早瀬のそばの竹やぶに
住んでおりましたので
笹舟を流しては遊んだものです
手を離すと同時に
それは勢いよく
旅立っていきました
赤い橋をくぐるまでは
なんとか目で追うことができましたが
 ....
ダメになったなんて誰がわかるって云うんだ

臭いもなけりゃ味もない
見た目だって変わりゃしない

生きているんだ“なまもの”じゃない

ダメになったなんて誰がわかるって云うんだ

一 ....
夜の風に呼びかけられて
居心地の良い部屋を捨てる
駄目な方へと向かう本能
どこかで赤ん坊が泣いている

綺麗な花を上からのぞいても
ダ・ヴィンチの要塞都市を連想する
そんな思考に石を投げ ....
つむじ風は南南東に駆け抜ける
収束しない想いを切り裂くように

二足歩行の夜は遅々として眠れぬ夢とともに
進化論の樹を遡り霊長類の高みへとたどり着く

昨日のことはもう知らない
知る必要 ....
五臓六腑閉じてオヤスミ どんな花も美しい
迷わず自分だけの輝きを
自由自在に放っている

私の心に咲く花は満開になり
甘い香りはポジティブな証拠

経験したことが
栄養になり個性と混ざり合い
大輪の花が色づ ....
土脉潤起
つちのしょううるおいおこる


雲がほどけて
雪がこぼれる

北がやぶれて
風があらぶる

音がとだえて
水がいてつく

光がとおのき
命がしずまる

雪 ....
初めての学芸会は
サルカニ合戦の
蟹の役だった
いとこのよっちゃんは
猿だった

元の話は
硬い青柿をなげつけられて
つぶれた蟹の卵から
子蟹が出てきて
助太刀を得てみごとに
親 ....
うっかりとすずめの焼き鳥食べてから雀の顔を直視してない

何年も開けられてない旅行カバンとんでもないうっかりが出てきそうで

ガソリンいれるとこなんで開けっ放しなん? 娘の指摘にうろたえて あ ....
みんな

ちゃんと

みとめられて

みんな

いいひとで

いいことをして

みんな

きもちよく

生きてゆければ


不意に訪れるのは

悲しみか

 ....
いつも 
車両に乗り込んだ人は
先から乗ってきた人に
目で挨拶を交わしたきり
閉じたままの窓の外へ
視線を泳がせたまま
死んでしまう

いつも
死んだ人間が運ばれていく車両に
今日 ....
スーパーで並んでいたときのこと

小学校一年くらいの男の子が
母親とおぼしき人に
何やら言いに行ったかとおもうやいなや
ばしっと音が響きわたるほどの勢いで
頭をはたかれた

理由はわか ....
眠れない
時だけが
刻まれる部屋で

眠れない
そもそも私は
眠りたいのか

眠れないのか
眠らないのか

眠眠眠眠眠…
何だかちっとも
眠くない漢字だ
いや
感じだ
 ....
蟹は
前を向きながら横へ進むのか
横を向きながら前へ進むのか
蟹のからだの構造上
顔のある方が前だから
蟹は前を向きながら横へ進んでいるのだ
が しかし
蟹も何か目的を持って進んでいる
 ....
なじめない街に
あたらしい図書館ができて

あたしはうれしくって
ちいさい頃から本だけはいつも傍にいてくれたと
はたと気がついて

そういえば
だれもいない 一人部屋

まだまだお ....
目がさめたら
やけに喉が渇いていた

水を飲もうと
池のふちで
身をかがめると
なぜか
バランスを崩し
水の中に落ちてしまった

泳ごうとしても
体は重く
水の底へ沈んでいく
 ....
一日の仕事を終え
重たい瞼を閉じると
学生だった頃に
顕微鏡で見たことのある
輪切りにした脳の細胞
・・のような原野に
無数のプラナリアが蠢いていた
その隙間を油の泡が
虹色に発酵して ....
私は十三年間
薄暗い工場の中で
機械の一部になって働いてきました
小さな子どもを連れて離婚した
若くもない女には3Kの仕事しかなかった
子どもを保育園に預けて働いた

毎日々
ベルトコ ....
公園で拾うシケモク春の猫 鏨(たがね)を打ち込む

光沢のある表面に
一閃の傷をつける
堅固な光沢のある表面に
鏨(たがね)を打ち込む

切断する術は腕一つ
振り下ろす鉄槌の微妙な躊躇は
表面を滑り鏨(た ....
Vの発音 Vの発音 Vの発音 Vの発音
言語聴覚士に何度も発音を矯正される
だけどまだできない
標準的なVの発音

ボールを投げて キャッチして
ボールを投げて キャッチして
作業療法士 ....
おはよう
今日も生きている私へ
重い身体を起こし
薬を飲んだら
また眠る私だけど

私もちゃんと
明日のために生きている
銀盤の周囲には
金や策略やら
得体の知れない黒いどろどろが
埋まっているとかいないとか
それと比べたら
ライバルのスケート靴に
画鋲をいれちゃうなんて
(そういう少女漫画があった)
わ ....
父は今日
返事をしなかった
話しかけても

目だけはじっと
私をみていた

まゆみだよ
わかる?

といっても
黙っていた

聞こえる?
と聞くと
うなずいた

声は ....
洗濯物の模様になって
取り込まれたテントウムシ
手足を縮めて
ぼく死んでまーす

アジサイの葉に
赤と黒の水玉模様
手を触れれば地面に落ちて
ころころ転がり
ひっくり返ってぼく死 ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で

澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
熱燗の、おちょこの横の
受け皿に
五匹のししゃもが銀の腹を並べ
口を開いて、反っている

いつか何処かで観たような
あれはピカソの絵だったろうか?
絶望を突き抜けてしまった人が
空を仰 ....
回向院眠るあの仔はどうしてる年あらたまり陽はやわらかく


元旦の部屋暖かく恵まれて初詠み刻む亡き父の{ルビ時間=とき}


一月のなみだはじめてこぼす日の夢で会いたいたましいふたつ

 ....
斜面の彼方
架空の消失点に向かって
きみは加速する

ゴーグルに叩きつけては
後方へ飛び去る風が
喝采にも罵声にもきこえる
そのクレシェンドの頂点で

はるかに強く
心音をたたきつ ....
親のない子も育ちたる雨水かな
ichirouさんのおすすめリスト(2068)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
笹舟- そらの珊 ...自由詩17*14-2-23
おひとついかがですか?- 徘徊メガ ...自由詩314-2-23
夜の風- 自由詩1314-2-22
つむじ風- 梅昆布茶自由詩1614-2-22
五臓六腑閉じてオヤスミ- 北大路京 ...自由詩414-2-22
心の花- 夏川ゆう自由詩214-2-22
土脉潤起- nonya自由詩17*14-2-22
勧善懲悪- Lucy自由詩13*14-2-22
うっかり- そらの珊 ...短歌7*14-2-22
生きる- 吉岡ペペ ...自由詩314-2-22
いつもの車両に- イナエ自由詩12*14-2-22
ただそれだけのこと- そらの珊 ...自由詩20*14-2-22
- 森川美咲自由詩114-2-22
蟹と人- ただのみ ...自由詩16*14-2-21
図書館- 弓夜自由詩4*14-2-21
目がさめたら- Lucy自由詩6*14-2-21
睡魔- 和田カマ ...自由詩6*14-2-21
【_私の履歴書_】- 泡沫恋歌自由詩37*14-2-21
公園で拾うシケモク春の猫- 北大路京 ...俳句314-2-21
鏨(たがね)を打ち込む- ……とあ ...自由詩14*14-2-21
矯正- 夏美かを ...自由詩31*14-2-21
おはよう- 森川美咲自由詩6*14-2-21
そこぢから- そらの珊 ...自由詩11*14-2-21
父は今日- Lucy自由詩22+*14-2-20
擬死- イナエ自由詩12*14-2-20
金属の目録- 壮佑自由詩27*14-2-20
ししゃも- 服部 剛自由詩21*14-2-20
元旦二〇一四_(一〇首)- もっぷ短歌214-2-20
ノーマルヒル- 村田 活 ...自由詩4*14-2-20
親のない子も育ちたる雨水かな- 北大路京 ...俳句114-2-20

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