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夏の終わりを惜しむ人がいる
勝手にエアコンをつけて
夏を拒絶していたくせに
夏の終わりの
さみしさは感じているようだ
夏は夏らしくしていたかっただろうに
異常気象とやらの
まわりの勝 ....
無知な人たち、と
父の生家に唾を吐き
母が消えた
時の区分は夏、そして
秋にも依然、消えていた
秋の再来
消えている母
九月は母の誕生月
父はきちんと知っていた
本日、九月の二十 ....
上海から帰国すると
仕事仲間たちと須磨の別宅に向かった
ビジネスになりそうなので
今から徹夜でパワポをつくるのだ
このプロジェクトのスポンサーは
明日しか時間が取れないの ....
目が覚める瞬間の耽美、すなわちそれは曖昧な伏線を凝縮した線路図のようなもの
一連の流れは稚児の指先が母親の元に辿り着く前に行われ、
そのことによって絡めとられた誰かの睫毛は
昨日へ帰るように促し ....
指が触れると
草の実がはじける
ふるえる心の動きを
あなたは知ってか知らずか
見つめるあなたの瞳に
青い空が映り
その青に溶けてしまいたいと思う
その青はいつか見た風
その青は ....
私がふたごだったとき
ずっと森で暮らしてた
ふたりおそろいの服を着て
毎晩同じベッドで夢を貪りあった
ふたり一緒にいること
それが当たり前の世界だった
私がふたごだったとき
世界はひ ....
090830
らしからの
ほらの
みたなの
ほしの
かず
ふむ
あしお
と
ひろの
{引用=「 ....
深夜、裸、横たわったまま
きみに電話をかけられるので
わたしは科学に感謝するが
その超軽量・収載辞書数世界一の
電子辞書は捨てなさい
わたしは高度を欲しない
ベル音は
ベルが発明した瞬間 ....
繭の中身を確かめに
ヴェランダからするんと
カーテンを伝って降り
君の夢へ移動する
月無き夜のこと
君の小さな体に
無数に穿たれた
秘密の森のこと
心に生い茂る銀色の
すすき ....
さあね
と、言ってごらん
それだけで千と
一夜の妄想を掻き立てる
さあね
と、言ってごらん
それだけで君の
血の色は藍にも黄にもなる
さあね
と、言ってごらん
夜が銀の杯を ....
草から分かれた空色に
虫は染まり 身じろぎもせず
夜明けの光の逆を見ている
曇りの上の曇りから
水の底の骸へと
緑はさらに緑に降りつむ
闇のなかに闇 ....
海より遠い、
安曇野を思う
穂高の山々を
わさび田の清流を
あるいは
ただその空を思う
閉め切った窓の硝子に反射する、
ピアノ曲に誘われ
ふっと解けた封印は
気付けばとっくに ....
「百」
百のざわめきを虫取り網で追い回して
百のつぶやきに釣り糸を垂らして
百のウソと百のホントを掻き分けて
たったひとつの詩の言葉を探し求める
「鬼 ....
黄いろい光と影
田んぼ
新幹線でぶっ飛ばす
田んぼと田んぼの細道を
静かにまっすぐ銀の軽
その銀の軽が
ぼくに憑依してきた
軽の中では音楽が鳴っていた ....
9月だってば
9月になったんだってば
それで何かが変わるってわけじゃないけど
夏の記憶には「さよなら」したし
もう後悔なんてしないと決めたのだから
秋だってば
秋になったんだってば ....
月夜に現れたみずうみに 僕は裸になって
飛び込んだ。別に入水自殺をしようってわけじゃない。これは
ひとつの儀式のようなもので、言うなれば自然との同化、共有
されるファイルを独り ....
運命の時
貴方は何を考え
何をしますか?
愛は無限です。
愛は減りません。
愛は増えます。
別れの時
貴方は何をしますか?
弱き者を守って下さい。
軽快なピアノの音にのって
人の優しさが風に舞う
海辺の部屋は明るい光と
鼻をくすぐる潮の匂い
遠く望める水平線に
白いヨットといかついコンテナ
そのまま外海に流れるのか
二艘とも海の彼方 ....
ナニカは知らない、
燃える秋の山々はもくもくと煙立ち
はるか上空から
ふりそそぐ焼夷弾によって
木や草も畑も焼けた
森は焔につつまれ
必死に逃げる動物たちを
獰猛な火の手が執拗に追っ ....
遠く名も知らぬ国の山頂で
待ち焦がれた炎は消え
緑立つ少年の波は
今や金色の秋にもえ
激情は嵐を忘れ
ただ ただ思い出を吹きすさぶ
燐光は空たかく
せいのび ....
「惑」
GPSも届かない生暖かい闇の中で
使い古した答えを隠し持ったまま
手探りで小洒落た出口を探している
近視で早合点でメタボな僕の気泡
「星」
....
人を見る目がない目で
僕は毎日誰かの顔をみている
のうが無いといわれた脳みそが
鼻くそをほじくる僕を支配している
手に職をと言われて
いまだに手つかずのまま
両腕が仕方なくぶらさが ....
Mは
もう名前すら忘れてしまった
突然消えてしまった
彼の為のコースがぽっかりと空いた
選手登録表が
一つ埋められなくなった
仕事が増えた
マリファナをやっている ....
目と目を合わせて
喫茶店で待ち合わせる
男たちが噂をする
グラマラスな谷間
握手で出した手を
叩き落とす
ガードは難い
目をギラギラさせる
抜き足差し足忍び足
そっと近づき
....
昔あなたが
歌ってくれた
丸い月に
響く歌は
僕の心を揺らしている
懐かしさの陰で
小さな背中が
泣いている
作り笑いの
裏側で
指折り数えた夢
いくつ諦めてきたの
叶 ....
異常気象というけれど
二十四節気はまだ狂っていないようだ
啓蟄にはたしかに土の匂いが漂いだすし
きのうは処暑で
あきらかに暑さが退散している
加害者づらしてエコを論ずるよ ....
その合間に
Stranger から
Honesty にかわる
その合間に
今日の失敗を
またつぶやいて
その合間に
明日の仕事の
算段が溶けていって
....
あゝ、なんてのんびりした夕暮れだ
虫も鳴きだしたぞ
つい昨日までのおおいばりが
まったくやる気なくして
しゅわしゅわしゅわ
わしゅわしゅわしゅ
わしゅ〜
むぐう〜
黙り込んでる
近く ....
夢は過去に溶かされた。
空気中に漂う粒子がやわらかい光を放つ。
それはきっとあたたかい。
立ち止まっているのは動けないだけ。
迎え撃つのは簡単だがこの手で仕掛けることはできない。
腹痛が ....
そそくさと去り行く夏の記憶を確かめようと
深緑色に澱むお堀ばたを訪れてみた
色とりどりのウエアでストレッチに余念の無い肢体は眩しく
人恋しさを見透かされてしまうようで
遠慮がちにちょっと離 ....
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