萎れた木から一匹の羽虫が飛んだ 羽虫は雨に濡れて地に堕ちた
泥水の中でも奴は生きる しぶとく生きる 足が蠢いている 
背中の夥しい数の斑点は死の象徴 色濃く鈍い色彩を放ち
羽が濡れ 長い時間をか ....
猿が
ウキウキ ウッキッキのキ
と鳴いたので
私もいっそ猿になりました

畑の野菜をおばあさんがひとりで作ったが
嫁も孫も食べやしないから畑にどっさりこ

猿が
ウキウキ ウッキッキ ....
左肩を左壁に押しつけて
くたばってしまえ
打ち寄せて来いと
うたいつづけているのだ


左肩の血で壁に絵を
描いているのだ
猫のように餅のように
鳴いているのだ
 ....
百合の皮をめくりたいという人がいて
道の真ん中で手をゆらしている
まっくらなのだ
まっくらなのだ
薄皮一枚
光の場所
あん人
あん人の
ところにいくだ

唱え ....
          伊豆急 城が崎海岸駅の裏手に
          白いペンションがある

          庭に大きく茂る木
          それが やまももの木だ
        ....
古代、影という言葉は
月影とか
面影とか
光りのことでもあったので

孤独の影は孤独の光り
ひとりの孤独はひとりの光り

光る子と書けば
ミツコさん
光りはみつるものでもあるが
 ....
暹羅(シャム)猫を飼うのは難しいから止めたほうがいいと友人は言っていた
でもお前を飼って正解だったと今は思う
私はこの2年仕事を終えると一目散にお前のもとに帰ってくる
ソファに寝そべって愛しい茶 ....
自ら輝けないとしても
淡い光を放っていたい
誰かのお陰だとしても
夜空に浮かんでいたい

ウサギが餅をついてるだろ
かぐや姫も待ってるだろ
六分の一の重力で
空中散歩もできるだろ

 ....
白の人は煙草を吸っておりました
一息吸ってはゆっくりと
口から引き出された煙は
、そして、ゆるやかな渦

雨が降っておりました
さら、さらさらさらさらさら、さ

白の人は煙 ....
少し前に雨がやんだ
吐息のような匂いがたちこめている
冬というものは罪の意識の現われのように悲しい

ガソリンの足りない車のように
とまる心配ばかりして生きる
走りながらとまることを考えな ....
街を歩いていたら日本語が堪能な少年に声をかけられました。うさんくさいなと思いましたが、あまりにも上手なので応じてみることにしました。

どうやら少年、日本語の勉強をしたいがために日本人に話しかけて ....
おしまいに向かって
呆けたからだは歩いていた筈だった
私の知っていたおわりはもうとうにすぎて
知らないおわりと
知らないはじまりが
叩きつけるように吹いてくるのを
ひとつもつかまえられない ....
遺影と目が合う
私がまだここに在る
万年筆と腕時計の
青青とした言葉の繁みを
刻みつつ書いて行く時を
その者は、見守っている

いまもなお続く道を。
視線は歩む
心の遺伝子を携えて
 ....
「どうして君は走らないの?」とクラスの女子に聞かれて私はこう答えた。
「サンダルだから。」

私が通っていた小学校には
“ランニングをサボった人がいた場合は、その人の周りを走る”
という風 ....
わたしのなかの毒を 冷たい指先から
触れるものにすべてなすりつけた
その先にあるのは無機質な 温度で 少なくとも
モノであるぶんには ずいぶんあった


かぞくで暮らしているのに ひとりで ....
くるっても
いいのだろうか
という言葉をおしころして
公園へむかう

身ぐるみはがれる
とはこんな気分だろうか
この身をくるんでいた
ものたちはどこにいるのか
いまも元気で
やって ....
不自由なペンが
真っ白い紙の上を暴れるとき
あなたは
見たこともない景色を見るだろう

インクを調整しやすい
それだけのひと
わたしは
それだけのひとになった

利かないものは ....
{引用=
山の細胞があんなにゆっくり色づいているというのに君ときたらせっかちでいけない}




 学校で図書館で自分の部屋で
 本屋でコンビニであなたの部屋で
 髪の毛の一本でも爪の ....
教壇に立つと足が震える
いまだに ほんとうに
数に圧倒されるわけではない
自分の無知と対峙せねばならぬから震える

それをひた隠しにして
知識を売り鬻ぐ男がここにいて
いつ化けの皮を剥が ....
うちがわにうちゅうがあるから
ふとんから
でられない

たいくつはしてないんだけど
ひとに
おこられそうだな
バスに乗ってたら
13番目のバス停で
ある男が乗ってきて
いちばん前の
広がる窓の席に座った


明るい緑の
Tシャツと
三本ラインの入った
黒のジャージ
靴下の足は ....
俺のフェラーリをすっとばして
空の向こうまで
行ってみようじゃねえか

このアクセルを底まで踏んだら
いったい何キロ出ると思う?
おまえのそのボディラインに負けない
流線型の風を斬って ....
ときになにか
とんでもない忘れ物をしてきてしまった
という不安に駆られることはありませんか?
今朝 出掛けにストーブの火をきちんと消しましたか
妻に見られたらただではすまないメールも消しました ....
おかあさん
わたし あなたがうっとうしかった

あの日

窓の内側からわたしをみたあなたは
ころしてしまいたいぐらいこわかったです

おかあさんのおかあさんは天使にみえた

あなた ....
ひとの詩が読めなくなって久しいので
もうずっとひとり遊び

読んでいて今日は
ひかり
という言葉をひろった

ひのひかり
つちのひかり
みずのひかり

ひのひかり
つきのひかり ....
この空は
川だって越えてつながっている
そう思って安心していた
安心したまま
あの夜や言いかけた言葉などを
曖昧にして しまいこんでいたんだ

  食事なら一緒に行くのに
  くだらな ....
丁寧に折りたたまれてぼくの声は
秋の海の波打ち際
街路が冷たい空気に抱きすくめられる前に
こころを回収するために僕は駅へ向かった

音がいつまでも鳴り止まない海
音声もまたエネルギなのだ
 ....

十月も末になるとパソコンが
鼻をすするような音を立てながら起動するようになる
動作もどことなく鈍くて
悲しいつらい気持ち悪い
という類の言葉は迅速に変換されるのに
楽しい嬉しい気持ちい ....
蝶と呼ぶにはあまりにも大きな黒い羽を蝙蝠と見間違い
「哺乳類なら子をうめるのでしょうね。」
そう信じたいわたしは心臓から大腸までを綺麗に束ね、
唇で結わえて感覚的スイッチを押した。

 ....
空をおよぐ季節の弱気なおやすみに
うごけないが腫れ上がり
あれは、びっくばん、というんだ。
という夢をみてしまうとうまれてしまいました

あたしだれもしらないどこなのですか?
まっくらっく ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1293)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
死の伝染- yumejiki自由詩310-1-26
猿家族- 朧月自由詩410-1-22
ノート(わだちうた)- 木立 悟自由詩310-1-20
夜花未満- アキヨシ自由詩210-1-19
ペンション_アントルメ- 鵜飼千代 ...自由詩6*10-1-18
孤独の光、りひと- 海里自由詩3*10-1-16
暹羅の青い猫- 楽恵自由詩6*10-1-14
月になれたら- 葛西曹達自由詩510-1-12
煙草- 石黒あき ...自由詩3*10-1-8
終る夜- 朧月自由詩309-12-29
インド旅行記9(バラナシ)- チカモチ散文(批評 ...409-12-27
わざと引きずる脚がもうない- 因子自由詩309-12-22
会話- こしごえ自由詩4*09-12-15
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●- ひとなつ自由詩11*09-12-10
ひとりの温度(冬)- 唐草フウ自由詩6*09-12-7
樹木- 岡部淳太 ...自由詩509-12-4
文盲- ゆえづ自由詩409-12-3
今年もまた季節が終わるから- 亜樹自由詩409-11-27
90分- 瀬崎 虎 ...自由詩4*09-11-25
冬のいちにち- 笠原 ち ...携帯写真+ ...11*09-11-19
ベリーグッドの正体- カンチェ ...自由詩509-11-17
俺のフェラーリで- ふくだわ ...自由詩109-11-5
忘れ物- Kazu.自由詩1*09-11-4
うちあけばなし- 朧月自由詩209-11-3
ひとりあそび、ひかり- 小池房枝自由詩609-11-3
願い- 伊織自由詩309-10-31
少し海を見て電車で帰った- 瀬崎 虎 ...自由詩6*09-10-31
冬支度- 吉田ぐん ...自由詩1209-10-30
on- 夏嶋 真 ...自由詩1209-10-28
めぐりくるはる。- おっぱで ...自由詩5*09-10-25

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