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{引用=なめらかな光り、消失
それはあの人
火花散る、消失
それはあの人}

世界が基準の統計
雄大な時間のパーセンテージ
そこに私は含まれているだろうか
例えば未完成に向けて進ん ....
禁断の実を食べたのでした

僕らはよく笑う高校生でした
僕らはよく悩む高校生でした

ああ、でも赤い実を食べたばっかりに
帆船の入った瓶のように
海は小さくおさまって
ポケットの中で眠 ....
遠く山の{ルビ頂=いただき}で
待ち焦がれた炎は消え
緑立つ少年の波は
今や金色の秋に燃え
激情は嵐を忘れ
ただ思い出を吹きすさぶ

燐光、空たかく
せいのびせども
つまさき立っても ....
男は94ページを読み終えると、時計を目にした。

7時23分。

昨晩から雨が続いている。
グリーンの縁の窓から臨む景色は、霧がかっている。
溜め息をついてはみたものの、こんな休暇も悪くは ....
灯台みたいに光る目と
夜空を照らす回る首

両手は常に塞がっています
だって、なにが起こるかわからないでしょ
いつだって捨てられないもので手が一杯なの

{引用=お馬鹿さん
どんなに利 ....
角砂糖ひとつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個室
父が一杯の水を差し出す
母が一輪の花を差す
それがかつての始まり
最後に望む光景

角砂糖ふたつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個 ....
私がとても遠いのだと思っていた人は
すぐ目の前にありました
なぜならその人は海だったのです

必要とあれば向こうから
そうでなければひいていきます
私がどんなに駿足でも
どれだけ望みを握 ....
ねえ君はゼブラ
等しく白と黒のゼブラ
でも誰も知らないゼブラ
黒い名前のゼブラ
でもほんとうは等しく白いゼブラ

ねえ僕達みんなゼブラ
等しく白と黒のゼブラ
でも誰も知らないゼブラ
 ....
私達は風景を食べている
そしてもうひとつの地球のような
そんな世界を造りその上を歩いている
しかしそれはとても、とても小さい

幾つもある小さいを繋いでみようと試みるが
誰も縫い目ひとつに ....
ローテイトする空気
ツンとした金属
それが君

つい触れてしまいたくなる
そびえる金属の塔
不可思議
早巻きでみる植物のように
私は蔓を伸ばし試みる
君への動脈
ツンとした金属
 ....
宇宙から地上へとのびる滑り台を滑り降りて僕らは生まれた

あまりはっきり覚えてないけどあの光景をもう一度見たいから

僕らは長い時間をかけてより高い宇宙への階段を登ってる
父は木製
母は金属製
そんなわたしの骨は木製
そしてどこか金属製

寄り添う啄木鳥
蝕む啄木鳥
偶然かわいい一羽くらい
薄い音を鳴らすときどき

黙る木製
黙る金属製
そんなわ ....
舞台の緞帳はいよいよあがり

しかしその舞台のうちで更なる幕は開かれる

改革は合わせ鏡

今や幾重にも続く世紀の幕開けに

観客は右に左に首をかしげ

出演者達は台本を忘れ

 ....
先天的な性質
どんなに抗おうとも
それはシーツの上での舞踏に過ぎない
反響する命の別名を半分だけ受け継ぎ
残りの半分は空気との親和にくれてやる

後天的な性質
魂である影を捨ててまで欲す ....
君は落ちながら音もなく
決して誰も音楽などではないのだと
落ちてゆく場所が君の望んだ場所なのか
光はひかりであってそれ以外の何ものでもない
誰かの願いをその身に受けながら否定も肯定もしない
 ....
別に空が切り取られた訳じゃない
むしろ高層ビルの群れは空を望んだ形だろう
人が地上に建設した願望の手
その指先に立って手を伸ばしてもまだ届かない
屋上でも地上でも
見上げることしかできない
 ....
ひとつ花のアンビバレンス

嫉妬を誘うアマリリス

物憂気なアピアランス

砂漠のようなアンビエンス

夜に潜むアンタレス

群れる羊はアクイエス

耳打ちしたのはアスタロス
 ....
やたらと動きのよい男は
チーフを取り出して涙を拭う
そして顔を傾けて囁く
女は台本通りに今宵二度目の愛を誓い
嗚呼、悲劇などないのだ、と


そして舞台袖の暗がりでは
黒髪を撫でつけた ....
笑うことが苦手な君は()の中で笑っている

掴んだ言葉や色を

悲しみの下地に上塗りする

黒の透けた白い肌が

本当の君から目を反らす

人々は摘んで食べては

口々においし ....
それは黄昏れ時の一室                 夕、だった
蛇と蛇は見留め合い                  からまった
それは黄昏れ時の一室                 ふたり の ....
待合い室で座っていると隣に「過去」が座っていた

反対側を見るとそこでは「未来」が新聞を読んでいた

「過去」はそわそわと落ち着かず何度も鏡を見ている

「未来」は老眼鏡をずらして ....
あなたの部屋にどういうわけか
一本の木が生えてくるでしょう

勘違いしてはいけません
それを自分の一部なのだと
脈を通わせてはいけません
それがたとえ同じ血をひくものだとしても

それ ....
そんなことはない、が
結局は開かれることなかった口の内側で吠えている

不便のないところでは
それがどんな狂犬だろうと
誰かしらがいい薬を処方してくれるでしょう
それで利口に生きていける
 ....
{引用=きみは涙腺を狙っているのかい?
それとも胸の奥を爆発させようとでも?
いずれにしろ致命傷は免れるだろう
僕を本当に殺したいのであれば}

ある時から、
脳を押しのけて頭蓋骨の中に
 ....
君は僕に喉が渇いているのか、と聞いた。
乾いている、と応えると
君は持っていた一杯の水を
砂の上へとすべて零した。
形を崩して落ちてゆく様を綺麗だと思った。
潤っていく砂はまるでそこだけ生ま ....
与えていたものが奪わざるを得なくなった時
疲れきった略奪者は晴れ空の下で力無くしなだれる

奪われたものは声高に嘆き
足並みの揃わぬ涙は花を咲かすほどでもなく
今では何を望んでいたのかもわか ....
白い壁を見よ

神秘のベールを纏う白い肌の君よ
徐々にはだけてゆく官能を追う
我らすべて君の虜、白い肌を這う尺取虫
全貌を望み君の乳房で眠る、あるいは
君に裏切られたものは落下して大地に横 ....
その日、誰かの足の裏を見つけた
それは画家の自画像のように剥き出しで
裸足であることがこんなにも美しいという衝動
初めて僕の中に生まれたのかもしれない
それは、離れない

空気が重なった力 ....
間もなく熱情は冬の下に眠る
鈍る空気の衣に袖を通し
理由のない予感に胸骨は青々と
眼の奥の恥ずかしがりやは瑪瑙、震える

背中の闇に呼ばれてる
(または夢、幾層もの熱が見る)
ひとつ節の ....
今日の夕食は、牛のステーキだった
レアにしろ、ミディアムにしろ
それはもう食べ物にしか見えなかった
それはほんの少し、葡萄畑の匂いがした
僕達は一瞬だけ、目一杯の緑
風を感じてしまったのだ
 ....
夏嶋 真子さんの瑠王さんおすすめリスト(99)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
scene_(without)- 瑠王自由詩6*10-9-27
赤い果実- 瑠王自由詩8*10-9-15
あまりりす- 瑠王自由詩4+*10-9-3
healcaのお客様へ- 瑠王散文(批評 ...6*10-7-30
愛でる手- 瑠王自由詩6*10-7-27
記憶の個室- 瑠王自由詩9+*10-7-22
潮と月と人間と- 瑠王自由詩14*10-7-16
白と黒のゼブラ- 瑠王自由詩2*10-6-28
Patch_Work_#1- 瑠王自由詩11*10-6-28
ツンとながす君- 瑠王自由詩8+*10-6-9
滑り降りてくる輪廻- 瑠王自由詩5*10-6-3
カストール- 瑠王自由詩8*10-5-25
緞帳はあがり- 瑠王自由詩4*10-5-21
コーラルの森- 瑠王自由詩9*10-5-7
as_you_fall- 瑠王自由詩3*10-4-22
東京- 瑠王自由詩7*10-4-20
明日- 瑠王自由詩4*10-4-16
観劇- 瑠王自由詩9*10-4-14
いつも()の中で笑っている君が- 瑠王自由詩8*10-4-5
金色のドアノブ、誰かがワルツを- 瑠王自由詩14*10-4-1
退屈- 瑠王自由詩8*10-3-29
悪意- 瑠王自由詩6*10-3-26
ありったけの花束を- 瑠王自由詩9*10-3-20
太陰潮- 瑠王自由詩6*10-3-16
そして君から九番目の詩- 瑠王自由詩5*10-3-12
who's_gonna_love_me_most?- 瑠王携帯写真+ ...5*10-3-11
白い壁を見よ- 瑠王自由詩5*10-3-8
重なった力の上を連続してゆく- 瑠王自由詩6*10-3-5
間もなく熱情は冬の下に眠る- 瑠王自由詩4*10-3-4
食卓で泣いた日- 瑠王自由詩12*10-3-2

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