土煙(つちけむり) 
積乱雲 
四季の狭間、の十字路に立つ
深夜、明け方の少し手前に、このマンホールに飛び込むと
黒々と波打つ日本海へと通じるトンネルになっている、らしい

陸橋の塗装に書 ....
眠りについた赤子の
涙一筋

大人の期待と
赤子の不安

(先立つ不孝をお許しください)

一筋の涙が辿った
走馬灯よりも短い
私の生涯でした

大人の欺瞞と
赤子の正直
 ....
ポップに弾けて
落ち込む必要ない
突き破った、
突き抜けた、
肉に悶え肉と苦悩し
極北の荒れ地にて
砂場で遊ぶ子供、
離れていく
別れていく
夢中で明るみ


弾ける笑い
魂 ....
すみわたる水色
アルルの跳ね橋
輪はひろがってひろがって
川面に輪は
波打ちながら広がって
すべて一体に自ら保ち

水色、降って
降り注ぎ
わたしはいるよ、
ここにいる

 ....
独りの魂の
高い壁が
立ち上がる

青を含み
空は曇天
渦を巻き
唸っている、
叫んでいる、

糸杉は蒼白く戦慄き

野性の風が吹き荒れ
灼熱の太陽、消える星



 ....
内奥の、混沌の回廊の中でフォー・ビートで蠢く魂はもはや臓腑だった、身体的な意味でのそれとは違う心臓を持ち、不規則な鼓動を鼓膜の辺りに打ち上げ続けた、だから俺はそれを書き留めなければならなかった、な .... この曇天の大気に

秋の甘やかな匂い
微妙に含まれ漂い

確かな秋という季節の現れが
わたしの意識を鮮明にする


用水路の土手沿いに
赤々と咲き並ぶ
彼岸花は未だ
見い出せず ....
  火葬場で
  親しかったものの焼失を
  ただ待つことの夏に似ている
  そのイーゼルは ほどなく
  別の出来事に似ていく

  喚ばれて
  追憶をなめらかな塊のように撫 ....
夏の始まりは曇天 灰色の雲がたなびき 川として日常は過ぎ
ランチにはまだまだ早いな 僕は思った
流れ星を探すよりタイムカプセルを埋めよう
そんな僕は 飛行機の乗客で
23歳 透明なはずの身体が ....
二人の会話も水没して遺跡へ還る
時の流れは表層にすぎず
ましてや真っ暗闇
マッチ一本擦って消えるまでの
意識といのちの混同なんて

またすぐ誰かに発見されて
再定義される
そうやって繰 ....
吸い込まれる
遠い汽笛
戯れる子供達の影
娘は出かけたきり帰ってこない

壊れたら
水底深く沈むしかない
たましいの強さを信じて
人生の終わりに
輝くものはあるか
内面深く沈潜して ....
強い陽射しが照りつけるから
それを避けたくなる
汗をかいたり
日焼けをしたり
幼い頃にはむしろ嬉しかったくせに
打ち水をすると
涼しさよりも
湿気が多く感じられて
心地良さと気持ち悪さ ....
ジョバンニは言った
ギターが弾きたいんだと
楽器なんてろくに触ったこともないくせに
なにを唐突に言い出すかと思ったら
いの一番にギターとは
コードの押さえ方どころか
弦の弾き方だって
ギ ....
やわらかい土に落ちた
家の影に
夜明けの前からやって来た
霜柱が永らえる。

昇った蔓が
黄色に朽ちて、
這われた街路樹は
もう葉っぱを落として
とっくに裸になっていた。

揺れ ....
月子は、私の母のことだが、死ぬべきである
私は川沿いの円環を下り荒れた祭壇、
八百万もいれば中には中々に信じがたい神もいて、呪いを司る針金虫の神の祭壇に
軽く手首を切る


月子は海に行 ....
 今日もよく働いたものだと
 よろよろペダルをこいでいく
 農業振興道路
 なにとはなしに空見れば
 何日目の月だろう

 月はやっぱり女なのだ
 スナック『夜空』のナンバー1ホステス
 ....
僕は昔バスで湘南まで足繁く通っていたものだった。夏の駅前にたむろする女の子たちの姿を目にすることが、僕は毎年の楽しみだった。そうであるとはいえ、コロナで昨今は、でも、そんな姿も見かけられなくなってはい .... 都市の封鎖をせねばなるまい
深夜
高層ビルの執務室で
知事は決意する
この街は奪われた
というより
借りていただけだったのだ
そのことを忘れて
好き勝手やりすぎた
知事は体の向きを変 ....
    夏の夕暮れに躓いた
    石ころがあったわけじゃない
    何もないからこそ躓いた
    すぐに起き上がったが
    膝を痛めた
    夕焼けが眩しかったの ....
父親のことを書こうかと思う
優しい男だ
優しさを通り越して
気弱であった
かなり痩せ型で
ひょろひょろしていた
まあこうして
兄も私も
それなりの社会人に仕立てたのだから
立派な大人 ....
壁に掛けた絵が傾いて
棚から雑誌が滑って落ちた
花瓶が床で砕けて散った
みんな急いで外に出た

電線が揺れていた
千切れるほどに揺れていた
笑ってる人もいた

隣の建物で大きな音がし ....
' 水素60% 酸素26% 炭素11% 窒素2.4% その他
' ぼくの身体を構成する原子は宇宙の始まりから在る
' ぼくの身体を構成する原子は宇宙の終わりまで存る

ラスコーリニコフは身体 ....
  それはまるで
  昨日の太陽のさんさんと
  眩しいばかりの煌めきで在り
  今日の雨のしとしとと
  深く深く浸み込むさまで在り
  いつかの風がそよそよと
  凪い ....
本当に困ったときには
道路標識の人型が助けてくれる

人通りの少ない深夜
こっそり
丸や三角の金属板から抜け出して
うなだれる誰かの肩に
ぽん、と手を添える

自転車を遠巻きに眺める ....
昭和の時代
夏場にレコード盤が
熱で曲がることがあった
昭和の時代
音楽は生ものだった

令和の時代
音楽配信が充実し
うまい、早い、安いを実現
音楽は冷凍食品となり
再現性を競っ ....
弛緩する全景
すり抜けてゆく数々の春夏秋冬
繋ぎとめていたかった面影ばかり霞んでゆく

夕陽を背に
手を振り合ったランドセル
当然のように
その先には明日たちが
待っていた 待って ....
自転車を
練習している子供
を見守る父親
をベンチで見据え酒を飲むオヤジ
を横目に通り過ぎるカップル
を素早く避ける宅配の自転車
が行き交う
駅前広場
をホームから見ている会社員

 ....
 手を洗ってばかりいる子供は

 同時に

 髪の毛を抜く子供で

「地獄」と云うものは

 それは「毎日」の意味だった


 夜

 布団の中で

 この世のあらゆる汚 ....
とある大型書店にふらっと立ち寄ると
中古レコードのセールが行われていた

 …ArethaFranklin…
  …ChakaKhan CurtisMayfield…
   …Dia ....
こんな寒い夜だから
いつまでもここにいよう

(非常の際は、ここを破って
 隣戸へ避難してください)

自分の不本意を私にぶつけて
ここに閉じ込めた母

あの時見た一等星は
今日も ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1294)
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