。唇の動
  きが形づくる。視線だけが傷をつける。夏祭りは映
  像的ね。あなたの心 ....
  きょう、一日
  ジャンプを読んでいただけだった
  雨が降っていたし
  だれかに会いたくなかったし



  馬鹿みたいだ
  本棚の辞書をひけば
  こんなにも近い ....
  まず一人が吟味し
  一人が定義し
  それから一人が名を付け
  最後に一人が宣言した
  そのようにして
  すべてが台無しになってしまった場所で
  扇風機が回っていた
 ....
草野春心(1124)
タイトル カテゴリ Point 日付
コンビニ前自由詩4*11/8/25 20:00
レモネード自由詩10*11/8/25 7:48
マネキン自由詩2*11/8/24 14:03
まぶしいものの流れが自由詩5*11/8/23 19:17
詩を書くこと自由詩1*11/8/23 9:19
ささやき[group]自由詩4*11/8/22 8:01
水へのコラージュ[group]自由詩6*11/8/21 11:59
こんなふうには自由詩3*11/8/20 21:02
凡才自由詩4+*11/8/20 11:53
彼女が言ったこと自由詩3*11/8/19 17:28
薬缶[group]自由詩4*11/8/18 19:48
メナジェリー自由詩15*11/8/17 17:54
同情で自由詩611/8/17 8:57
光へのコラージュ[group]自由詩411/8/16 11:43
コメディ自由詩4*11/8/15 18:52
いいよ自由詩6*11/8/14 23:06
安寧[group]自由詩3*11/8/13 9:22
斜光[group]自由詩11*11/8/12 18:45
くちびる自由詩4*11/8/12 13:03
奪いたかったのは自由詩3*11/8/11 18:27
いつのまにか自由詩2*11/8/11 8:14
愛ゆえに自由詩2*11/8/10 19:43
吸殻[group]自由詩2*11/8/10 9:36
闇へのコラージュ[group]自由詩1*11/8/9 8:30
夏休み自由詩6*11/8/8 19:25
あなた自由詩411/8/7 17:35
翳り自由詩511/8/7 9:17
顔へのコラージュ[group]自由詩4*11/8/6 9:46
勇気自由詩111/8/6 8:07
台無し自由詩111/8/5 9:31

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