だらしない服が
花のように香る
からだの線が
浮かんでは消える
あなたは
無言にたなびく


降る曇
くちびる
とじたまなこ
うしろあたま
ひとつかがやく
 ....
「先生のじゅぎょう、好きだよ」

その言葉が眩しい
たとえそれがしわくちゃの
紙切れに書かれた言葉でも

ノートの端をちぎって書いた
ひらがなばかりのその文字が
いまの僕に ....
 
初夏の光
ひとつ前の駅で降ります
虫かごもないのに


+


栞はかつて
誰かの魚でした
本の中で溺れるまでは


+


夕日のあたたかいところに
古いネ ....
朝靄の泣き声でした
窓の外のまどろみは綺麗すぎて泣きそうでした
君はこうやって
人工の明かりさえ美しく引き立たせるの
才能だよね
本物と似て非なるものとの対比率
定義など成り立つものか

目を覚ませば ....
今日図書館で谷川俊太郎の『詩人の墓』を読んだ。
そうして大学時代谷川俊太郎を専攻していたというゼミの先生が、今の日本で詩だけで食べてゆけるのは谷川俊太郎一人だと言っていたのを、唐突に思い出したのであ ....
空のすみずみまで血はめぐり
いつもの午後が
今日も静かにあくびする

ふと目が合って
空の心臓が
止まりそうになった

手を繋いで歩いたら
真っ赤な大きな心臓が
名残惜しそうに ....
彼は笑っていた
唇が裂けるくらい口を開けて
顔全体から声を飛ばすように
笑っている
誰もいない砂浜
荒れる海に向かって
笑っていた


空が崩れ落ちる程に声を荒げながら
腹を抱え目 ....
 ことばを見つめているとそれだけで、わたしは誘拐されてしまう、こともある。誘拐は融解で、ことばの意味はどろりと解け出して、わたしの内に流れ込んでくる。眼といわず鼻といわ .... 現状取り急ぎ報告いたします期待はずれでした
それはもう期待はずれでした知らなかった頃に
戻りたいの多くの者が申しております何かの事故で
あって欲しいとも申しております裏側を覗く者もおります
足 ....
おいしいと評判のケーキ屋さんは
有精卵をつかっているという噂だった
怪物みたいな冷蔵庫を開けると
そこには透き通るような殻をした
まだ温かい卵が並んでいるのだと

早朝
こっそりケーキ屋 ....
いたい

     と 君が言って

いたい

     と それを何度も
     くりかえすうちに

いたい

     は ちいさなけものの形になって
     遠くへ走 ....
永遠に議論になりそうで深刻な問題、
「卵かけごはんに何を入れるか?」

・揉み海苔は絶対外せない
・ちりめんじゃこを入れたい
・しょうゆのみ!
・味の素、入れていい?
・鰹節がなきゃ
 ....
喉の辺りがひきつれる
この道でいいのかと
訳も意味もない問いで
つっかえている
あてどもなく歩いて
歩いて
歩き疲れて
休み時間は終わってしまう
薄暗くひんやりとした壁 ....
海面を
半音ずつ上下させ

間隔を
少しずつ狭めていくと

音もなく
止まったように

張り詰めた海面は膜を張り
そのずっと深くに沈んだわたしを
柔らかく包み
すくい上げる
 ....
映画館で私は単なる映写幕に過ぎない。 
私の皮膚の上をひかりとかげが交互に駆け巡り 
さまざまな色彩が躰じゅうを舐めまわす。 
しかしそのことによって陶酔することはない。 
なぜならひかりの舌 ....
硝子を失くした窓の列を
鳥と花と草木が通る


ここは痛みを知らぬ胸
ただまなざしに焼かれるところ


道から湧く音 光まじる音
重なりを解いてはつなぐ音


 ....
海と空は手を合わせ
真っ白で
ふわふわの
雲のじゅうたんをつくっている

風はごうごうと
じゅうたんを
夕日にひきわたし
夕日は
やさしく
オレンジ色に
染めている

通りか ....
目標のために歩きすぎた男が疲れ果て国道の自販機にもたれる
もはやそれが何のためかも判らず、目はかすみ、喘ぐように
排気ガスと埃に汚れた空気を吸い込む
ああ、あいつの心はもうすぐ折れてしま ....
WARNING!WARNING! (←無駄に英語。笑)

このページには人を不快にさせる表現が載っています。
自己の判断と責任でご覧ください。
あと、意外とテキトーなのでテキトーに見てください ....
皆揃いに揃って終息へと向かう
くたびれた終列車に乗って
規律正しい、けれど弱々しい
街灯の列へと突っ込んでいく

こうやって抜けていく
現実を
夢となぞって
ねえほら、もうすぐ

 ....
■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□
不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】
第92号 2004/3/27発行
■■■■□■■■ ....
 
 
淡い群青の海で
君は溺れる
カタカナ表記の僕ら
未熟な青年果実
病むときもあるのさ
電工掲示板みたいな孤独
握る握る未来
とか
 
ミルク色の憂鬱
シャツのワールド
 ....
*
窓辺に置いた椅子の背のあたりから
沈黙が広がっていく
雨の予感がゆるやかに部屋を満たし
そしてひとつの声がおわった

山腹の地下駅は深いトンネルの底にある
プラットフォームに降り立つ ....
+誤報+

夏蜜柑色の
カーブミラーに
映る
途方にくれた宵の
ちっぽけな存在感が
ちっぽけに健やかに
廃している

森の陰でぐったりと元気な蕨を折る
麦藁帽子の奥が宇宙のように ....
 どうしようもなく不自由で
 どうしようもなく縋るものに縋って
 どうしようもなく飢えていて
 どうしようもなく自分を殺してきた


(絶対的な値が欲しいと努力した、誰もが認める値 ....
闇に川音の迷う{ルビ硲=はざま}の村
トンネルに切り取られた高架橋
しじまを蹴散らしていく道しるべ
{ルビ硲=はざま}に閉じこめられていた記憶が目を覚まし
一瞬顔をしかめるも
手招きに不安を ....
こちらにいらしたあをの過程さん、がいなくなって、
私にはどうしてもどうしても、彼を、とか彼に、とかの詩や散文は書けない。
ただ、これから私が書いていく詩の中に、少しでも良いものがあったら、
そこ ....
落とし穴を掘った
たくさん掘った
通り行く人たちが
すこんすこんとはまっていった

はまった人のいる穴に
名札を立てかけて
名前なんて知らないんだけど
名札があった方が便 ....
  夕暮れ色の飛行船、
  たくさん空に浮かんでいたけれど
  空と一緒の色だったので
  誰にも気付かれないままでした。

  *

  毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
   ....
帰ろうとしたら壊れていた
自転車
サドルが遠く 曲がって

きっと人ごみに
押されたのだろう
かたちあるものは壊れていく
いつから
怖くなくなったんだろう

父の記憶も
それに似 ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1294)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海辺- 木立 悟自由詩1108-7-12
「何かが眩しくみえるとき」- ベンジャ ...自由詩5*08-7-8
海の伝言- たもつ自由詩2508-6-21
天才の朝- りぃ携帯写真+ ...108-6-1
詩人の墓- 亜樹散文(批評 ...5+08-5-31
空の心臓- 小川 葉自由詩508-5-11
笑人(わらうど)- 木屋 亞 ...自由詩2*08-4-30
「_あぶだくしょん。_」- PULL.自由詩5*08-4-28
ノーギャラリー・ノーリアクション- キリギリ自由詩308-4-20
或るケーキ屋さんの話- 吉田ぐん ...自由詩608-4-19
けもの_のけもの- Utakata自由詩508-3-2
卵かけごはんに何を入れるか?- 風音散文(批評 ...5*08-2-25
行方- よしおか ...自由詩8*08-2-15
ビブラート- こゆり自由詩8*08-2-9
映画館で私は- 音阿弥花 ...自由詩1*08-1-26
円軌業音- 木立 悟自由詩9+07-11-17
雲の工場- hiro自由詩3*07-11-17
亡霊の午後- ホロウ・ ...自由詩1*07-11-5
スラング基礎講座〜アメリカ人と喧嘩してみよう編〜- 榊 慧散文(批評 ...907-10-23
されこうべと終列車- かのこ自由詩307-10-23
リズム&ライム(rhythm&rhyme)- 木棚環樹散文(批評 ...107-10-19
携帯電話- ゆるこ未詩・独白207-9-21
- カワグチ ...自由詩507-9-16
誤報+光彩+波止場- 一般詩人 ...未詩・独白1*07-8-20
いつかの値- ドロップ未詩・独白207-8-6
無人駅- 悠詩自由詩8*07-7-27
あをの過程さん- ふるる散文(批評 ...12*07-7-14
落とし穴通り- なかがわ ...自由詩7*07-6-30
幻視顕微鏡- 嘉野千尋自由詩61*07-5-27
素数- umineko自由詩17*07-5-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44