桜の樹の下には雪が埋まっている
焼け残った桜の樹の下には
百年前の粉雪が
いよいよ冷たく固まっている
ほのかに白光を帯びて
樹の根とたわむれ
黄泉と混じり合い
はるかな夢にまどろんでいる ....
まわり疲れました
いい加減にして下さい
もうこれで最後です

後ろの正面が
誰かなんて
分かるわけないじゃないですか
だって
あなたを中心にして
150人がまわってるんですよ

 ....
 捨て猫あいさつしない

 ビール缶から雨水こぼれた

 扇風機の首が折れる

 夜が地べたを這っている

 高層ホテルが墓石

 夜中が地下を新たに作 ....
昨日をかばんに詰め終えた
坂道 秋の木立 四種類の蝉の歌
清掃工場の煙突と浄水場のタンク
ダンスを始めた稲穂たち
鎮守の丘と用水路
高速道路の高架橋
思い出の風景をぜんぶ閉じ込 ....
線路というやつはなんだって
この直線的な箱を
ねじ曲げることなく
流していけるのだろう
緩やかに曲がってくクセして


ぼくは客車のぱさぱさとした手触りの赤い
キルトのようなベッドの上 ....
二十歳はいつかの幻想だった。
思い出が時計の針を進める。
ラジオがよく響く夜があり、
蟻が部屋を這い回る朝がある。
そんな時は、がらがらの電車にずっと揺られていたい。
私が景色に語りかけるの ....
静止画像をはりつけた

壁が

光を打ちおとしたあとにひろう水鉄砲



あなたがわらうにも

わたしがこの瞬間ひとであることにも

静止画像のゼンマイは必要だった


 ....
すずめをひいた
会社に出勤途中
青空の下でひいた

フロントガラスからみえた
ちゃんと道の上を横切ったのに
なんですぐ私の車の下に引き返すの
くちばしから餌を落としちゃったのか

あ ....
谷を撫でる風、
きゅー、と声をあげる。
川が熟れ、
女に還っていく、
熱い血流。
空には蒸発した、愛の証。
ふくらむ/われる


話したこと。

罪を吸い取る、
雲について。
 ....
その日の小学校は
雪に埋もれて真っ白になっていた
音はシンと響き
鶏や
兎は息を潜め
体を丸めていた

その日は丁度夏休みで
皆学校にはいなかった
用務員の叔父さんぐらいは
来てい ....
背中を切ってきた
麻酔が切れてきたので少し痛む
抜糸は来週
アホみてぇな金がかかる
スネかじってる間はいいけど
一人でこれ払う事を考えると厭になる
保険入っててこれかよ
泣けてくる
 ....
蝕     ある天体が他の天体の一部または
      全部をおおい隠す現象。日食・月
      食、星食のほか、惑星による衛星
      の食や恒星同士の食などもいう。


蝕 蝕  ....
  うすむらさきの川に指をひたしたまま
  舟が帰らぬことを願っていました
あなたは何故そんな
紙の花のようなことを言うのか


とうの昔に終わっていたのに
今がはじ ....
 
 
公園の水たまりに小さな魚が一匹いた
海水魚のようだった
昨晩の雨に迷って
ここまで泳いできたのかもしれない
このままでは水が干上がってしまう
魚は少しずつ弱っているように見える
 ....
耳を立てて
虹の匂いを嗅いでいる
そのとき
雲を背負って
ぼくらの原始人が現われる


原始人はときどき血痰を吐く
ひそかに獣を食ったのかもしれない
あるいは体の中に獣がいるのかもし ....
せめて はいさぎよい
悔いにのみこまれてもその上に震えたつ
涙もかれた花のいろをしている

せめて はもとめない
とうめいになったからだで小さなものたちを拾う
どんなにこぼれても心のあ ....
 地球上のすべてのおともだち
 起きていますか
 これが世界の夜です
 想像しうる限りの細く高い断崖を
 脳の荒ぶる日本海に築いてください
 その先端で風に圧されながら
 体育 ....
ミンミンと鳴くこともなく
たまたま出会ったセミは
コンクリートの駐車場に
ただ しがみついていた
生きているのか死んでいるのか
さわったら ジ っと鳴いた
逃げることもしないので
ひどく ....
 
 
いつの頃からか口の中に
ハリセンボンが住み着いている
怒らせると針が口中に刺さって痛い
ちょっとした振動にも反応するし
取り出そうとして手を突っ込んでも
針が引っかかって取り出せ ....
{引用=前書き: 
毎日暑い日が続きます。毛深い方、そうでもない方、弁別すれば薄い方、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ご好評をいただきました「陰毛を考える」もいよいよ最終回となりました。
引 ....
(父、父、父、と泣く声が聞こえるがあれはなにか)
(息子の声か、ならば過去からの声か)
(父の声か、冥界の声か)
倒れたまま父は泣く
足をすくわれ転ぶ
父が「あかの他人」と呼ぶ人々から
湿 ....
夏の朝
水蒸気の味

浜木綿の花が
手を繋いで作った
輪っかから

ヤマトシジミ
ヨロヨロ
飛び立つ

夏の雲
薄荷の匂い

忘れかけていた
青臭い記憶が
鼻先で弾けて

夢遊病者の影
ジワジワ
溶 ....
{引用=
「おはよう、
せっせとお弁当箱に昼食を詰める
この世界のなんらかに収まりなさいと
話しかけてくる忙しげな背中
通学路に捨てられた雑誌には
艶びかりする牡牛の角と蛙の屍
女の子の ....
じんしんじこで電車がこないホーム、ホームをはしからはしまであるいている、きれいな服だねと言われた、せかいは熱湯のなかにある、この駅には猫がすんでいる、猫はよごれている、わたしは白線ぬかしのずるをし ....  
 
「ね」から
「ね」をとると
なんにもなくなってしまうから
かみさまは
「こ」をあたえて
そのどうぶつを
「ねこ」となづけた

「ね」がなくても
「こ」がのこる

もと ....
「織姫、彦星」

一、

年に一度の逢瀬の日だと地上が先に盛り上がってしまい、天上の二人は今ひとつ盛り上がれない。


二、

毎年「あの時の子よ」と織姫は子供を連れて来るが、ど ....
ひらき ひらき
また変わる
ひらき ひらき
変わりゆく


鉄に降る虹
坂をゆく午後
水をすぎる影
花や光や 曇をかかげ持つ


脱げば脱ぐほど
次の次の ....
(?)

お腹のなかの緑色した
涼しい星たち
その
熟成のない
天体の運行。

体内のなかにある
岩窟のような暖簾を潜ると
視えない無数の蟹たちの
ねっとりとした体育館。

 ....
現代詩は難しい
まず発音が難しい
ローマ字で書くとge・n・da・i・shi
軟口蓋破裂音だったり歯茎破裂音だったり摩擦音だったり
口に出すからには覚悟がいる
語末の[si]っていうとこまで ....
やっとアイツから離れることができた
アイツが憎くてたまらなかった
アイツは俺の心を折ったり
傷付けたりして楽しんでいた
幾度となく硬い地面に叩きつけられ
そして俺を罵った
俺は ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1294)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桜の樹の下には- 春日線香自由詩210-8-31
カゴメはカゴメ- 花形新次自由詩4*10-8-30
ジャスタ_モメント- ヨルノテ ...自由詩110-8-29
夜に歩けば- 橘あまね自由詩910-8-26
リトルナゴヤとカブトムシーズの冒険-1- 水町綜助自由詩7*10-8-25
飛躍- 桐谷隼斗自由詩210-8-23
植物- 乾 加津 ...自由詩3*10-8-19
けど_でも- 砂木自由詩10+*10-8-19
聖なる欲望- 桐谷隼斗自由詩110-8-18
雪の日- Oz自由詩110-8-16
ペインをイマジンしながらノイズに耳をすましSOSを。- 虹村 凌自由詩6+*10-8-14
- 非在の虹自由詩2*10-8-13
ノート(紙の花)- 木立 悟自由詩7+10-8-11
下り列車- たもつ自由詩1310-8-10
ぼくらの原始人- yo-yo自由詩8*10-8-6
わたしと__せめて- 乾 加津 ...自由詩16*10-8-5
夜(は液状に波及する)- 手乗川文 ...自由詩710-8-2
セミ- ベンジャ ...自由詩9*10-7-31
伝言- たもつ自由詩710-7-29
夏の総力特集_・_「陰毛を考える」_最終回- salco散文(批評 ...14+*10-7-27
書かれた—父- 非在の虹自由詩2*10-7-17
7月17日_土曜日_朝- nonya携帯写真+ ...8*10-7-17
逆創世記- 高梁サト ...自由詩15*10-7-16
ホーム- はるな自由詩210-7-15
- 小川 葉自由詩3*10-7-12
七夕祭- 明楽自由詩18*10-7-7
ひとつ_めぐり_Ⅱ- 木立 悟自由詩310-7-5
文通- 長岡瞬自由詩210-7-3
曖昧なイーミック- 海里自由詩310-6-26
カミヒコーキ- くなきみ自由詩1*10-6-23

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