透明なインクの入った透明な万年筆で透明な紙に透明なうたを私は書きたい 紫陽花が合図のように咲いていたまだあの頃は薫風の庭 ブラボーでハイフェッツから放たれてみあげた窓に朝をみつける そとは雨わたしと部屋の五月への旅を見送る欄干の音 ゆく春の後ろ姿を見送って除草告知の紙が揺れてる 縁日のひよこのピンクの無力さに寄り添えそうな耳鳴りの日日 はやくおうちに帰りましょう
と合図の童謡が鳴って
その日はじめて空は気がついてもらえる
六歳のまなざしは
あおい空には向かわなかった
夕空が少女に語るのは いつでも
あきらめる時に踏む手順 ....
旅先で立ち寄った老舗鞄店店主の指の骨の雄弁 彷徨の心が余る夜のなか自転車輪は地球を走る 指の肌膚崩れて少女冬の底床拭きながら母はまぼろし {引用=(わたしには言いたいことって一つしかなかった)}

全てであって唯一であって
たとえて神さま宛ての一度きりの手紙だとして だから
たくさんを考えてたくさんを削ってみて
「伝わる」って ....
よくわかるのだけど
しんたいかんかくのことばへのへんかん
そして
「※それ」へのきょうかんへのかつぼう
よくわかるのだけど
わたしは
その先を知りたいんです
なぜ、なんのために、自分を削 ....
私の
右のてのひら
左のてのひら
載っているのは
目に見えるものばかりではない
見えないけれども
無力でもないそれらは
良いものとは限らず
悪いものとも限らない
間違えて捨て
間違 ....
コウノトリが
光りを運んできてはじまる一日は
約束に満ちている
四丁目への福音

聞いてほしい
聴いているよ

ほほ笑みの爆ぜる音が
煤けた下町に響き渡る/わたしは
泣いているビル ....
空が無い
靴紐を
勇気を振り絞って
結んだってこの町には
せいいっぱいに踵を上げて
みあげても、みあげても、

空が無い
空が無い!
夕暮れの秋に立って
冬の陽だまりを眺めている
そこの冬は
春に向かってとても急いでいる
私は檸檬を齧りながら
言葉にしたくない願いを持て余している
たとえばラテン語だったなら
誰にでもなく君たちだけに
伝わるだろうか
さよなら、と
ひと言のこしたいひとの数は
片方の手で足りる
それはさびしいことではないと思う
「私」として生きてて背負うかなしさをたとえる形容詞がみつからない


生きることに疲れて橋に向かいつつ靴は脱げないことは知ってた


春の暮れもしくは初夏への道すがら黒い縁取り一通拾う
 ....
風のあどけないそこは
ほんとうにすぐ、そこで
わたしは目を細めて手を振るしかし
わたしを 過ぎても わたしを
透かすように 行ってしまった一群の

残像を抱きしめて やがて
いつものよう ....
差し出されたその檸檬を皮ごと齧ると
予想していた強烈な……味はなく
心底ほっとして わたしは
手招きにも素直に従いそちらをみた
、夢と 悟り なみだは 途方に 暮れて

西側の窓から合図の ....
値打ちの無い言葉がある
路傍のきみに聞かせたくない
そんな、
くそみたいなものが

だからわたしは泣いている
あたたかな詩は
やさしいてのひら
わかっているこころ
わたしを撫でてください

見知らぬひとの
年輪を刻んだ気持ちが
{ルビ真風=まぜ}だとして
風速は三メートル

命綱を茶碗に
 ....
私はむずかしくないことをむずかしくなくいいたい
朝毎に届くはずのすべてが今朝は来なかった
、理由を得たので取扱説明書を紐解く
こんなに立派に手続きも踏んで
(かぞえてごらん
と そっと風から ....
一人称、「生きて」いる間の永遠
/午前七時、ぼくはあなたに見出す
ぼくを失いかける「きみ」は誰なのか
青く、暗い部屋で少し俯きがちに
ほどかれたい一心で待っているしかし
気がついてもらえない ....
陽光の鼓動が
雲の隙間から聴こえる

  生きているんですね

春の一日にたずねる

ゆるく描かれるこころ模様が
あちらこちらで会釈しあっている

  善き日ですね
  ええ、ま ....
しはわたくししかかたれない 戴いた命を
ほんとうにいつわりなく
わたしはつかって来ただろうか

戴いた時間を
無駄と、間違いとから、
せいいっぱいまもって来られただろうか

戴いた体は
このたましいで良かったと ....
いろんなことをしって
いまがある

ぜつぼうと
よろこび

いろんなことをやって
いまがある

なみだと
ゴール

いろんなことをへて
いま わたしは

詩をかいていてよ ....
歌わないでほしい外が歌っている
空が久しぶりに色彩を取り戻したきょう
けれども風の帳に覆われて
わたしはあきらめた

木琴の音色はいったい誰が担当しているのか
いろいろにたずねてみるし
 ....
解体された桜花が一方向に流れてゆく
姿だと悟ったのは間近にしたからだった
視覚はいつでも偽られ偽ることを好む
ゆうべの青いかがやきはちっとも
かがやいてはいなかった
明けて、暴かれた結果論た ....
もっぷ(1239)
タイトル カテゴリ Point 日付
透明なうた自由詩415/6/23 8:00
紫陽花の合図 *短歌215/6/23 7:23
ブラボー *短歌215/6/22 1:00
五月への旅 *短歌415/6/18 17:00
春の後ろ姿 *短歌115/6/18 16:57
縁日のひよこ *短歌215/6/18 16:55
茜音自由詩515/6/16 20:20
老舗鞄店 *短歌215/6/16 19:48
彷徨の心 *短歌215/6/16 19:11
冬の底 *短歌215/6/16 18:53
   (2015.06.07) 往復書簡840)自由詩315/6/7 19:56
ヴェクサシオン「騙されながら騙している(かのように)」自由詩215/6/7 19:50
_自由詩4*15/6/1 13:00
放熱自由詩415/6/1 12:56
以来自由詩415/5/30 23:32
冬の陽だまりを自由詩515/5/28 13:07
北西風自由詩8*15/5/22 10:55
「すみれいろそら、あかねいろそら」 2015.05.16 ( ...短歌315/5/16 19:00
一群自由詩415/4/20 18:29
檸檬自由詩515/4/20 0:57
愛かマグか自由詩615/4/19 16:31
あたたかな詩は自由詩415/4/9 13:07
砂に叫ぶ自由詩615/3/30 13:48
狂おしく嘘をつく自由詩315/3/23 12:37
春始発自由詩415/3/16 10:08
La Mer携帯写真+ ...315/3/3 5:23
2015.03.03(独白「さやかなる翼を」)自由詩415/3/3 4:12
源泉自由詩515/3/2 18:06
如月町晦日界隈自由詩615/2/27 16:44
いまさらの都合自由詩315/2/27 14:30

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