許さないから
与えない
見捨てるために
置き去りにする
そのために
口を捨てる

老人のように聴衆の中に立つ
彼らと同じ土の中から生え出た
私の体はいったいいつ
老人になるのだ ....
あれは馬だよ
あの、大きな生きものは
教科書にあったとおりだ
はやく駆けるそうだ


背中には、古い古い文字があって
誰も読めないのだけど
そこを撫でると
ぶふふう
と鳴くそうだ
馬とはそういうものな ....
 今から30年以上前に高田馬場で朗読会を
していた上手宰さんは僕が尊敬する詩人で、
4月の「ぽえとりー劇場」は世代を越えて詩
を共有する雰囲気になったのが、とても嬉し
いことだった。そして、長 ....
犬は音量がデカい

犬はいつまでも音量がデカい

猫の音量もデカいが

こっちは、しばらくすると「ブツ…」という音と共に消えるのが定番だ

なのに犬はまだ音量がデカいので

飼い主 ....
髪を切る音
霧に落ちる道
羽と火の音
氷の船


高く奇妙な階段の家
ある日消えたあとの空地を
ひとつふたつすぎてゆく声
影のなかをすぎる影


海に沈みか ....
群青がおりてくると
土は冷たくなる
それにふれると
からだじゅうが嘘のように固くなった
すると、ひとりの子が
私はおんなのこです
と言って
すこし笑った
私にはよくわからなかったけど
 ....
大騒ぎしていた隣の部屋の大学生も
煙を撒き散らしていたスポーツカーも
凛と顔を上げていた向日葵も
みんなみんな、眠ってしまった

ベランダから両足を突き出して
ぶらぶらと泳がせて笑ってみる ....
死んではいないのだね
そんな囁きが体中を循環している

いつからか
私の胸にオウムが居座っていました
住ませてあげているのか
住んでもらっているのか
もうよく分からないけれど

生き ....
誰に教わったわけでもないけれど
新しい始まりの予感は
そうやってくる

五月の風は
そんな淡い期待を感じさせる
芽吹きの音が聞こえてきそうな緑色で
あなたは窓から入り込んでくる風を
そ ....
薔薇をあなたに
五月の薔薇をあなたにあげたくて
私はひとり庭をさまよっている

ハーブの花畑を通って
クレマチスの花園へ
キングサリのアーチをくぐったら
そこはもう薔薇迷宮
色とりどり ....
 その頃・・・・







  「 さよなら、えんぴつくん 」  作 (ボク)


   (どこにいっちゃったの?)

   書けば書くほど
  ....
雨が降り続く夜を
遮ってしまおうと
戸袋から雨戸を引き出しかけて
ふと 手を止める

視界の端で
何かが咲いていた

雨戸とガラス戸の隙間
わずか2cmの
薄っぺらな空間の足元 ....
                 090514

良くない
欲が無いから
良くならない

良くない
良くない烏が
良くない男を囓る
囓るのは狸の癖
良くない狸が良くない烏を囓る
 ....
それは傘マーク寝起きに刺さる尖った音階だ、とか

それはキャブドライバーの憂鬱とケミカルな気分だ、とか

それは雲間に見せる僅かな隙に流れる青空と削れるワイヤーの調べだ、とか

それは息し ....
ひざ小僧
どこの小僧か知らないけれど
みんなが知ってるひざ小僧
スカートの下でかくれんぼしてる
いやらしいなぁ

だけどね
転んだときに一番傷つく
ひざ小僧
私を助けてくれるから
 ....
30、29、28、息を切らした
駆け巡るは時か我か
さらにスピード、増して

25、24、23、諦めている
絵札無きポーカーだね
有り金出しても逃げ出す

それは美談さ、我が身振り切り ....
尻が黄緑色の赤いりんご
地球の頬が凹んだ形
よく見ると日本列島のあたりに
小さな傷がある
皮ごとかじると
茶色のしみになっていて
セピア色の記憶がよみがえる

家族で
伊豆の修善寺に ....
君は頭のごくわずかなすきまに
生温かいミルクを注ぎ込んで
僕を騙そうとする

不安な宇宙を満たすそれが
なんなのか分かったとき
君はもういなかった

君は誰?
過去進行に思いをめぐら ....
例えば犬や猫みたいに
せめて小さい頃の姿が
あいくるしいものだったら
愛することを知れたのに
愛されることを知れたのに

子供のころから
ずうっと考えていたこと
あたし本当は
毒なん ....
雨音に紛れ、扉が僅かに軋んだように思えた。
母親がこまめに掃除しているのだろう。
微かな埃と日向の匂いがする。
雨粒。雲を縫うこどもたちの声。坂道を駆ける軽い足音が風に乗り、ガラス戸を揺らす。
 ....
目を凝らせば
ほら
どこにだって
青空は
蝶の羽根のようにひらひらと
舞っているし、
掌にすっぽりと納まる
幸せの尻も
なんだか春めいて
キェルケゴールを足蹴にしている


 ....
メモ
あまり記憶がないので
自分の子供時代の話を母から聞く
3つで小児喘息がはじまったのであまりスポーツに熱中した覚えが無い
水泳とクラシックバレエをやっていた
小学校に上がる前から本読みだ ....
 悪い子がいたら えんぴつくんに
 目がキラキラの良い子にしてもらうといい

 気難しい笑わない偉人たちも
 頬っぺが丸くなったり
 ヤクザにすぐなれるんだも ....
               090412


後継者不足で廃止される事業
後継者はいるけれど
儲からないから採算が取れないから
廃止しなければならない事業
儲かることはなにか考えて ....
 
 
夕日が沈むと
真っ黒な紙を空にしきつめ
穴のたくさん開いた
空の向こうから
いろんな色の
ランプを照らしてる
私たちは
それが星であるかのように
夜空を見上げている

 ....
 
 
扉がひとつあった
父さんの扉だ
厳重に施錠されてるので
誰も開けることはできない
父さんの少年時代のことは
聞けば話してくれるだろう
けれども僕は聞かない
なんとなく照れくさ ....
夜が終わる前に
銀河がサイクロンになって
いらない文字を吸いとりに来る
(サクラ、サクラ、琴のおと)
貼りついてしまったものを
ひとつひとつ
はがしてみれば
どれも忘れがたいもの
けれ ....
週休出勤の帰り道
駅のアナウンス(それも合成音声)が
曖昧な事を言っている

まもなく、普通、上野行きがまいります

普通って
それじゃ事によると
上野じゃない所にも行くんだ

 ....
{引用=*地下の風}啓蟄
三月の風が吹いている
この風は
地下の何処まで届くだろうか

春一番ともなれば
地下一階ぐらいまでは届くのか
台風の日
風とともに地下が
水浸しになってしま ....
漁色に耽った
日々に
思いを致し、
日は暮れてゆく。



俺が
舌の先で
乳首の先端を
舐めれば、
お前は
声を漏らす。
胸を震わす。
目を潤ます。
そう、
すべては ....
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