午後の体操が始まると 
もの忘れのお爺さんは 
何かを思い出したように 
皆の輪からむくっと立ち上がり 
部屋の外へ歩き出した 

つきそいながら隣を歩き 
途中でソファに腰を下ろして  ....
 この先は川でいきどまりのはずなのに…


 帰ってゆくオランウータン
 帰ってゆくパンダコパンダ
 帰ってゆくオットセイ
 帰ってゆくコアラ
 じてんしゃにのって
 はた ....
わたしたちより古株で
わたしたちより広い範囲に
(未知種)として一括りされる
名もない虫がいまもずいぶんと生き抜いている
らしい



Gという
まことに理論的な空間で
アドレス武 ....
だれが落としたんだろう
道のまん中に ど〜んと立って
いきかう車を
にらみつけている。
すり傷の鼻が
もち主を捜索しているのだ。

朝陽がさすころ その生首は
テーブルのうえで ごろん ....
むすこが
いじめられているらしい

ちちもまた
いじめられていると
じかくしたのは

おさけをのんでいる
ときだった

むすこはまだ
おさけがのめない

のめない ....
思い立ったが吉日で
溢れた本をのけて 本棚を見つけて 本を出す。
手前ものから出すに連れ 過去へと戻ってく。
奥にあった 表紙がボロボロで 何度もめくった特別の本。
ざらざらする表紙をなでて  ....
戻る必要なんてないんだよ
ちょっと静かにしてくれないかなぁうるさいよ
あの女は一人の男では満足させられない魔液だから
一人で突っ込んでも地球の裏側の胎盤に貼り付いて
血を流して網膜剥離するだけ ....
 
 
Spring has come.
バネがやってきました
おつかまりください、つり革や手すりに
急停車をすることがあります
電車は事故防止のためにです
このまま直進五十メートル右折 ....
小さな種を
たくさん産みます
穢れた川の中で
震えながら
産み落とします

跳ね反った
光の空は
青いですか

失われた星の色は
私には
見えません

溶けた結晶で
でき ....
夏をいただきに 急いで出掛けたら
突然 街角に呼び止められたよ
ほら ここに夏がいるよって
喫茶店の自動ドアが開いたんだ

うん 来たばかりだから
隣の蛙がアイス・オ・レ飲んであくびしてた ....
きのう、よく晴れて、
成田山新勝寺まで、
数え43歳の厄払いに、
職場で、3月まで、派遣で隣に座ってた、
37歳の女性と、
日暮里から、京成線に乗って出かけた。

途中をすっ飛ばすと ....
今日は落日は見なかったな
見なかったな。小雨に覆われて
道行くケンタロウも見なかったな
ケンタロウの紐に引っ張られていくおじいさんも
やっぱり見なかったな
観察という行為が
とても少なくな ....
まどろみの風下で
アミメキリンの夢を見た

縁側の木漏れ日の
網目をかいくぐって
鯨偶蹄目キリン科の
枝先に腰掛けていた

うたたねの岸辺で
アミメキリンの夢を見た

首を長 ....
開け放たれた 窓を 飛び出せば
どれみふあ空のかなたどちらさまでしょうか
わすれがたみということの
わずかないたみを もつものです

聞きかじりのリアリティに
意義をとなえる あたしと
 ....
電車の自動扉から
春が吹き込む
そして夏が来る

アナウンスが夏を告げる
夏はにこやかに笑いながら
春を押しのけようとした

春はなみだを流した
アナウンスは夏を告げる
駆け込み乗 ....
水の子ども
鏡にしるしを
つける子ども
今日は 離れて


泡の手と手
ひともとの
すべてがすべてに
あきらかな夢


青と 次の色
半分の径
仕草 ....
はい、どなた?
玄関のドアを開けてみる
ツルツルの警察官が立っていた
まことに申し上げにくいのですが
近所の公園のかたすみに
あなたの遺体が見つかりました
と言うので
下半身ですか上半身 ....
新しい
事業年度の
始まりの月
俺の会社にも
フレッシャーズが
やって来た

超氷河期を越えて
鳴り物入りで
やって来た
ハイパーな奴等

遠い昔
新人類と言われた
俺たち ....
けしごむの行方
張り紙にあった落書き
夏に見た夜
冬に見た朝

説教の効能
酩酊の置き場所
未来への追認
路傍の歴史

蓄積と読書
薄情さと誤認
同一と一般化された認識
 ....
俺はある夜、見知らぬ男に叩き起こされた。

俺は西荻窪の10階建てマンションの8階に住んでいる。
気休めではあるがマンションはオートロックだし、
玄関の鍵はもちろん掛けてあった筈だ。

し ....
長いうでに春風をからませて
すいすいとあるいていく
かび臭いまちを泳ぐように

恋はもう
ずいぶんまえに終わっているのに
曇天に胸が鳴る
彼がふりむいたら
また恋がはじまってしまう
 ....
合浦の浜に藤を見に行くのが好きだって
ばあちゃん 僕にお菓子を買ってくれて
二人してバスに揺られて 行ったよね

桜も沢山な公園だけれど
その頃は いつも人が ごったがえしで
僕は ....
むかし、むかし、
世界なんて滅びちまえ
って切に願っていた少年がいたんだ
でも、
いざ、世界が滅びる
その日に
彼は
僕とお母さんとお父さんと
あと、同級生の千絵ちゃんだけは
救って ....
何処までも響いて鳴り止まない森の梢たち
降る雪が そうして白金の鈴を鳴らしている
耳の先の黒い兎が 雪原を駆ける

(優れた獣は所謂 「気配」を感じる 
 視聴覚と触覚、臭覚を統制する  ....
オノヨーコになろう
引き出しの刺激をおそれず
天井の見えない刺激にも 、負けズ
テーブルの誰かを愛し
誰かのそばにいて
裸のまま
ことばをあやつり
ことばに生きて
こ ....
眠りによりそう
咲きおくれた百合の白い想い
写真のなかにおさまったあなたは、
昔見せた笑顔のままで
私をみつめる


じゅうぶんに苦しんだのですから
もう休んでもよいのです
生き ....
うずらのたまごの
からに
お花を挿して
ちいさなちいさな窓辺に飾る

窓はまだほんのぽっちり
かすかなあかりを入れるだけ

川べりをそっとあるく
ふたりで
手なんかつなげたらいいけ ....
空から川へ
融け落ちる途中の樹が
水面で動きを止めている
野のむこう
そぞろ歩きの雨曇


穏やかに酷く
匂いのひかり
壁づたいに
曲がりゆく影


川から海 ....
人が行き交う
言葉の波が漂う
お金が交差する
ここもある意味 町だ 息をしている

ヒューマンウォッチング
例えば大阪伊丹行
出発2時間前 搭乗予定客はもうStandby
落ち着かぬ待 ....
音楽を聴いている


街灯の下
あたりに歩く人の姿は無い
無表情な乗用車の
遠慮のないヘッドライトの光
と時折すれ違いながら ふらふらと進む


耳をふさいだまま歩くのは
 ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1293)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
今日ノ夢_- 服部 剛自由詩411-6-4
城址公園の傍らの川沿いの道は通学路なのだった- 石川敬大自由詩14*11-6-2
、(むし)- 乾 加津 ...自由詩15*11-5-30
メロン- 草野大悟自由詩2*11-5-27
親子- 小川 葉自由詩411-5-25
整理整頓- 電灯虫自由詩6*11-5-20
活力に着いて_匂い起つ- 狩心自由詩3+*11-5-16
Spring_has_come.- たもつ自由詩711-5-8
つみ- within自由詩6*11-5-7
いらっしゃいませ_夏- subaru★自由詩5*11-5-6
人生で初めての女- はだいろ自由詩711-5-5
一日- 理来自由詩711-5-1
キリンの夢- nonya自由詩20*11-4-30
あまがみ- るるりら自由詩21*11-4-25
五月- 斎藤旧自由詩6*11-4-24
ノート(ひとつ_こども)- 木立 悟自由詩811-4-15
植えられる- リンネ自由詩911-4-14
フレッシャーズ_カット- 和田カマ ...自由詩4*11-4-13
けしごむのゆくえけしごむのゆくえけしごむのゆくえ4/11への ...- 竜門勇気自由詩2*11-4-12
D.A.Harold's_brain- 田無自由詩311-4-11
曇天に魚- はるな自由詩511-4-10
藤を見に_/_****年不明- 小野 一 ...自由詩6*11-4-9
青春- 真山義一 ...自由詩1611-4-8
尖端_/_****'04- 小野 一 ...自由詩6*11-4-6
オノ_ヨーコを食べる- アラガイ ...自由詩4*11-4-4
陽だまりに- 月乃助自由詩21*11-4-2
うずらのたまご- ふるる自由詩6*11-3-29
空と川(火)- 木立 悟自由詩511-3-28
羽田空港第2ターミナル- subaru★自由詩5*11-3-25
車に轢かれる夢を見ていた- 自由詩5*11-3-21

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