すべてのおすすめ
000126
チャシャーキャット
教えておくれ
緑の子猫は
どこにいる
あの油絵の向こう側に
君の描いたクロッキーが
歩いているだろう
あの ....
少年と手をつなぎながら
寒いねと言い合っていた
もうすぐ陽が落ちる帰り道
ふと手がほどかれる
目をやると
さっきまでつないでいた手に
綿毛になったたんぽぽ
この季節には珍しい
....
薄灰色の表面に
何年 何十年もの波が
刻まれたとぐろ
私が知る由も無い
遥かな海の記憶を
この生命の抜け殻は
確かに持っている
未知の眠る
この渦の奥には
もう一つの海があろ ....
夏の午後 影は濃く
姿勢の正しいあなた
まっすぐにねむる
貝殻のボタン
ひとつ失ったまま
くんと伸ばしたつま先から
夏が逃げてゆく
砂がはらりと落ちる
そして落ち続ける
傾い ....
あなたがそばにいるだけで
まわりが海に変わる
ほんの少しだけ夜のような
ほんの少しだけミステリアスな海
このまま小さな魚になって
あなたのまわりを漂っていたい
あなたは私の梢を揺ら ....
{引用=
ぼくたちの鳥は、預けられたまま
誰もいない部屋の
つめたい鳥かごのなかで
ひくい声でうたっている
透明なガラス瓶と花
傾いたテーブルは沈黙で伴奏し
薄いカーテンから秋の日が ....
自由の翼が手に
入ったとしても
額縁の絵の中を
飛ぶことぐらい
しかできないし
お洒落な足かせ
をガチャガチャ
いわせながら記
号でお喋りして
いたほうが楽し
いかもしれな ....
忘れているつもりは、なかった
ちょっとうっかりしていたのだと思う
言い訳がましいね、何だか
本当にごめんね
いい天気が続くと
空を見るのに夢中になってしまう
雲の流れには気付いても ....
げしのかげ
たんせんに
のでださい
こいのいた
しろみだし
{引用=(タテ/ヨコ/ナナメに読んでください)}
夏至の真昼、
廃止された単線のレールをたどっていた、 ....
まだ背の低い中学生だった
キリスト教系の学校だったせいもあって
敷地内には教会が建っていた
戦時中は負傷兵の収容に使われていたという
改築はしたことがないらしく
昼間でも暗くて冷やや ....
恋が愛にかわる時
受動から能動にかわる
獰猛な目を輝かせ
強欲になる。
生きる意味がわかる時
苦しみの連続だ
楽しさは倍増する
自分を理解してもらえる。
自分を信じて
自分を ....
カッ、カッ、カッ、カッ
無心に響く物書きの音
カッ、カッ、カッ、パラッ
あっ、もう誰かが裏をめくった
カッ、カッ、カッ、カッ
――――ハクション!
一斉に持 ....
忘れかけていたもの
胸の奥の底から
ある日。
大好きだった歌――もう聴かないけれど
その尻尾につながって出てくる
帰れない場所
懐かしい夕暮れ
音 におい
会えないひとたち
....
ヘイ!カモン!
から揚げのトマトソース
コーンポタージュ
芽ワカメのおひたし。
おいらは引っ張りだこ
何が欲しいの
何が目当てなの
一日一日を丁寧に生きる
手紙は時間がかかる。 ....
日記帳が真っ白だと
きまりが悪いのかい
気持ちはどこへも行かないもの
櫂を寝かせて
碇を下ろすように
夕餉の前に祈りを
明日の朝からの仕事と
穏やかな子午線が見えるよう
罫線も ....
両の扉のまえで
一足飛びに駆け抜けていく
と
不断に
色彩の加減を
線分の渦の飛翔を
貧しく成っている枯木の枝から
と
転回の焔より微かな襞で
過敏な肩のゆれを
血腥い吐息を
....
なつこさんが代休をとった
気配だけ
そこに残して
どこにいってしまったのだろう
お昼ごろ
今日なつこさんは
お休みだったんだね
という人が
かならずひとりやふたりいる
....
引力が、
ある
きみと、ぼく
地球と 月
引力がある
ひきあう
すべては ひきあう
きみに ぼくはひかれる
きみも ぼくに 月に
....
今年
いちばんの正直者が
各地で猛威を振るっています
不満なことには覆いをせずに
可笑しいことなら囲いをはずし
感じたことを
感じたままに
まもなく
無上のわか ....
10歳も年下の詩人の言葉。
訳知り顔で愛をかたり
人の眼を凝視する。
僕は見透かされている。
ただただ
負けまいという10年のキャリアという薄っぺらな矜持を持って
対峙する。
....
陽光に余寒あり
沃野の黒土 遠望の白嶺
寒風に身を引き締めながらも
梅花の報に心おどりぬ
時流曲折し
大望得がたくは世の常なれど
黙して時代(とき)に耐えるも
豈(あに)長からじ ....
丘と木々に円く囲まれた円い湖に
憧れていた、いつか行ってみたいと思っていたから。
社会科の時間は、いつも地図帖を探していた;
北海道に1個、鹿児島県に1個、お誂え向きの湖を見つけると、
....
裏切り者の
地平線は
沈む
沈んだ
地平線から
朝が現れる
目覚めた時から
裏切り者は
傾く
傾いた
日常茶飯に
安住の平野はない
転げ回っているのか
追 ....
プリンは大変うまいが
もっとうまくしたいと思い
鰹の出汁を加えてみたところ
それは茶碗蒸しであると方々から叱られ
私は心に深い傷を負った
啓蟄を過ぎると
乙女座流星群が始まります
桜が咲く頃には
その別名を Shambleau's meteor shower
掃晴娘
空高く青い瞳の彼女
晴雨請晴
ひまわりの黄金分割
....
音符が遊ぶようにして電線をくぐり
時折、絡まってはファルセットになる
美しく奏でるための
言葉たちは、そうしていつも
行き先を探していて
夜、は手招きをはじめる
屋根、そのオクター ....
枯れない花が
咲くたびに
僕の胸は
傷ついて
それでもそれは
あったかいね
風が春を
つれてくるよ
つよいつよい風が
つよいつよい痛みを
引きつれて
やってくるよ ....
つまさきだちで空をのぞくと
くるりと回転しそうになった
笑うだけなら
泣くだけなら
簡単だ
からっぽになるのは楽じゃない
何だかんだで思考して
自分勝手に感情は波を立てる
....
堅い梢から
白い気泡がぷつぷつと生まれて
二月の空に立ちのぼる
それは
君の唇からもれる
小さな温度に似ていて
僕の尾ひれを
とくん、と春へかたむける
ふらりと現れて
はな先 ....
小学生の太陽は何故明るいのか
赤ちゃんの記憶は
何処?
僕たちの創作物が悪霊や怨念を
改心させることはあるのか
ちっぽけな思いつきは何処からやってきたの?
海の水 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61