すべてのおすすめ
木々、たいよう、風、ねこ、ひとみの色と涙のあと
クローバー、すずめ、子供たちの無防備なからだ
誠実、不誠実、夕もやに消えたため息の影
妊婦のおなかと、マニキュアのはがれた爪
海 ....
水を巡るたび
水は遠くなる
粉と粒 途切れ途切れの
真昼の声
岩と鐘
傾きが集まる野
見つからない 草色の器
見つからない
わたし 電飾
惑い 召喚
....
休日はらんぷの灯の下に
古書店街で買った
古びた本の、頁を開く
少し引っ張れば
すぐに千切れてしまいそうな
薄茶けた頁に並ぶ無数の黒字は
遠い過去から語りかける
音の無 ....
亡き祖母の和室を書斎にして
らんぷ灯の下に
古書を開く
この和室で
祖母が永遠に眠った
あの日から
部屋の隅に置かれた受話器は
お辞儀をしたまま黙っている
背後 ....
しなびたような風にはたはたと
力なく揺れている黄色い旗
近くの小学校からだろう
校内アナウンスが外に漏れ聞こえる
時折キンとした音が混じりながら
光化学スモッグ注意報が発令されました ....
「明日の予定は?」
という
金曜日の夜の口癖は
もしかしたら
生涯無くならないかもしれない
あなたがわたしより
先に死なないかぎり
専業主婦だって
毎日遊んでいるように見えて
....
ろうそくの火を
見ながら思う
中身が変って
形は変らず
神秘的空間
神秘的時間
神秘的気分
神秘的郷愁
昔を想い
自然を想い
太陽と共に起き
太陽と共に寝る
朝はとっくに過ぎてしまった
もう落ちているのか、昇っているのかさえわからない
空への落下
それは終着点のない落下
愛は慎ましくて脆い
また別の愛はあまりに壮大で狂お ....
きりあちゃんは変な子です
三年も前から夜眠れないんだそうです
ヒマなので、小説を書いているそうです
わたしならマンガ読むと思う
きりあちゃんの小説は変です
きりあちゃんが生まれてから、あ ....
夏の縁側に腰かけて
入道雲が真っ青な空に湧き上がるのを
見ている
背後の部屋は暗くて
ひんやりとしていて
もらい物の生菓子を食べようと
手を伸ばした瞬間
チリリ
(一陣 ....
最後に会った友人がマンゴーを置いていった
初めて口にしたマンゴーに君は感動していた
もっと色々な物を食べさせてあげたかった 僕は後悔した
どうかしていたんだ
弱っていく君を見ていられなかっ ....
軽い足取り
幼い照り返し
蹴飛ばしながら
進む
シャツの袖まくり
緑のさざなみ
産毛を立てながら
泳ぐ
弾む呼吸
迷走神経の舗道
気取りながら
急ぐ
....
「おはよう」という一言で
心が軽くなる
この人はいい人と
信頼できる人と分かる
人の話しに
耳を傾け
気持ちを受け止める
何でも話せる
人を知る喜び
対等な関係
人が好き
....
愛について考えると
わたしは道になっている
頭のてっぺんから
つま先まで
世界のあらゆる道になって
人々がわたしの上を歩いている
あなたが歩きだすのを
ずっと待ってい ....
きっとまだ
折り返しにすら着いていないと思う
それでも
人生の半分以上
きみがいた
裁縫の授業が苦手で
いつも居残りしていた
なかなか針が進まないわたしを
いつもこっそり手伝っ ....
真昼の月の窓辺に
通り過ぎゆく
硝子の世界
なにかが在って
なにも無い
誰かがいて
誰も居ない
ジオラマの影
週末の真昼の東京は
目を開けたまま
眠っている動物のように
....
誰もがきっと探してる
心の穴を埋める
たった一粒の薬を
誰もがきっと求めてる
この世の果ての薬局にいる
あの不思議な薬剤師を
群衆に紛れた君が
ビル風に飛ばされそう ....
青空
もういいかい
まあだだよ
雲さん かくれんぼ
鬼さん こちら
とう かぞえるよ
お日さま ひとりぼっち
あか鬼さん
夕がた 来たら
たき火もするよ
....
禍々しく106ミリ無反動砲を六門装備した
巨大な蟹のようなM50オントスの装軌式車両が一台、
まったく人気のない夜の街を過ぎて
ビルに潜んだ甘い夢を殺しに、兵士たちは散った
すべての忌わし ....
朝、目が覚めたら
右の手のひらがチクンとした
キップだった
日付はちょうど1年前の今日
行き先は書いていなかった
チクン
今度は胸が痛かった
その日付を忘れるはずがない
忘れら ....
ひかりたからか
からか からか
穂の息ひそめ
言の火ふらす
窓のふくらみ
煉瓦の道
こだまする影
屋根に立つ影
風のなか揺るがぬ星や星
足の指がつ ....
皐月の緑は
翡翠のパレット
雨のひと粒ひと粒が
瞬間の王冠を
レインクラウンを飾ります
まだ淡い若葉は
ペリドットのピリオド
春はもう終わりです
ものみな落ち着きを取り戻しなさい
....
090509
偶然が作用する瞬間がある
偶然が蓋然となり
グーの音も言わせない
事実としての認識が
孤立感を深めて
コロッケを揚げさ ....
バスドラムも叩けない
自分を応援して
くれた皆
エレクトーンは習ったのに
もちろん指揮者にはなれない
拍子も数え間違え
シンバルの音で演奏停止
人数合わせの為にいる
演奏会は晴 ....
すべてはこのバスの中で完結している
ふとそんな言葉が頭を横切る
雨はもうじきあがるだろう
そうして所在無さげに
手すりの傘だけが残るのだろう
老人は窓と小説を交互に眺める
後ろのどこか ....
ゆびさきで
おそるおそるふれた
ぎんいろのフルートにうつる
じぶんがはずかしくて
おと
おとをかなでるなんて
ぼくにはできないだろうとおもった
くちびるをあてても
....
小さく咳をして
教室に吸い込まれる
革靴だけが吸い込まれずに
僕のいない廊下に取り残される
「大学の勉強などいったい何になるか」
これは本質的な問いなので歓迎されない
チョークで汚れた ....
れんあいが
そねえに大切なものでありますか
れんあい、恋をしてないのは
ひにんげん的といいたいのでありますか
おれはきみとマウントスラントしてみたい ....
*こどもは見ちゃダメの回だよ
「 エロ小説 」 作 えんぴつくん
アアン やめて ○×さん、エロ小説なんて言うの!
....
詩の生まれ方にもいろいろある
卵生
胎生
卵胎生
生きている詩ならば
生まれて生きる詩であるならば
金太郎飴をちょんちょん切って
毎日数だけ増やしてくってわけにはいかないだろう
....
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