すべてのおすすめ
三日月みたいな太陽だと
月が割り込んできただけじゃねえか
三日月みたいな太陽か
戦争なんかもそうなのかな
エゴの上にネーションがあって
ネーション同士のあいだに
ふ ....
水のない水槽の中で
ただじっと空を見ていた
泳ぎ方を忘れた魚たちには
青の区別がつかない
水のない水槽の中は
水がない分だけ騒がしい
自分の鱗のはげ落ちる音にすら
耳を塞ぎたくなるほ ....
僕には手立てがなかった
君を忘れようとするしか
空しさをほどく術はなくて
叩き着けるように
書き殴られた手紙が届く
乱雑な折り目を開いて目を通す
君が去ったことを思い知る
追いか ....
男の腰に食らいついていたとき
わたしは自分がひとさじの情けを持ち合わせているのだと思い知る
穴
に成り上がれ
私が私であるなんて
脳と性器とをひとすじの光で繋げるようなものだから
ただ名づ ....
ほうりこむ
可能性を海に
可能性の海に
過ちが沈む
確かだった気持ちや
不明確なままの関係が
仄暗い重力に揺れながら
ゆっくりと底に横たわる
私は海辺を去る
そして
....
彼女は言う
ほらご覧よ
指差した先は果てしなく真っ青な空で
でも時々何処かが赤く染まるのよ
そう呟いては俯く
きっとあの重そうな銀色の機体は
見た目に反して軽やかで
この空をまるで自分の ....
戦争のイメージは真夏の闇
前世からのごとく鳴いている蝉ども
宇宙の闇じゃぼくの根っこが泣いている
いま帰宅しました
どっさり疲れたいちにちでした
だれかに弱音を ....
なんだか懐かしい晴れ間 太陽のもとなのに水の中のような
切り落とした断崖から現れたのは夏だった
緑は黄色く笑い 雲は水の空にとけてゆく
遠くで見ている陽炎が意識を惹きつける
誰かの窓で ....
ごらん
朝が来るよ
眠れない 君にも
遠い 何処かの
青い草原
山の端が
やがて
ぼんやり浮かびくる
夜が
隠してただけさ
きのう
うまくいかなかったこと
もう一度
....
新しい変革を求めて
探すのはナポレオン
いったい彼の辞書には不可能という言葉は
載っているのだろうか
悲しみを越えたらそのさきに
何が待っているのかな
一回だけ叶う ....
蝉の声痛すぎて
ロックのような雑音で
上書
罪の汗流したくて
気障ったらしいクーラーを
停止
脳味噌痺れ切って
言葉の切れっ端が散乱するも
放置
胸の奥乾き切って
....
beauty in the library
長い黒髪を微かに揺らして
あなたは笑った 僕の目を見ずに
「私はそれほど若くはないの」と
時の隔たりをグラスに溶かして
夢など見ないという素振 ....
淫らに、露出した仮想の小窓には
時と場所の不明な青空と、
見えざる航空機による白い猛毒の軌跡――
ながく留まる筋雲状の航跡が表示されていた
≫いわゆる、薬物や病原菌等の散布。
僕たち ....
行き場ならあるんだ 少し高いけど
眉間の理由はそうじゃない
キラキラ輝く その磨き方が
ここじゃ出来ぬ方法で
ずっと、瞳、閉じて
バカげてる想いかな
誰よりもキミだけを
幸せ ....
きみがすき。
そのままのきみが。
必死で、取り繕ってるきみが。
ヒトマエで、猫かぶってるきみが。
素直に、泣けるきみが。
ココロ ....
井の中の蛙を掌にのせて
珍しそうに眺めながら
「大丈夫だよ」と彼女は
うわのそらでつぶやいた
程好いぬくもりにとろけて
居眠りしていた蛙は
「大丈夫だよ」という言葉を
うっかり「好き ....
けだものの背があり
けだものの背がある
やわらかく
灰を向く
鏡の内外
笛と白と波
銀は常に銀をゆく
金と緑のなかをゆく
芯のふたつある蝋燭
冥王 ....
朝という朝の綴じ目があいて
空が少しずつ明度をあげていく
鳥と電線と鳥と蟻たちと
まだ鳴き声はない蝉としかいない
ウォー
アイニー
声には振り向くこともなく開き続け ....
柔らかくぼんやりとした呼吸を感じる
輪郭の中に窮屈に詰め込まれた光にも
つかむことのできない流れの中の光にも
君と呼ばれた生き物を生み出すことはできない
Hello‐Hello
聞こ ....
シュークリームが
雨にうたれて溶けだしている
道端のくぼみで
まつげの長い女が
バスに乗るときに落としていった
シュークリームが
溶けて流れ出している
甘い、いくつかの体液
何もか ....
ほめられるとすぐ
ちょうしにのるから
あんまりほめないでね
でもたまにはほめてね
そくばくはするのも
されるのもきらいだから
あんまりしばらないでね
でもたま ....
あの丘には海がある
風にとけたあなたが ささやいていった
赤い自転車から 深緑の海を見上げる
深緑の糸かせから 糸の先を手繰りよせる
右腕に 螺旋を描いてゆく海の糸
ひんやりと
深緑の ....
ものごころがつく前は
うおごころも
みずごころも
何も分かっていなかった
世界よりも広かった
はだかんぼうの意識
ものごころがついた後は
おんなごころも
したごころも
少 ....
意識が情(こころ)を脆くするから
私は道化師を演じてしまう
この微笑みは仮面でないと
貴女に伝える私は
いつになくおどけている
ただ、眺めていたい
罪人と罵られるのは
きっと発育 ....
もう何年君のそばで本を読んでいるのだろうか?
もう何年君のそばで寝ているのだろうか?
もう何年君のそばで食事をしているのだろうか?
僕は無口になって黙々と食卓に向かう。
僕は無口になっ ....
色に例えるならば
それはそう黒に近いだろう
最も濃い闇を連想するような
どすぐろい色だろう
そこには一切色彩は存在せず
どんな色も黒に侵食されていく
白雪姫VSシン ....
アケノさんはくたびれた
周囲に気配りの出来るアケノさんは
人のケアをされることに長けているが
はたしてケアされることに有能かというと
そうではないらしい
アフリカに住むマングースの子 ....
それは樹齢数千年の老木のように
ごつごつと皺くちゃな
堅い表皮を持っている
アルミニウムの廃物で作られた
それは機械でもなく樹木でもなく
しかし天を目指してすっと立っている
その足 ....
地面に落ちたタバコから
煙がひとすじ昇っていた
誰にも気づかれないよう
踵で踏んで、消しておく
いたずらな風が吹いて
火の種が、人の間に
燃え移ることのないように
....
「人口は不明です」
様々な色の傷痕や
様々な味の妄想が
都市を形成しているようです
「面積も不明です」
小豆粒大〜ピンポン玉大
三流私大〜夜郎自大
等身大 ....
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