放置されている
錆び付いたモニュメントが
無聊の果てで

  はにかんでいる
  傷付いたオブジェが
  悔恨のなかで
  
    削られている
    ゆらぐパビリオンが
   ....
        ゆめの空にひかりの魚が跳んで

    まぼろしの丘でみどりの犬が吠えたてて

        ゆめの海にかげりの鳥が泳いで

まぼろしの里でにびいろの四次元がわめきたてて
      充足は消えました
  期待も持てなくなりました
でもねがいだけは残っています
   血のかがり火にむかって

      ゆめは逃げました
 のぞみも抱けなくなりました
でも ....
海手のマリンパークは まぶしく映え
      満天の星座とも融合する
 ジュピターの空につつまれています

          にもかかわらず
いまや 赤い季節の満ち潮には乗れず
    ....
          寒冷にじっと耐えていた
             庭の裸木たちだが 
   その梢にはもうみどりの点灯がひそかに
                  そして
        ....
        火のついたこえが跳び跳ねている
             たそがれどきの小広場
   もう そこには老残が共有できる余地はない
     にびいろのひかりだけをひきずる孤高も
 ....
               あのときは
         なぜか わからなかった
      ことばを荒立てた「血」の頑迷
      想いを沸騰させた「気」の動転
             ....
あなたはうしろを振り向こうともしなかった
街角を曲がる郵便配達員のように
   (あなたが魂に呼びかけてくれた
    啓示は風でとぎれる幻想となって・・・)

結局 あなたはうしろを振り向 ....
まぼろしの道への開門でもあろうか
一日中にごっていた空が黄昏に割れ目をつくる

はてしないもの
       そのささやき
枝にめばえる若芽
      若芽にひろがる祈り

問いかけ ....
        むだぐちをしゃぶりあう
         かげぐちをかじりあう
        にくまれぐちをたべあう
                そして
          くちがるにの ....
           静まりかえった丘のひだ
   一年のうち最も紫外線が強いという水無月
         太陽は鮮やかなかげをつくる
                  昼下がり
のどかに ....
埃っぽい雑木林のうえで
高圧線がけだるそうにたるんでいる
(感傷に曇ったまなざし?)

しっとりとせまる落日のなかで
くまどられた丘がうずくまっている
(運命の冷遇?)

宵やみが深ま ....
空は窓のための背景ではない
汚血に支配された脳神経を
研ぎ澄ますためのものだ
(小春日和なのに
 わたしの空はなぜ軽量なのだろう)

窓は空のための額縁ではない
水毒におかされた胸のうち ....
  つれづれにつつじが丘の坂道で
  おもいがけなくつぶやいたのは
ちからを使いはたしたからだろうか
            それとも
 歳月をシャボン玉のように弾いて
  はじめてわかった ....
黒い風を跳ね返しもせず
赤い光を吸い込みもせず
  彫り抜いた窪みには
  にびいろのあまみず

 ときには焼け石となり
 ときには氷山となって
 ひとかかえもする石が
   こころの ....
プラットホームにいたひと
と 
病院の待合室で出食わした
 ....
夜にこだわり
パジャマに星をちりばめる
(宇宙の彼岸と此岸)

闇にとらわれ
 ....
   太陽はもっぱら「脈診」してくれるだけなのに
         月はどうして「舌診」に そして
    星たちはなぜ「腹診」にこだわるのだろうか

             セピアいろに涸 ....
 なんでもみている筈なのに黙っている
               大樹ょ
 あなたの望む空をわたしもみつめたい
あなたのささやく声もわたしはききたい
       のびやかに息づいている
 ....
    病窓のむこうにはあふれていました
ゴールデンウイークのうきうきしたひかりが
 中庭の木立のあいだにもながれていました
       みどりに薫るそよとのかぜが
             ....
しびれた指先の真夜中
うとましいゆめの暴力が・・・

あゝ おぞましいゆめのみずうみが
現実なのでしょうか

それとも現実こそ いとおしいゆめなのでしょうか
だったら だったらよーく噛み ....
         見限るようにも
また逆に 見守るようにも 想える
なんとも言葉にならない「もの」が
    いま つっかえ つっかえ
       のどをくだってゆく
        それ ....
         シェーバーの刃のように
      うとましく震えおののいている
       つつじが丘のひだは春の宵闇

     きのうは「気」の地図が改訂され
    きょうは「血 ....
         遠く過ぎ去った日々ょ
   おまえはリグレットの走馬灯なのか
いまや「生」が手ごたえもなく戯れている
  にびいろの「風」と「光」にむかって

        近くに迫って ....
桜前線が卯月の空を渡りきると まもなく
         花吹雪は花筏となって
     西知多の海底に逝くのだろうか
   ひろがる四次元のさだめに竿さして

 混迷の露払い
      ....
       羽ばたく気配もなく
     なにやら深く息をひそめ
 小さな灯かりだけをもらしている
       つつじが丘の家並み
  すみれいろしたかげがながれる

     どうし ....
一途な川ってあるのかなぁ
二途の川ってあるわきゃないなぁ
でも
三途の川ってあるというぢゃないか
    浅瀬で渡れるのかなぁ
    橋があって渡れるのかなぁ
    それとも 深みには ....
      落日まじかのプロムナード
      ひとかげは猫の尻尾となり
    もやにまぎれてプツンときえる
わが身にせまる不透明な四次元のように

          *     
 ....
        起床時に脚のすじがひきつってさぁ
          散歩時に亀背がこわばってさぁ
        それでも所作がいとおしくってさぁ
ねぇ ねぇ ちよっと そのことできみはどうお ....
    庭隅のさざんかがぽっとり落ちている
           古戦場の血糊のように
ときいろだったわたしの季節も萎えてしまった
          老犬のくちもとのように 

   脳髄 ....
信天翁(638)
タイトル カテゴリ Point 日付
小景(二十)自由詩106/7/25 19:03
四行詩(抄)十二自由詩206/7/22 16:05
Spiral自由詩306/7/19 15:26
水平線自由詩206/7/17 21:25
早春譜自由詩106/6/24 22:57
赤い季節(八)自由詩206/6/22 10:55
冷たい影(六)自由詩106/6/14 20:20
カイロス自由詩206/6/9 21:46
乾いた空自由詩106/6/7 14:29
黙示(十七)自由詩306/6/3 19:09
風のゆくて(十九)自由詩206/6/1 14:27
現況届自由詩206/5/28 18:54
空と窓自由詩206/5/23 19:09
にびいろの叫喚自由詩206/5/21 20:40
庭石自由詩106/5/17 9:47
Kranke自由詩006/5/14 11:12
箒星自由詩106/5/10 16:19
ターミナルケァー自由詩206/5/9 23:05
わたくしごと自由詩106/5/6 15:58
入院-白そこひの手術にて-自由詩606/5/4 19:07
迷路(十六)自由詩206/4/26 21:56
vagabondの詩(うた)⑪自由詩1+06/4/22 20:58
日々に疎く⑨自由詩106/4/20 22:27
とある呟き自由詩206/4/16 16:41
灰色の足跡(⑧)自由詩206/4/13 15:02
二〇〇六年・冬自由詩106/4/6 9:49
未知の川自由詩206/4/3 20:37
四行詩(抄)Ⅳ自由詩106/4/1 14:52
四行詩(抄)Ⅱ自由詩106/3/27 22:28
四行詩(抄)Ⅲ自由詩106/3/23 21:45

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