ここはひそやかな放課後が続く学校の廊下だけが永遠につらなってできている。壊れて積み重ねられた机と椅子が、防音ガラスの窓から差し込んでくる青みをおびたピンクの夕日に、金色の埃を浮きたたせ、影を濃くして .... 神事なさいと言う内奥の声を
聞いて私は急発進の車を
避けながらプールに飛び込んで
禊(みそぎ)潔斎(けっさい)を
水垢離(みずごり)で済ませてから
ちんちんの熱いお湯を何気なく
口に入れて ....
十一月十八日 江戸 秋葉原
野次馬たちの視線を七色に乱反射させ
聳え立つは巨大なギヤマンの壺
その目もくらむ頂上の 縁を走る 影二つ

永久脱毛された花魁姿のゴリラ
追いかける血まみれの巡 ....
 私の仕事は「ぬ」である。
 なぜ「ぬ」が「わ」だの「た」だの「し」だの「の」だの「こ」だの「濁点」だの「と」だの「は」だの「かぎカッコ」だの使いやがるんだ、とおっしゃるかもしれないが。それは貴方に ....
イージーオープンがイージーでない
ひとり笑って寒くなる
目が覚めてすぐ目が西陽にやられて
ちかちかしながら
インターネット動画を見続ける
朝ごはん昼ごはん晩ごはん
昨日の夜も風呂に入らなか ....
 て・き・べ・ん

             邑輝唯史

丁寧に入れた人差し指を肛門の中でくねくねさせて
気持ちいいものだと思っていたら
息を吐いて次は息を吸って言われて
これはもう陣痛 ....
払い落とされるのが
私自身の精霊と言えるものであるならば
もう悩む必要はあるまい

リンゴが落下する
画家は決して筆を取らない
これに関しては逆らえない伝手はないし
永遠の壺の中 ....
ああ 蔑まされて 交渉
早朝の 便器に またがり 用を足す
脚が無いから 片道 1時間のトコロ を 多めに見積もり 頭を垂れて 浮く
無人の島では 骨折したガイドが 輪姦され 100円均一 の  ....
ゆーらりと
死のただ中で生きている
明滅するたましい
骸骨が怯えている

カタカタと音を立て
ボルトが緩まり 腐食する身体
錆びついた心に映る闇と光

絶望か諦めか 
すべてを受け ....
やがて知ることにだろう 
わたしの真実


毒の入った林檎をいくつもしまっておいて
いつ胸の奥から取り出そうか
考えることはそのことばかりになってきた

沈黙の呪文がひしひしと忍び寄る ....
床の瞳
傷の瞳
階段の球
水の震え



櫛の先が
標に刺さり
白く白く
咲いてゆく



流木のはざまを流れゆく
骨の行方をひとつ知るとき
咆 ....
暗く淀む沼があって、
底のない沼があって、
死体でそれを埋めたてて、
若者達の死体で埋めたてて、
死体はどれも血まみれで、
瞳は濁って光が無くて、
なかには首が折れているのもあって、
そ ....
飛んでいったコンビニ袋が
最近見なくなった野良猫に見えました
木枯らしが渦を巻いて

去っていく名前のない怪物は
耳の端を赤く染めている

そのうち冷めるからといって
一瞬のぬくもりを抱 ....
縁側に転がってみれば
満天の星空
その輝きの一つ一つが
何十年も何百年も前のものだと分かってはいても
今、この星々は
消えてしまっているのかもしれないと分かってはいても
その美しさから目が ....
薪ストーブが煌々と燃えている
その上に遥かな時を巡った鋳物の鍋
穀物と野の草と獣の骨肉を煮込んだもの
それが飴色に溶け込んで
ぷすりとぷすりと
ヤジのような泡を吹かせている
端の欠けた椀を ....
板は沈まないようだ
どうしてそこに靴があるのだろう
夢が泳いでいる
私は空を飛びもがいている
靴を履かせてくれ
黒が白に力を込めて

草だらけだ
草を二つ用意してよ
そして私を粉々に ....
手稲山の頂辺りに白いものが見える
――書置き 今朝早く来て行ったのだ
見つめる瞳に来るべき冬が映り込む
雲間の薄青い空
氷水に浸した剃刀をそっと置かれたみたいに
張り詰めて でもどこか 痺れ ....
県道沿いの山は粘土質だ。
いつも湿っていて、
一歩ごとに靴底へべったりと張り付く。
私は墨染みた卒塔婆を背負っては、
暗き夜に忍び歩く。
夜露は私の身体をぬらす。
ぬれながら、泥で汚れなが ....
{引用=ひび割れ}
雨音は止んだが
雨はいつまでも
乾くことのない冷たい頬
満ちることも乾くこともなく
ひび割れている
  悲しみの器



{引用=天気雨}
泣きながら微笑むあ ....
あめがふる
ゆめのなかにも
部屋の中にもあめがふる

あめがふるふる
あめがふる

おもいでとかして
あめがふる

トイレの中に
あめがふる

あめがふるふる
あめがふる
 ....
灯台回転光
遠くを見ています
見えない人に
私はここですと

夜中に見つけて下さい
灯台回転光

星たちよりも
ずっと正確
気まぐれに
流れいく事もないから

少しずつで ....
遠回りをした先の
二度と通ることもないような裏通りで
黄色い階段をみた
幾重にも黄色く重ね塗りされたような階段
色合いもさることながら
どこへ通じているのか、そもそもここを上る人がいるの ....
「せんそうはんたい」とさけぶときの
あなたの顔を
チョット
鏡で
見てみましょうか。

なんだかすこし
えげつなく
嬉しそうに
楽しそうです。

わたしには見分けがつきません
 ....
あれは
だれかを
思わせる夕焼け

非常口から
眺めていたっけ
ベランダからも
眺めていたっけ
心の窓が
開いていたっけ
絵の具がこぼれて
しまっていたっけ

わたしらを造っ ....
人のいない事務所では
書類から何から死骸のようだ
我々もみな死骸として
書類という死骸と
戯れているに過ぎない
事務所ではすべてが死んでいる
やがて勤め人が出勤し
事務所は賑わいを取 ....
それは自然淘汰、群れを成していた僕たちが、気性の荒い一匹のおれに住みかを奪われ、そのおれは省みるに主人公などでは決してなかった人生、謙虚に生きなければならぬと道を譲り、 そのうち私になり、そもそも自我 .... いくつかのブラックホールを超えて
僕の船は宇宙を漂っている
星はきらっと輝いたかと思えば
それは一瞬のきらめきであり
あとは黄銅色の鉱石が漂う空間だった
宇宙に風はないというが
少しだけ風 ....
降られても 傘ささないで
ハンドポケットで歩いていく
いんわいで にぎやかな 夜のまち
人波の道のさきにみえる幻から目を離さず
メールもせず いわんやケータイさえもたず
ただ 歩き続ける彼女 ....
朝が来たらしい

いつのまにか雨の調べは遠ざかり

ぼんやりと明るい
そして
うっすらと温かい

光が温かいのは
きっと誰かが決めたこと

光が遠ざかれば また
冷たい闇に抱か ....
長時間眠っていることが
出来なくなりました
妻の手を探ることがあります
海に出かけてみたいです
私は幸せだろうか
明日は早く起きて
六時の快速に乗るのです
鮮やかな色の苺ジャム
娘たち ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1294)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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11月18日秋葉原で- ただのみ ...自由詩5*17-11-18
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て・き・べ・ん- 乱太郎自由詩817-11-14
洗浄- 乱太郎自由詩10*17-11-12
20171110_work0000@poetry- Naúl自由詩217-11-10
ゆーらりと- 星丘涙自由詩7*17-11-8
トロント行き623便- 乱太郎自由詩12*17-11-6
かたち_くぼみ- 木立 悟自由詩417-11-5
埋めたてて- 渡辺八畳 ...自由詩517-11-5
受容と共有- 青の群れ自由詩1017-11-2
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白髪の朝- ただのみ ...自由詩14*17-10-18
卒塔婆を背負いて山をゆく- 渡辺八畳 ...自由詩1217-10-18
秋の雨/感傷として_五編- ただのみ ...自由詩17*17-10-14
あめがふる- 星丘涙自由詩4*17-10-13
灯台回転光- おっぱで ...自由詩517-10-11
黄色い階段- 宮内緑自由詩6*17-10-8
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you焼け- やまうち ...自由詩4*17-10-6
オフィスの死骸- 葉leaf自由詩517-10-5
呼吸- N哉自由詩217-10-2
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ティンカーベルよ_ティンカーベルよ- 犬絵自由詩417-9-30
柘榴の国のお姫さま- そらの珊 ...自由詩13*17-9-29
サテュリコン- tem8744自由詩3*17-9-24

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