歩いてみようと思ったんだ……



  朝、
  ドア開けた。
  心、まぶしくて。
  大げさなことかな?



  ほら、街、
  眠たい目をしてさ。
  い ....
  僕の右手が、
  僕の右ポッケ、
  まさぐって、
  10円玉ひとつ。



  目には映らない。
  皮膚にはふれている。
  そんな裏表も、
  あるもんだねぇ。 ....
  彼女が笑う顔は
  内緒話みたいで、
  ……嫌いだ。



  歪んでみな。
  切って、
  ひらいてみな。
  売り言葉、買い言葉、
  返り血も、
  ぜんぶ ....
  あふれる
  あふれてくる
  間投詞……
  それだけで
  ひとは笑っていた



  ヘッドフォンを
  外した耳に
  きこえた……
  そこかしこに
   ....
  マンホールに落っこちた右足、
  ガムのへばりついた左足。
  自分の右手と左手で、
  ジャンケンを繰り返す人たち。
 

 
  方程式の左辺と右辺、
  そのイコール ....
  夏の、
  カンセイケイ。



  できたての、
  街、足音。
  おもいつめた、
  顔、言葉、記憶、
  その気配。



  そう、
  カンセイケイ ....
{引用=君のいない教室は
死体安置所みたい}



  ほんとうは見たかった
  誰かが誰かを本気で殴るのを
  みんな自分だけを責めているなんて
  ぜったい嘘だから



 ....
  呼吸を
  水に沈めて
  言葉を
  あきらめた



  君は
  知らなかった
  僕は
  見ないふり



  苔むした
  二つの記憶
  なら ....
  君について何を知っているだろう?
  そう思ってぞっとするときがある



  僕について何を知っているだろう?
  生きているだけでは物足りないこともある



   ....
  時を
  切り刻んで
  視線を
  分割して
  その間隙に
  きみは潜りこむ



  群れを裂いて
  走ってゆく
  群れの中を
  歩いてゆく
  孤 ....
  その街につけられた百個目の名前



  暮れてゆく暮らしの中に
  現われる名もなき女神
  笑い泣く人々の叫び声が
  彼女の臓物を貪り食う



  女神は喋ら ....
  たとえば真夏の海岸で
  きみの目は水平線を映し
  螺旋状の呼吸をする
  ……たどり着けない

{引用=(あれはいつの事だっただろう
 あの記憶がきみを過去へと誘う
 だがあの場 ....
    もはや此処には
    やむことのない雨しか降らない



  きみの水晶体についた
  糸屑みたいな傷
  それは世界の
  傷だ



    もはや此処に ....
  沈黙の果てに
  静寂は
  ない
  世界と
  切り離された
  闇も光も
  届かない場所に
  それは
  あるだろう



  僕が
  望むことは
 ....
  光がきみの眼窩に指を差しいれ
  事実も嘘も一緒くたにえぐり取ってしまう
  そこに残るのが闇なのか光なのか
  きみには決してわからない



  光と闇は共に戦っているの ....
  白い砂漠にきみが一人立っていて
  目の前には無数の一人が立っていて
  言葉も無くきみを問いつめる



  詩人らしき男がきみの昨日を責め
  破れたジーンズがきみの怠惰 ....
  泣き疲れてのぞきこんだ空も雨
  たわ言が散らかった僕の部屋
  窓を叩く春の音は春のままだった
  今日は木曜日
  朝顔のツルが絡んだ夢をゴミに出さなきゃ



  手 ....
  沈黙について書きたいと小説家は思う
  即物的な生々しさでショットグラスが輝く夜
  彼はそっとキーボードを叩く



  一年前恋人に見放され
  その二ヵ月後に右足を ....
コンピュータの前に一人の男が座っている
白い髭を豊かに蓄え
禿げ上がった頭を気にしながら



彼はサイボーグの父親だ
その心の原子までズームインしてゆきたいが
サイボーグの父 ....
  怒りがきみの総てをひたすとき
  きみは一つなぎの皮膚だ
  つま先から脳天まで体を奪われ
  きみはただのペットボトルだ



  わけもなく心が震え
  泣くことさえで ....
  トマトが嫌い
  ぐちゃぐちゃした赤
  食べると涙が止まらなくなる



  ピーマンが好き
  舌の上にちいさく収まり
  生きてゆく苦味をパロディにする



  ....
  首輪のついた犬を見た
  空き地をうろうろしていた
  もどかしい草のにおいに混じって
  撒き散らされた欲望の言葉



  首輪のない犬を見た
  彼はなにかを考えてい ....
  世界にはトートロジーがあふれている



  僕が孤独を選んだ日
  君は化粧を点検していた
  他のことは知りようもない



  詩とは虚しいものだ
  哀しみは ....
  すこし寒い朝と
  すこし寒い夜と
  あなたはそれでいいと



  あなたは言うのでした
  かなしみはどこにもないと
  よろこびの逆はきっと
  いつか色あせてし ....
  電話が鳴り続けている



  僕は部屋に居ないよ



  電話が鳴り続けている



  誰も居ないよ ここには



  電話が鳴り続けている
   ....
  絵を描いているのです
  どうかそのままで



  カンバスにほとばしる赤き血潮
  香る首すじはヘリオトロープ
  比喩はありません



  詩を書いているので ....
  やさしさに躓いて
  長い冬はセーターを編む
  遠ざかる音楽に耳を澄ませば
  寒さのなかにあのひとの温もり



  息苦しさは募りゆく
  はっと目覚めるコーヒーの朝 ....
  愛さない
  好きだなんて言わない
  あなたの太い指
  ひとつひとつを手にとって



  耳たぶの裏と
  へその中に置いた口づけ
  そうやって超えてゆく
   ....
  森に歌え
  回廊に響け
  ルチウスのヴァイオリン
  少年の痛みを
  世界にはびこる欺瞞を
  ルチウスのヴァイオリン



  まちがった正しさや
  反吐をも ....
  君の身体の片隅に
  夕焼けが腰をおろすころ



  僕は心の模様をたどる
  君の存在を指でなぞる



  それは下書きのまま君にあげる
  いつまでも清書でき ....
草野春心(1124)
タイトル カテゴリ Point 日付
歩いてみようと思ったんだ自由詩408/7/24 1:35
コイン自由詩108/7/23 0:53
ひそひそ笑う人たち自由詩108/7/22 0:05
ヘッドフォン自由詩208/7/21 0:37
アルバイト自由詩308/7/20 0:13
カンセイケイ自由詩208/7/19 11:10
カレーパン自由詩008/7/7 0:02
水槽[group]自由詩3*08/7/1 23:44
月の匂い自由詩208/6/29 21:32
自由詩208/6/27 20:25
偶像自由詩208/6/13 0:53
こそあど黙示録自由詩108/6/5 10:38
不感自由詩308/6/4 9:15
静寂自由詩408/5/25 23:15
光について或いは闇について自由詩108/5/23 1:05
自由詩2*08/5/18 22:28
僕は君の中に居る自由詩0*08/5/12 8:23
「・・・」を書く自由詩2*08/5/8 16:09
サイボーグの父親自由詩208/5/3 14:24
感情自由詩208/5/2 8:24
好き嫌い自由詩308/4/12 10:53
人間自由詩108/4/5 23:55
絶望自由詩108/3/28 0:45
しあわせ[group]自由詩208/3/2 16:56
留守番電話自由詩208/3/1 9:51
ストレイ・シイプ自由詩108/2/26 9:06
セーター自由詩108/2/22 0:55
みじかい[group]自由詩308/2/13 11:37
ルチウスのヴァイオリン自由詩408/2/6 12:20
手紙自由詩308/2/5 21:19

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