ちょっとそこのお嬢さん、
  落とされましたよ、お財布を。
  ちょっとそこのお嬢さん、
  落とされましたよ、お財布を。



  スミマセン・ドウイタシマシテ
  そこから ....
 あああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああ
 さ、朝だ。



 布団の中で考えていた
 のは、昨日の ....
  秋が腐り
  実、実が
  落ちる



  雲間から
  秋の
  ほぐれた
  隙から
  実、実が
  落ち……



  土、石、
  世界は、
 ....
  

  爆音も何処か哀しかった
  ごつごつとした手のひらで
  けれど子どものように遊ぶ指で
  かれのギターは夏をいつくしんでいた



  いつかかれが詩に書いていたが
 ....
  マイナス273℃の冷凍庫に
  ぼくたちは楽園を置いてきてしまった



  昨日
  そこから一通のビデオレターが届いた
  フリーズドライされたりんごの木
  それはそ ....
  ある日
  意識の林の
  内にめざめ
  ふいに自分が
  朝を穢しているように思った
  髭をそったところで
  何になるというのか?
  家を出ると
  青い収集車が ....
  

  吊革に
  目、ぶら下げて
  朝を見ていた。



  魂になれない、命。
  レシートのように
  語らず、喋る。
  ヒトになれない、
  複数形。


 ....
  ぽつ、ぽつ、と
  雨のように降ってくる
  影、影、影……
  滲み終えれば
  夜。ではなく、
  影、影、影……
  さしのべると
  まつわりついてくる
  恐怖よ ....
  ポケットに、
  空っぽをまさぐる。
  耳をすます
  ……ふりをする。
  見つめたって、さ。
  その空は上にあって。
  その海は遥かにあって。
  ただのまなざ ....
  遠い、
  遠い稲光。
  何度も、
  何度も光。
  とりあえずは、
  世界の点滅。
  点滅、点滅、
  点滅。
  電池切れ。



  でも待っていたい ....
  季節を歌うまい
  言葉でふちどらなくても
  それは綺麗だから



  心を歌うまい
  それはひとりでにあふれて
  ひとりでに歩むから



  問いかけや ....
  洗い流された
  夏のとおり道に
  葉も、花も、ない



  君はノブを回して
  すこし、背中たしかめて
  それから去って行った



  まだ来ないで、秋 ....
  世紀末が、
  遠すぎるなら、
  自分の手で。



  揺れている、部屋。
  揺れている、ドア。
  揺れている、窓枠。
  揺れている、天井。
  揺れてい ....
  片隅に
  猫の
  死体



  ぼくの
  腸を
  固く
  重い
  瞳が
  掴む



  完全な
  体
  凍った
  時
 ....
  ピアノの雨を浴びて
  君は待っている

   冬の駅を急ぐ、
   冬の人々。
   冬の空気を吸いこんで、
   冬の顔で笑っている。



  ピアノの雨を浴 ....
  車窓……



  曇り空。
  電柱、電柱、電柱、電柱、
  マンション、マンション、
  マンション、マンション、
  凸凹のビル、山並になって……
  曇り空。
 ....
  自販機の中に眠る
  時の亡骸



  ほんとうの暗闇を
  冷蔵庫は育てている



  明かりの消えた部屋
  灯り続ける都市の意識



  心には  ....
  

  在るものを傷つけるのは
  とても容易いことだ
  だがそこに無いものを
  誰も傷つけることは出来ない
  言えるなら
  泣けるなら
  笑えるなら
  黙るなら
  やれ。



  言えるなら
  動くなら
  うずくまるなら
  生きるなら
  やれ。


 ....
  見つめている。
  青空の……
  只、
  たった一点を。



  そこから
  只、
  たった一滴の
  雨粒が
  落ちてくるのを
  見ることができたら ....
  棒立ち……
  テーブルの上に
  置かれた果物



  僕たち……
  向き合って
  世界を分担して



  静物画のように
  生きることはできない
 ....
  「懐かしい」なんて
  野暮は今さら言わないけれど



  どんな時でも仏頂面で
  懸命に君は見ていたね
  かたくなな街の横顔を



  雑居ビルの落書きも
 ....
  雨漏りのする部屋は、



  間違いも正しくて、



  いい夢は見られない、



  ただ僕の見るものが、



  ただ僕の聴くことが、


 ....
  いつも僕は鮮やかでありたいのに
  何色かの惰性を塗り替えていくだけで



  夢は楽しいものでしょうか?
  机40個ぶんの出鱈目と強がり
  夢は素敵なものでしょうか? ....
  言うなよ。
  コンビニがどうとか、
  前提がどうしたとか。
  言うなよ、もう。
  そういうの良いねって、
  なんかオトナだねって。
  言うなよ。
  捨てるように ....
  僕は、いる。
  空気を使って、
  時間を削って、
  場所をとって、
  血を飲んで、
  地を踏んで、
  君を傷つけ、
  君を救って、
  君は笑い、
  君は ....
  君の弱さに
  僕はなりたい



  呪文のように繰り返される
  「歴史」、
  「力」、
  「強さ」……
  はいはい。



  悲しみも怒りも
   ....
  つめたいものは
  夏にある



  傷つけられたもの
  貶められたもの
  苛まれたもの
  生きていたもの
  葬られたもの



  冷蔵庫を開ければ
 ....
  予定地
  なにかの



  駐車場の?
  マンションの?
  銀行の?
  予定地……



  夜 予定地に
  電気が光を落とす
  朝 予定地に
 ....
  冷蔵庫の中に
  一本だけしまってある、
  完璧な缶ビール。



  街に流し込まれた
  ゼラチン状の夏が、
  扉をくぐり抜け、
  僕の型を取る……


 ....
草野春心(1124)
タイトル カテゴリ Point 日付
スーパーカー自由詩008/11/28 21:48
朝のスキャット自由詩1+*08/11/27 23:13
果実自由詩008/11/9 15:55
物語の夏—真島昌利に自由詩1*08/10/21 18:53
凍った楽園—Thom Yorkeに自由詩1*08/10/10 17:25
収集車[group]自由詩2*08/10/9 13:29
であること自由詩008/10/8 8:15
影の肉体自由詩108/10/7 18:10
自由詩208/10/4 13:54
344m/s自由詩308/9/30 9:27
のこるもの自由詩008/9/29 14:06
夏と秋自由詩008/9/27 10:05
夜明け自由詩108/9/26 1:14
死体自由詩1*08/9/11 11:02
ピアノ自由詩208/9/9 0:35
車窓自由詩0*08/9/7 22:22
自由詩4*08/9/4 0:59
真実自由詩008/8/28 1:23
言えるなら自由詩008/8/27 10:20
奇跡[group]自由詩208/8/26 0:33
静物画のように自由詩008/8/25 0:04
街の横顔自由詩008/8/24 9:05
雨漏りのする部屋自由詩208/8/23 6:57
灰皿自由詩108/8/22 17:29
マタニティ自由詩108/8/11 0:20
イル自由詩3+08/8/9 23:14
物陰自由詩008/8/7 10:05
つめたいもの[group]自由詩2*08/7/29 9:25
予定地自由詩108/7/25 23:20
缶ビール自由詩608/7/25 0:37

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