東京は寂しい街ねと あなたは笑う
  その横で繰り返し相槌を打つ 機械が僕

{引用=(ここは陸橋の下の小さな公園で)
(ふたりだけで)}



  遠い日の忘れ物に あなたは愛お ....
  明後日は明日の明日だから
  背伸びをしたら届きそうです
  明後日は明日の明日だから
  僕はぴんと張られた弓のようです



  期待しなければ落胆もない
  でも落胆 ....
  君のことを考えた
  深緑に閉じた公園で
  蝉時雨を頭から浴びて
  僕のことを考えた
  灰色と虹色の街の中
  唄いながら歩きながら



  僕は街に「好き」と言 ....
  しんとした
  もりのおく
  ざわめいた
  ゆめのあと
  くちびるで
  きみのこえ
  ゆびさきで
  きみのこえ
  たしかめる



  たしかめる
 ....
  会えるかな
  会えないだろうな
   琥珀色のトンネルの向こう
   果物ナイフで切り裂いた光の
   向こうの・・・向こうの、そのまた向こう
   動かない青空の果てに
  ....
  薄めのカルピスに溶かした
  致死量のぼくの感傷
  ためらわず飲みほした
  ひどく暑い真夏の朝
  痛みさえ美しく
  

  めずらしく早く目覚めた僕のからだを
  新鮮な蒸し暑さがつつむ
  起き上がりカーテンを開けると
  朝焼けが感傷的に笑っている
  四階のベランダから道路を見下ろし
  高 ....
  そして季節はめぐる
  無邪気さを守り続けたまま
  僕は季節にさわる
  ちょっとだけ時が止まる



  君がいないと心は半分
  ジュースか何かを飲みたくなる
   ....
  いつか僕は死ぬ
  目を閉じても何も変わらない
  いつの日か僕は死ぬ



  眠いとき寒いとき
  弱いとき暗いとき
  明日は遠く霞んでしまって
  あなたの似姿が ....
  万華鏡の街にヒビが入って
  あっけなく砕け散るのは僕の視界だ
  その後に残るのも世界かい?



  公園のベンチにエイリアンが座っている
  その口は動いているのに閉じ ....
 ある朝Aが目覚めると、木製のテーブルの上に竹籠が置いてあり、その籠一杯に林檎の果実がどっさり詰まっていた。前の晩には何も置かれていなかった。ただ一面の空白意外には、何も。
 全体さっぱり分 ....
  金子さん
  飾りのない笑顔と言葉を
  心の部屋から追い出せないまま
  金子さん
  幼くて無様で向こう見ずな
  恋の化け物に僕を変えた



  金子さん
   ....
  夜よりも深い夜
  闇よりも暗い闇
  黒よりも黒い黒



  動き出したのは記憶
  紙袋のこすれる音がして
  ひとりの少女が立ってた



  笑いと涙を一 ....
  春に桜ほどではないが
  君の長い髪に君の白い丸顔が似合いだ
  いつか散ってしまう危うさは無いが
  熟れてゆく愉しみがある



  夏に雲ほどではないが
  君の笑う ....
  終わらない物語
  引き出しの奥の奥に
  しまったままの白い貝殻
  遠くかすかな波の声



  終わらない散歩
  夜が明けた次もまた夜
  顕微鏡でも望遠鏡でも
 ....
  月が光っています
  机の向こうに窓の向こうに
  夜の上のほうに月が
  丸い月が光っています



  こんな夜に何があれば
  CDと焼酎と紙と鉛筆
  それ以外と ....
  虚しい言葉は砕けて夕暮れ
  灰色とオレンジの世界に
  丁寧に磨かれた白い月
  僕は僕で僕を歩いている
  もうすぐそこまで来てる
  君がそこまで来ている
  自分を追い ....
  新しい服を買った
  いつものタバコを買った
  二か月分の定期券を買った
  気が狂うほど普段通りの
  おだやかな昨日だった



  僕の部屋の中には
  開けない ....
  花のおじいちゃん
  花の名前をたくさん知っていた
  手を引いて花畑に連れて行ってくれた
  花のおじいちゃん



  星のおじいちゃん
  星の名前をたくさん知ってい ....
  言葉から遠く離れた場所で
  ひっそりと暮らしたい
  すべての知識は巧妙な知ったかぶりなので
  確かに必要だけど欲しくはない
  燃えないゴミに紙一重の才能が欲しいな
  いくつ ....
  空は広いとしか言えない
  流れる時間は惜しいとしか
  どっかにあるかもしれない答を
  探そうとして……また、やめにして



  広い空の下で、流れる時間の途中で
  ....
  始まりも終わりも
  甘く溶かしてゆく
  アルコールランプほどの温度
  喜びの果てで悲しみの底で
  君はいつまでも恋のまま



  歴史は退屈なだけ
  予言も信 ....
  完璧な春の下を
  僕らはゆっくり歩いている
  見慣れたはずの駅が今
  妙によそよそしく見える
  空は青くて風も澄んでいて
  光もくっきり射している
  でも僕の体の中 ....
  灰色のゴム長靴が
  水溜りの道を一歩ずつ
  飛沫をあげながら一歩ずつ
  いつのまにか雨上がりの
  中途半端な空を中途半端に見上げる
  待ち焦がれた土曜日の朝を
  息をは ....
  あのひとは僕の日々だった



  飲みかけの牛乳パックなんか見てると
  なぜか思い出してしまう
  あのひとと話した 他愛のない未来



  使い慣れたグラスにミ ....
  ある雨の日に
  ある雨の町を歩き
  ある雨の音を聞きながら
  ある雨の匂いを嗅いだ



  吉祥寺のサンロードとか言ったっけ
  あったのは映像と音声それと自分だけで
  ....
  君が笑った
  橙色の気持ちに満たされた僕
  君が笑いやんだ
  戸の閉まる音に怯えた僕



  君が泣いた
  駆けつけて抱きしめた僕
  君が泣きやんだ
  わけも ....
  灯りを消した部屋で
  そのはじっこのベッドの上で
  ぼくは夜の底へ沈殿してゆく
  そしたらいつか夜の一部になれるかしら



  夜は全てを隠すから
  ぼくは夜の底 ....
  ちょっとした梅酒に缶焼酎
  ちょっとした高揚感
  こんな具合を ちょっとした幸福と呼べるなら
  ちょっとしたお調子者



  だが今
  厚ぼったいかなしみだけが
 ....
  静かな真昼の道端に
  ぼくは黙ってころがったまま
  小さな石ころのようです



  三月の風がやって来て
  ざわざわ気持ちをなでるのです
  ほらブランコもゆれてい ....
草野春心(1124)
タイトル カテゴリ Point 日付
東京自由詩1*07/9/10 9:17
クローバー[group]自由詩207/9/8 23:27
自由詩207/9/8 8:13
ゆれる自由詩507/9/7 17:16
幻灯機(あえるかな)自由詩307/8/2 14:26
感傷[group]自由詩407/7/9 16:14
逃げ水自由詩407/7/8 17:10
若葉[group]自由詩207/6/24 9:36
いつか自由詩407/6/23 10:59
プリズム自由詩407/6/22 0:43
新しい魂自由詩107/6/3 19:00
金子さん[group]自由詩207/5/11 0:28
とてもひどい雨だった自由詩307/5/4 18:02
約束自由詩307/4/21 10:34
夏のしずく自由詩507/4/20 0:53
月光・私・あの人自由詩407/4/15 23:34
待ち合わせ[group]自由詩807/4/12 11:09
一日のかけら自由詩307/3/30 15:59
花と星の夜に自由詩1*07/3/28 7:59
穴と手自由詩507/3/24 10:06
あたたかいこと自由詩307/3/20 12:45
恋のまま自由詩6*07/3/19 12:15
春の一歩自由詩407/2/22 0:50
君に会いに行く自由詩207/2/21 0:30
あのひと自由詩607/2/19 10:25
(ある雨の日に)自由詩007/2/17 9:26
あい自由詩307/2/16 9:19
夜の底自由詩707/2/15 1:02
世界から帰る自由詩207/2/11 12:19
石ころ自由詩507/2/7 0:51

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