これは
どこへゆく電車?
東京に行きますか?
故郷に行きますか?
被災地に行きますか?
きみんちに行きますか?
外国に行きますか?
天国に行きますか?
地獄に行きますか?
遅刻しませ ....
ほんの
小指のつめほどの
ささやかな背に
滑らかに乗る
勤労の
まる

悠長に
せわしげに
その身に負わされた太陽の名を
あちらこちらへ
振りまいて
唐突に
発つ

 ....
ゆうがたの上弦の月を
散歩途中にみつめた
右半分の白さに
みちていく真っ直ぐな時をおもうと
裏切られても裏切られても
信じるということを
おしえてもらっている気がする
有り難いことにかわ ....
鳥のそばに鳥が降りて

と つぶやく


すると色は
色をやめるのだ
指さえ かなぐり捨ててまで


目は とうの昔に
泡のものだから
灰を踏みしめ 灰を廻る ....
いちじくがなりすぎて
おしうりされて
いやになる きみの
ことがだいきらいなわけではないけど
だいすきなわけでもない
いっそきらわれたほうがましとでもいうように
そのみはすこしわれていて
 ....
ジリジリと晴れた日
セミの声に満たされ
ぷかぷかと白い雲が
浮かんでいた日
隕石が突然空から降ってきた

閃光を放ちながら
猛スピードで
空から降ってきた隕石は
地面に落ちるやいなや ....
青白く痩せた肉体が
強い熱で焼きつけられたような木立の影
生命の湿気を含んだ呼気は
生まれたそばから掻き消えてゆく


君の祈りを
君の祈りを
君の祈り ....
そこには雲ひとつなく
静かな青空があった
白い太陽の線が
存在を地上に焼き付けた


僕の形をした暗黒
何も語らず
何も見ず
僕と同じ動きしかしないが
深い深い底無しの
 ....
さざめく森
煌めく湖
澄み渡った空

白馬が鬣を靡かせて
草原を行く
紫色の羽虫が
周囲を飛び回る
白馬の肉が
一瞬一瞬の間に
削ぎ落とされ
気付けば白骨に
後には血も残らず
 ....
“おかたい本は本店へお願いします”

学生アルバイトらしき若い男が
わざわざ立ち上がりそう言って
ナイロンの大型ボストンバックへ
ゆうに二十近くはあっただろう
書籍を詰め込みなおしてく ....
同じ服装をしたサラリーマンたちの服の内側には
めいめい異なった種類の絵画が掲げられている
自分の絵を見せたくて見せたくて
それでも同時に会社の利益のために欲望を抑えるから
せめて外 ....
眠りかけた記憶
忘れかけた約束
フライング気味の告白
手放しの祝福
見つめあう視線
戸惑いのしぐさ
初夏のマボロシ
早歩きの夜
それぞれの暮らし
場違いなロックミュージック
 ....
熱帯がやってきた
渦巻きが熱い空をはこんできた
雲のないウルトラマリンがやってきた
木々の葉は分厚い濃色になり
くっきりと影を落とし
風にちぎれてぱちぱちと戸をはじく

うなぎが流されて ....
蝉は喚いているのだろうか
虫に生まれたわが身を嘆き

いや むしろ
祈り続けているのだろうか
来世の至福を待ち望み
朝、昼、夜と、勤行を欠かさず
一心不乱に経文を唱えた
信心深い祖母の ....
彼らは、けして日々の安穏を知らなかった
 いや、
擬人化した爆弾そのものは
あの夏の日を、とうの昔に忘れてしまっていたのだが

 リトルボーイ、
 ファットマン、
 君たちはこの世に生ま ....
            なぜだろう?
終着駅名と終着時刻をアナウンスしない
   ミルキーウエイ鉄道の専務車掌は

    ゆめをまぼろしにしないためか
   誓願と期待を反古にしないためか ....
はるか
昔を向いているひとの
すべてが灯りと
なりますよう、
祈るわたしは
濁れるわたし
ひとごとみたいに
まったく淡い
時刻表

五本の指があるわりには
そこに受け取ら ....
蛇口は歪に世界を映す。
俺の右頬と右頬と、右頬を、全部違った面に映す。
映し出す。
それがなんとも歪んでいて、
気持ち悪くて、
歪んでいて、
それゆえ真に迫っていて、
気持ち悪くて。
 ....
昨夜ブランコを聴いた公園に
再び立ち寄ったら
子供たちの笑い声がした

見ると
遊具も砂場もない
公園の中心で
小学生くらいの子が三人
はしゃいでた

青っぽい砂の地面 ....
結ぶ手の影がこだまする
無数の鉄路の冬を越え
灰がこぼす粉の首
白へ白へ 消えてゆく日


花があふれ
段をのぼり
影と話し
蒼を残し


水が水を伝え
音は ....
僕という泉の湧き水の量は一定のはずで
僕は泉の水をちょうど飲み干すことで毎日を生きているが
それ以上の水が必要とされるとき
仕事の熱量が僕をさらに引き延ばしていき
もはや水ではなく ....
>吹いて
<吸って
<吸って
>吹いて

あたたかい息が
リードをふるわせると
やわらかい音符があらわれる

>吹いて
>吹いて
<吸って
>吹いて

さみしい唇を
 ....
火が燃えている、火はささやかに舞い、わずかな黒煙を伴い燃えている。
すでに燃え尽きようとしているその男は、小さなともしびに油を注ぐ。
日が燦々と差す部屋の片隅の小さな戸棚を開けると、油の瓶が並んで ....
トラックの運転手や作業服の男たちで賑う
国道沿いのコンビニの朝

駐車場の隅の喫煙コーナーに
隠れるように佇んでいる
くすんだ鶯色のトレーナーに古びたGパン
真新しさが不釣合いなスニーカー ....
枯れ井戸の底に蹲って
見上げている 星空
赤い色の流れ星が 切り裂く

家路を急ぐ 羊飼いの少年
今朝通った道は,塞がれている
黒々とした金属光沢の壁
青ざめた月の光ほど孤独

 ....
タバコの箱くらいのおおきさの
チョコレートの箱に
金魚の絵が描いてあって
その金魚は箱をぱしぱしとたたくと
絵のなかの水のなかで
ぱしゃぱしゃと跳ねるのです

面白がってぱしぱしぱしと
 ....
大粒の水滴がつたう窓辺で
1人頬杖をついてまどろんでいる
轟音と共にひび割れる空
その破片を恐れてどこか違う空へと飛んで行った鳥達
母なる大地が容赦のない雨に鞭打たれる姿を見て いたたまれなく ....
梅雨の晴れ間に、ひときわ
紫陽花は朝陽に輝いていた、その朝

報せの電話が真夜中に鳴った
冷静と言えば、聞こえはよいが
私の応対は驚くほど事務的であった
どこかに、安堵が潜んでいた

 ....
この先の道をまっすぐゆくと
あなたのいままでに見たことも無いような
途方のない長いトンネルが在ります

トンネルに入るとそこはとても暗く
振り向くとついさっきまで身を置いていた入り口の手前の ....
 凪いだ水面のしずかさで
 花のように老いてゆく
 女がいる


 さくら
 と よばれた
 ひとりの女は
 ひとりの男の
 妹で


 おまえのよろこぶような
 ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1288)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
どこへゆく- やまうち ...自由詩1*14-9-21
てんとう虫- 千波 一 ...自由詩1314-9-16
月は光る- こしごえ自由詩1*14-9-13
ノート(午後のかたち)- 木立 悟自由詩914-9-11
いちじく- そらの珊 ...自由詩18*14-9-8
降ってくる- opus自由詩214-9-5
歯痒さで発芽する- ホロウ・ ...自由詩8*14-9-3
-4℃黒の領域- 凍月自由詩7*14-8-30
fantasm- opus自由詩114-8-21
かたい本- 天地無用自由詩2*14-8-20
ユニフォーム- 葉leaf自由詩114-8-16
そらもよう- BOOKEND自由詩1*14-8-14
Une_Tropique_Triste_(かなしい熱帯)- Giton自由詩4*14-8-11
夏の歌- Lucy自由詩17*14-8-7
妄信する肢体_☆- atsuchan69自由詩7*14-8-4
残された時空_四- 信天翁自由詩214-8-1
水の駅- 千波 一 ...自由詩614-7-26
ばけずもの- DAICHI自由詩114-7-23
4秒でいち- 凍月自由詩5*14-7-19
水辺_さまよい_Ⅲ- 木立 悟自由詩3+14-7-1
残業- 葉leaf自由詩114-6-20
ハーモニカ- nonya自由詩22*14-6-14
火と水- 山人自由詩8*14-6-12
ある朝- 山部 佳自由詩314-6-6
流れ星の夜- 藤原絵理 ...自由詩6*14-6-4
うたかた- 砦希自由詩13*14-5-30
Mood- 自由詩114-5-23
紫陽花- 山部 佳自由詩1114-5-22
この先の- 砦希自由詩114-5-19
さくらの笑み- 石川敬大自由詩1114-5-15

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43